長崎大学病院産婦人科・長崎大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学分野

研究

産科(周産期)グループ

診療内容
 当科は地域周産母子センターとして長崎県南部の周産期医療を支えています。また、県内で外科手術や脳外科手術を必要とする多くの胎児が当科に集まってきます。以前は多くの正常分娩が公立病院に集まる傾向がありましたが、分娩料金の適正化と積極的な逆紹介を行った結果、当院での分娩で異常産が占める割合は90%を超えるようになっています。増加しているハイリスク妊娠については、新生児科、新生児外科、脳外科、麻酔科をはじめとした関係する多くの科と緊密な連携を行って管理しており、母児にとって最適な時期での分娩を行うようにしています。特に常位胎盤早期剥離(早剥)については、早剥の疑いで紹介された場合は無条件で当院が受け入れ、救急部到着時に胎児心拍が確認された時点で手術室に直行する体制が新生児科と麻酔科の全面的協力によってできており、早剥例の児予後はあきらかに改善しています。母児にとって非常にリスクが高い疾患である前置胎盤は、術前の画像検査に加えて術中にも超音波検査を行うことで、子宮温存の可否についてより正確な診断が得られるようになってきました。
 また、従来より実績のある超音波検査やMRIを用いた出生前診断に加え、絨毛、羊水、臍帯血や母体血中の胎児由来DNA、RNAを用いた出生前診断にも積極的に取り組んでおり、特に双胎における卵性診断は国内でも有数の実績があります。更に当科には多数の臨床遺伝専門医が在籍しており、適宜遺伝カウンセリングを行うことで患者に正しい情報、知識を与えるように努力しています。
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