患者さんへ
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長崎大学医学部麻酔学教室
〒852-8501
長崎市坂本1丁目7番1号
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1. 高周波熱凝固治療
 腰の痛みは加齢による脊椎、つまり背骨の変形が原因でおこってきます。脊椎同士は椎間板というクッションと椎間関節という関節で繋がっています。この関節には後枝内側枝という、通常は非常に重いものを持った時などに危険信号として痛みを発する神経が入っていますが、脊椎の変形があると椎間関節も変形するため、強い重力がかからなくてもこの神経が刺激されて痛みを発するようになります。椎間関節症といわれるもので、脊椎の出っ張りの横を押した時に腰に痛みの走る方の腰痛の原因と考えられます。従来この関節内に局所麻酔薬を注入する椎間関節ブロックが行われていましたが、効果が一時的であったため、当科ではこの神経に熱を加えて痛みを発しなくする高周波熱凝固治療を行っています。効果は約6ヶ月持続します。神経刺激装置により痛みの原因と考えられる神経のみを探して治療しますので、合併症もありません。
2. 硬膜外腔鏡(エピドラスコピー)
 足や腰の痛みを感じる神経は脊髄から硬膜という固い膜を貫いて出てきて、枝別れをして足や腰にひろく分布します。腰や足の痛みのうち、安静やお薬を飲んでも効果が無い、また腰の手術をしても痛みがとれない方の場合、骨の変形などのために硬膜の外側に痛みの原因物質が洗い流されずに溜まって神経を刺激していることが痛みの原因と考えられます。麻酔科ではこのような患者様の治療として硬膜の外側の痛み物質が溜まっていると考えられる狭い隙間に内視鏡を装着した細い管を挿入し、生理食塩水を注入して痛み物質を洗い流し、炎症止めのお薬を注入する治療を行っています。脊髄が通る道が狭くなっている、脊柱管狭窄症の方の痛みに効果があります。これを行うことによって足や腰に電気が走るような痛みを和らげることができます。また治療後の神経ブロックの効きが非常によくなります。
3. 胸腔鏡下交感神経切除術
 体質的にてのひらに多量の汗をかく方が200人に1人くらいの割り合いでおられます。手掌多汗症と呼ばれ、発汗に関係する交感神経という神経の過剰興奮が原因です。手の汗に関係する交感神経は胸の中にあり、麻酔科では、胸腔鏡という内視鏡を胸の中に挿入して、交感神経をみつけ、この神経を電気メスで切除する治療を行っています。治療効果は90%以上で、てのひらの汗はほぼ完全停止します。副作用として代償性発汗といって今迄あまり気にならなかった背中やお腹の汗が増えます。治療は全身麻酔をかけて行いますので苦痛はありません。また治療器具の発達により皮膚の切開創は5 mm程度の小さなものが左右の胸に2ケ所ずつで、治療後の痛みもあまりありませんし、創自体は1ヶ月もすればわからなくなります。