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専門医取得までの道のり
③ 婦人科腫瘍専門医

 

婦人科腫瘍専門医への道
金内 優典

 産婦人科専門医を取得したのちに、婦人科腫瘍学をサブスペシャルティーとする者は婦人科腫瘍専門医を目指すことになります。必要とされる要件を大まかに申しますと、婦人科腫瘍学会に入会し、5年間の間に通算3年指定修錬施設でカリキュラムに則り必要症例数の修錬を積み、その間にがん治療認定医の資格を取った上で受験資格が得られます。などなどは、実際に自分の進む道を決めた時に学会ホームページで調べて下さい。申請条件も変化していきますから、現在の状況を示しても意味がありませんので。
 さて、と言うわけで自分が腫瘍専門医として思うことや、実践してきたことを述べたいと思います。あくまでも自分の場合の話であることをお許しください。婦人科腫瘍専門医の定義として腫瘍学会専門医規則にも示されていますが、婦人科腫瘍専門医とは「あらゆる女性性器がんおよびその合併症を適切に処置、あるいはコンサルテーションに対処できる必要がある。女性性器がんの広汎な手術手技に精通し、放射線治療、化学療法等に関する知識と経験をもったもの」とされています。私自身このようなことを念頭に置いてきたわけではありませんが、婦人科悪性腫瘍を専門としようと決めてからごく自然にこの文言に沿った生き方をしてきたように思います。特に“手術手技に精通する”という言葉には重い意味があるように思います。手術には放射線治療、化学療法とは明らかに一線を画す責任感と能力が要求されるからです。自分自身必ずしも自分の担当患者さんでない手術であっても、また再発その他で他科に手術を依頼した場合であっても、時間があれば必ずその手術室で手術を見学し修錬を積んできました。その気持ちは今でも変わらず持ち続けております。
 専門医乱立の今の状態の中で、専門医資格を真の専門医たらしめているのはその責務に足る精神を持ち合わせているかどうかであると私は信じています。長崎大学産婦人科では婦人科腫瘍専門医取得のための症例数は十分にあります、腫瘍専門医としてのタイトルだけがほしい方はそれはそれで構いません。しかし、我々を見て知っていただきたいのは婦人科腫瘍専門医たる心構えです。20年近く婦人科がん患者だけに接してきた自分はこの道が“いばらの道”であることを自覚しています。こう申しては何ですが、周産期や生殖医療を専門とする方々に比べると、“うれしい”ことがあまりに少なすぎる領域です。そんな孤独に立ち向かうために、“にげない”、“ぶれない”、“あきらめない”そんな心を養う研修の場を提供することこそ私の使命であると信じています。