教授紹介
長崎大学医学部麻酔学教室
教授 原 哲也
長崎大学医学部麻酔学教室 澄川 耕二

 平成25年11月1日付けで長崎大学大学院医歯薬学総合研究科麻酔・蘇生学分野の教授を拝命いたしました。秦野滋教授、後藤裕教授、澄川耕二教授に続いて4代目となります。
 長崎大学麻酔学教室が担う診療領域は、麻酔管理、集中治療、ペインクリニック、緩和医療および救急医療です。全国水準以上の高度で先進的な周術期医療を提供すること、臨床に強い麻酔科専門医を数多く育成すること、関連病院との連携を強化して地域医療に貢献することを目標とします。
 医療の高度化、手術の先進化に対応するためには、高度な診療能力と柔軟な対応能力が必要です。チーム医療である周術期医療および集中治療を担うために、専門性とともにコミュニケーション能力にも優れた臨床医を育成し、患者だけではなく主治医や執刀医も満足する医療を目指します。年々増加する手術件数に対応するために、関連病院との連携を深めて麻酔科医師の人材確保に務めます。大学病院で確立した先進的医療を地域医療に提供するために、関連病院に指導医・専門医を配置して、緊密な診療連携を実現します。
 長崎大学病院では周術期医療および集中治療の進歩に寄与できる臨床研究を行います。関連病院ではそれぞれの病院の特徴を活かした研究を行っていますが、質の高い大規模研究のために、大学と関連病院が連携して行う多施設共同研究システムを構築します。基礎研究は全身管理の柱である循環、呼吸、代謝を中心に、疼痛制御に関する研究を行います。基礎研究の成果を臨床に反映させ、新しい全身管理法の開発にも力を入れます。研究成果は国内のみならず国外に向けて発信します。国際学会への参加や国外留学などを通して国際性豊かな医師の育成を図ります。
 学生教育では、学生の「自ら学ぶ姿勢」を育むとともに、実践的な臨床技術を身につけるための機会を提供します。知識や手技の習得にとどまらず、やる気を引き出す教育を行います。卒後教育では、事故のない安全な医療を実現するために、周術期管理における安全管理と危機管理の重要性を教育します。水準以上の臨床能力を習得するために、卒後年次に合わせた研修目標を設定し、卒後5年目までに麻酔科認定医、8年目までに麻酔科専門医の資格を取得することを目指します。認定医取得後は集中治療、ペインクリニック、緩和医療、救急医療などの麻酔科サブスペシャリティ分野での研修と、各分野における専門医資格の取得を目指します。大学院進学による博士号の取得と専門医資格の取得を両立させます。
 医師および社会人として認められる人材を育成し、長崎大学と地域社会の発展に貢献できる教室運営を行います。