ごあいさつ

消化器内科発足2年目を迎えて 教授:中尾一彦
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学分野 教授
(長崎大学医学部消化器内科学 教授)
長崎大学病院消化器内科 診療科長
中 尾 一 彦
 2009年3月1日に長崎大学消化器内科が発足してから、もうすぐ一年を迎えます。この一年間は「コミュニケーション」をKey Wordに、以下のような教室の基礎づくり、インフラ整備に力を入れてきました。多くの方々のご協力で、教室としての体裁が何とか整いました。


  • 消化器内科居室の整備、引っ越し(今年もあります)
  • ホームページの作成:医局長ブログ
  • 支持母体(同門会)の創立:267名の参加と同門会総会の実施、名簿作成
  • 財政(研究・運営資金の確保):運営交付金、科研費、奨学寄付金
    秋から研究費、学会旅費、論文代などを賄えるようになりました。
  • 人事(消化器内科としての独立した人事):
    人事委員会(教授、准教授、医局長)による協議を経て2010年春人事を決定しました。
  • 長崎消化器内科研究会・忘年会:同門・関連病院間のコミュニケーション
  • 多施設共同研究の組織づくり:関連病院全体での消化器内科ベッド数500超
    長崎肝疾患研究会(NASLD) 
    長崎内視鏡治療研究会(NATE)、 長崎IBD治療研究会、長崎消化管研究会(NGA)
  • 教室員のレクリエーション:バーベキュー、各種飲み会(今年は医局旅行も?)

 昨年の所信表明でも述べましたが、医療保険制度、研修医制度、大学病院改革など、流動、変化する医療環境の中で、
 昔から変わらずこれからも確かなことをしっかりとやる。これが長崎大学消化器内科の基本方針です。

① 目の前に患者さんがいること → 真摯かつ質の高い医療の提供
② 医学は科学(Science)であること → 医学研究(臨床・基礎)の推進
③ 弟子をそだてること → 消化器内科を担う若者のリクルートと育成

溢れかえる情報に翻弄されることなくやるべきことをしっかりと見定め、実行しよう。

 さて、この一年を振り返ってみますと、消化器内科の誕生を契機に紹介患者さんはますます増加し、周囲が驚くほど、診療実績は伸びました。多忙な診療の一方で、学会発表、論文作成、学生の教育指導にも積極的に取り組んでもらいました。これらは、すべて皆さんのがんばりの賜物と感謝しています。そして、これを可能にしたのは、消化管グループ、肝臓グループ、それぞれのスタッフのポテンシャルの高さと、伝統の力と思います。前にも述べましたが、この一年で、消化器内科の基礎は整備され、自立した教室としての要件を満たしました。いよいよ、新たなステップを踏み出す準備ができたのです。

そこで、長崎大学消化器内科2年目のKey wordを「挑戦:チャレンジ」とします。

私は、長崎大学消化器内科を日本トップレベルの教室にしたいという夢があります。
新興教室の強みを生かして、失敗を恐れず、医局員、同門一緒になって、この夢に挑戦しませんか!?



修練医、医員、大学院生の皆さん
グライダーから飛行機へ(自らの力で飛べるようになろう。) :外山滋比古、思考の整理学より
指導医から言われるままをやるだけでなく、自ら考え行動する、クリエイティブな臨床・研究に挑戦しよう。消化器内科に関わること、何でも結構です、何か一つ、新しいものに挑戦しよう。


教員、研究員の皆さんへ
日本トップレベルの消化器内科を目指して、挑戦しよう。
そのための戦略を考えよう。
新たなパラダイムを切り拓く、オリジナリティーの高い仕事。長崎(自分)の売りを作る。
中長期的視点から(3~5年程度)のプロジェクトの立ち上げる(先行投資)。
診療: 新たな検査法、診断法、治療法の提唱。新たな疾患概念の提唱。
高度先進医療への取り組み(内視鏡治療・再生・移植など)。
研究: NASLD、NATEを活用した質の高い多施設臨床研究の実施。関連施設を巻き込む。
新しい観点からの臨床研究の立ち上げ。再生医療研究。
質の高い基礎研究→学内外の研究施設とのコラボレーションの推進。
教育: 全国から研修を希望する若手消化器内科医が集まるような教育システムの確立。  
内視鏡治療医、移植消化器内科医 など