長崎大学病院・長崎大学医学部 産婦人科電話でのご予約・お問い合わせ:095-819-7460
医学生・研修医の皆さまへ
専門医取得までの道のり
⑤ 臨床遺伝専門医

 

臨床遺伝専門医取得に向けて
三浦 生子

 日本産科婦人科学会の「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」では、“出生前に行われる遺伝学的検査および診断は,十分な遺伝医学の基礎的・臨床的知識のある専門職(臨床遺伝専門医等)による適正な遺伝カウンセリングが提供できる体制下で実施すべきである”と明記されています。また、生殖医療の領域においては、染色体異常あるいは遺伝子異常に起因する不妊症あるいは習慣流産の診断と治療について情報提供できるスキルは必要です。最近では、第3者による卵子提供や代理母などを求めて海外への渡航治療を選択するケース、子が出生を知る権利とそれに伴う悩み・葛藤、さらには戸籍など親子関係についての法律的かつ倫理的な問題もクローズアップされています。婦人科腫瘍領域でも、lynch症候群(大腸がん・子宮体がんなど)や遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の診断と治療には、産婦人科専門医としてのスキルに加えて遺伝学的な診察技術が求められます。
 これからの産婦人科医療には遺伝医療の専門知識も必要であり、その専門性を身につけているか否かについての第3者による客観的評価は、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が認定する臨床遺伝専門医を取得することです。長崎大学産婦人科では、遺伝カウンセリングから遺伝学的検査の実践まで、臨床遺伝専門医・指導医が懇切丁寧に指導していますので、臨床遺伝専門医試験に合格可能なスキルを確実に習得することができます。

 以下に臨床遺伝専門医を取得するための要件と長崎大学産婦人科で研修するメリットを述べます。

  1. 産婦人科医であれば、基本領域の専門医資格として、日本産科婦人科学会専門医を取得していることが必要とされます。そして、日本人類遺伝学会もしくは日本遺伝カウンセリング学会へ入会後3年以上の会員歴と指定研修施設での3年間の研修が必要です。長崎大学産婦人科は臨床遺伝専門医養成の認定研修施設であり、臨床遺伝専門医・指導医ならびに認定遺伝カウンセラー(日本第一号)ともに在籍していますので、最短期間での専門医取得が可能です
  2. 受験に必要な遺伝カウンセリングの経験症例数は20件以上です。長崎大学産婦人科では、遺伝カウンセリング室での毎月20件以上の遺伝カウンセリングを実践しています。また、出生前診断に必要とされるNIPTなどの非確定的検査から羊水穿刺、絨毛採取、臍帯穿刺などの確定的検査までの説明とその実施について、臨床遺伝専門医・指導医がマンツーマンで指導しています。さらに、長崎大学産婦人科では、分子遺伝学の専門家と連携して遺伝子診断も行っております。単なる遺伝医療の知識を情報提供するだけの専門医ではなく、総合的な遺伝子医療と遺伝カウンセリングを実践可能な臨床遺伝専門医になることができます。
  3. 受験資格には、2編以上の筆頭者としての遺伝学に関する学術論文(学会発表2回で論文1編に換算)が必要です。長崎大学産婦人科では、毎年秋に開催される日本人類遺伝学会へ参加し、筆頭者として演題発表できるように指導しています。また、母体血に流入する胎児・胎盤由来のRNAに関する研究を行い、学術論文の投稿発表も指導しますので、同時に医学博士(学位)を取得することも可能です。
  4. 臨床遺伝専門医試験は、年一回10月頃に実施され、筆記試験と面接試験があります。試験には、臨床遺伝の知識に加えて分子遺伝学の知識も問われます。長崎大学産婦人科では、難しい分子遺伝学についても実地研修の中で解りやすく指導しますので、試験合格に必要なスキルが自然に身につきます。
  5. 長崎大学産婦人科では、バランスの良い臨床遺伝専門医の養成を目指しています。出生前診断のあり方などについて、長崎遺伝倫理研究会を立ち上げて、法律、倫理、心理、医学(産婦人科と小児科)の専門家そして患者も参加し討論しています。また、長崎医療判例研究会を開催して、長崎の弁護士と産婦人科医が過去の判例について討議する試みも行っています。このような取り組みは、日々の臨床において医学に偏らない物の見方を養うことができます。臨床遺伝専門医を目指す産婦人科医には、ぜひ長崎大学産婦人科で研修して、医療には多方面の意見を取り入れることの重要性を体験していただきたいと思います。
Department of Obstetrics & Gynecology Nagasaki University School of Medicine

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

長崎大学病院・長崎大学医学部 産婦人科〒852-8501
長崎市坂本1丁目7番1号
TEL: 095-819-7363
FAX: 095-819-7365