教授挨拶

Last updated  2011-07-25

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 皮膚病態学
長崎大学医学部・歯学部附属病院皮膚科・アレルギー科
長崎大学 医学部 皮膚科学教室

教授 宇谷 厚志

「はじめに」


履歴書写真 (宇谷).JPG 私、宇谷は、平成22年3月より長崎大学皮膚科教室の13代目教授として赴任しました。開講100年を2012年に迎える長崎大学皮膚科において歴史的に盛んなアレルギー性疾患・膠原病診療に加え、宇谷の専門の一つである細胞外マトリックスの疾患への関与を中心に据え、創傷治療、ケロイド治療、遺伝性疾患の診断などにむけ着実に解明していきたいと思っております。

1「このページからのリンクで弾性線維性仮性黄色腫の遺伝子検査のページへ繋がりますので、相談のある医師、患者さんは参考にして下さい。よろしくお願いします」

2「また後で、私の恩師である宮地現京都大学皮膚科学教授が「皮膚科のおもしろさ」を述べられた文章を載せてありますので、皮膚科に関心のある学生、医師の方は是非それを読んでみてください。」 

  略歴を申しますと島根県立大田高等学校を昭和50年に卒業、昭和57年に京都大学医学部を卒業後、病院で皮膚科の臨床2年、京都大学胸部疾患研究所病理・細胞生物部門にて大学院4年、天理よろづ相談所病院で臨床3年、アメリカ合衆国NIHで留学5年、福井赤十字病院皮膚科で部長を1年あまり、千葉大学皮膚科講師・助教授で6年、京都大学皮膚科准教授で6年過ごし、このたび長崎に参りました。この略歴でおわかりのように職場を長くて6年で移動していますが、職場が変わる度に、今求められていること・なすべきことに優先順位(priority)を設け、その実現のために努力をするという繰り返しでした。個人的目標の達成とは、いろいろな見方がありますが、臨床医師としては、皮膚疾患診療の経験を積み重ねること、研究者としては質の高い論文を作成することがわかりやすい例と思います。若い医師は特に長崎大学皮膚科にいる間に、この学ぶ姿勢を習得してほしいと思っています。

「もったいない話」

 たとえば同僚の受け持ち患者の疾患のことをまるで理解していない医師の存在を見聞することがあります(長崎大学には、いないか非常に少ないです)。特に皮膚科は教科書、雑誌で写真を見ただけでは、微妙な表面の性状、色合い、分布、さわり心地など皮疹から得る大切な情報を習得することが困難な例が多くあります。たとえ自分の受け持ちでなくとも、実際に患者を眼の前にして、疾患を勉強・経験させてもらえる機会を与えられているのに、なんともったいないことをしているのだろうという気がしてなりません。一生の間、二度とみることが出来ないまれな症例をみているかも知れないからです。カンファで臨床検討をしている場合も同じです。前向きに参加するとしないでは、後々臨床実力に大きな違いとなって現れます。自分で見て触って、その後教科書をしっかり読んで、自分ならこういう診断もあるし、こういう治療もありうるという考えを繰り返し検討することは、かけがえのない経験になります。また症例報告を論文にすることは、その疾患の理解を非常に深めることに繋がるため、これは最も大事な臨床教育の1つです。また研究でも大切な姿勢は同じです。同僚がしている研究の内容は当然理解し、むしろ積極的に関与して自分も共にスキルアップするという姿勢は重要です。


「なぜ臨床を選んだのに研究をするのか?」

   医師になってから、ある期間に集中して基礎研究することは、自分で計画・実験・データ解釈・論文投稿・掲載という経験を積むことにほかなりません。さらに医学研究留学ができれば、世界の研究者とのふれあいから自分の考えかた・手法を検証できるため、自信に繋がりますし、やはり世界を知ることは「視野を広げる」のに役立ちます。
   医学部は卒論が無いため、この科学的考察を訓練する経験が皆無です。しかし医学論文の多くは大学院もしくは研究歴をもった医師たちがその成果を発表するものです。これらの論文の「真意」を読み解き、診療に役立てるには、知的訓練をした経験がないと困難なものです。ともすると単にタイトル、要約だけをかろうじて覚えているだけといった浅い知識になりがちです。知識を有効利用する知恵を体得するには、長年の積み重ねが大切です。


入局希望の方へ

 長崎大学皮膚科では、皮膚疾患に真摯な好奇心を持って接することができる医師を歓迎します。問題を自分で解決する手段を、修練、勉強から体得しうる優れた医師を育てることを目標としています。一日でも早く一人前に患者を診ることができる医師になりたいと思っている人も、じっくりと焦らず対象に向きあいたい人もどちらのタイプでも全く問題なく連絡して下さい。具体的には後半に「募集」の項目をつくりました。参考にしてください。