遠隔医療支援システム
(テレメディシン)について
遠隔医療支援システムの概要図
1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故では、旧ソ連邦のロシア、ウクライナ、ベラル−シの3カ国にまたがり、多くの一般住民が被曝した。長崎大学医学部は1991年より、外務省やチェルノブイリ笹川プロジェクトの一翼を担って事故による健康調査、特に甲状腺疾患に関する調査を行ってきましが、その結果特に小児甲状腺癌が極めて高い頻度で盛られることが明らかにされています。今後、患者のフォロ−アップや患者スクリ−ニング、早期診断、早期治療が必要となってきますが、現在の旧ソ連邦の医療体制には様々な問題が山積しており、自国のみで多岐にわたるフォロ−アップ体制を維持していくのは、非常に困難な状況です。 この状況の打開の一つとして、私達は、笹川記念保健協力財団と文部省の支援の下、1999年2月より最も甚大な被害を受けたベラル−シ共和国のゴメリ地区と長崎大学医学部とを結ぶ遠隔医療支援システム、すなわちテレメディシンを導入し、現地の医療支援を開始しました。これは、現地で患者情報とともにDatabase化された甲状腺超音波診断画像や顕微鏡を衛星回線経由で日本に送信するもので、受け手である長崎大学側ではデ−タを保存し、必要に応じてデ−タを取り出して、診断のチェックや各患者のフォロ−アップを行います。これによって、実際に現地に頻繁に足を運ぶことなく、診断あるいは治療の支援が可能となりました。現在は週一回ずつ定期的にデ−タの送信及び返信が行われています。
また1999年8月からは、旧ソ連最大の核実験場が存在し、450回以上にも及ぶ実験が行われたカザフスタン共和国セミパラチンスクについても、外務省非核化技術支援の枠組みの中で、長崎大学との姉妹校であるセミパラチンスク医科大学をカウンタ−パ−トとした同様の病理診断支援システムを開始しました。今後このシステムを用いる事によって、より現地のヒバクシャに還元できる形の医療支援を行っていく予定です。 |