臨床活動
 痛みは、もともと身体に生じた異常事態を知らせる警告反応として大切な役割を持っています。そして、多くの痛みは原因となる病態の改善とともに軽減消失します。警告の役割を終えた痛みがいろいろな理由で長く存在すると、より強い痛みや新しい種類の痛みが加わり、病気の部位の器質的異常や機能低下だけの問題だけでなく身体的・精神的・社会的要因が複雑に関与し始め、私たちの生活の質(QOL: quality of life)を低下させることになります。
 ペインクリニックでは、症状や身体所見から多角的に痛みの原因を診断し、薬物療法だけでなく神経ブロックをはじめとする各種の治療法を駆使して痛みを軽減・消失させQOLを向上させます。

 神経ブロックとは、痛みを和らげる薬液を注入し、痛む神経の周辺や神経そのものにアプローチする注射の治療法です。神経そのものではなく、筋肉、筋膜面、関節などに注射を行うことも広い意味で神経ブロック治療に含めることがあります。
 現在当科では、体表面の目印から注射部位を決定するブラインド法に加えて、X線透視装置を使って注射部位を決定する透視下法、超音波装置を用いて注射部位を決定する超音波ガイド下法を行っております。
*神経ブロック治療は、痛みの種類、内服薬、合併症などによって、効果がない場合、実施できない場合があります。

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