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研究グループ
腫瘍グループ
婦人科悪性腫瘍に対する手術療法の均霑化と新技術導入に取り組んでいます。

1. 子宮頸癌
広汎子宮全摘出術は従来から術後合併症として排尿障害やリンパ浮腫が問題となっておりましたが、現在ではこれら合併症を克服する自律神経温存術式やリンパ節郭清範囲の変更が考案されています。当科でも術後排尿機能保全を目的に自律神経温存広汎子宮全摘出術を施行し術前・術後の膀胱機能の変化について観察しています。現在のところ本術式導入後、術後完全自己導尿が必要となる方は皆無となり、広汎子宮全摘出術後患者のQOL向上に十分に寄与しております。また骨盤リンパ節郭清についても、解剖学的構造に則ったより完全で、かつ術後リンパ浮腫予防を目指した郭清手術を施行しております。今後はこれら子宮頸癌に対する広汎術式のオンコロジーアウトカムについての検討を予定しています。さらに、妊孕能温存広汎術式として定着した広汎性子宮頸部摘出術にも対応するとともに、近年導入が進んでいるDaVinciサージカルシステムを用いた子宮頸癌に対するロボット手術の臨床研究を準備中です。

2. 子宮体癌
子宮体癌に対するリンパ節郭清の範囲に傍大動脈領域を含めるべきか否かについての議論がいまだありますが、後腹膜リンパ節転移リスクの高い症例に対して解剖学的構造に則った骨盤リンパ節と傍大動脈リンパ節の完全郭清を導入しています。今後症例を積み重ね、本術式導入後の予後改善効果について検討を進める予定です。また早期子宮体癌に対しては、腹腔鏡下での骨盤リンパ節郭清を含んだ根治手術を導入しており、腹腔鏡下においても開腹手術と同等のクオリティの完全なる骨盤リンパ節郭清を遂行するための手術手技について検討を行っています。
このため現在我々の教室での子宮体癌手術は、傍大動脈リンパ節郭清までを含んだ広汎な開腹手術と、骨盤リンパ節郭清までで良いと考えられる症例に対する腹腔鏡下手術の二極化が進んでおります。

3. 卵巣癌
卵巣癌に対しても全例傍大動脈領域までの後腹膜リンパ節郭清を含んだ最大限のstaging手術療法を施行しています。化学療法などの多施設臨床研究にも積極的に参加していく予定です。
(文責:金内優典)