長崎大学病院第一内科 Department of Immunology and Rheumatology, Department of Clinical Neuroscience and Neurology, Department of Endocrinology and Metabolism, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences
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内分泌・代謝グループ
 
 
内分泌班
代謝班
1型糖尿病と遺伝子
1型糖尿病と膵島関連自己抗体
1型糖尿病発症阻止法の開発
インスリン作用,インスリン分泌の研究
食欲,レプチン作用,アディポネクチン転写の研究
動脈硬化リスク因子の研究


内分泌班

 内分泌分野では主に長瀧内科より引き続いて甲状腺関連の研究と骨代謝関連の研究を行っており,臨床研究,基礎的研究(動物モデル含),放射線影響研究所との共同研究の3項目について概説する。
 臨床研究ではバセドウ病関連において,抗甲状腺剤のプロピオチオウラシル(PTU)投与中の患者で抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)が高率に陽性になることを報告し(Sera N, et al. Thyroid 2000:10;595-9),ほとんどが血管炎の症状・所見がみられず,その長期予後調査では,MPO-ANCA 持続陽性でも症例数が少ないものの血管炎発症はみられなかった。またPTU 中止にて抗体価の低下が認められた(Ishii R, et al.Endocrine J 2010:57;73-9)。長瀧内科から引き続いてバセドウ病眼症の診断・治療において疾患活動性とMRI 所見の関連について検討し,T2強調での信号強度が疾患活動性と関連していることを明らかにした(Yokoyama N, et al. Thyroid 2002:12;223-7)。甲状腺ホルモンとレプチンに関する研究で,β遮断剤投与下では甲状腺ホルモンはレプチン濃度を上昇させ,甲状腺ホルモン・自律神経系がレプチン調節の一端を担っている可能性が示唆された(Sera N, et al. Thyroid 2000:10;641-6)。甲状腺癌関連ではヨード131内用療法後に未分化転化がみられることがあるが,それらの症例では発症時の甲状腺癌組織において癌抑制遺伝子のP53の変異が認められ,放射性ヨードの取り込みが悪い症例では治療の施行に十分注意する必要があることを示した(Sera N, et al. Thyroid 2000:10;975-9)。また,甲状腺髄様癌の腫瘍マーカーはカルシトニンとCEA であるが,肺小細胞癌の腫瘍マーカーであるPro-GRP もマーカーになりうることを提唱した(Ide A,et al. Thyroid 2001:11;1055-61)。副甲状腺関連では,原発性副甲状腺機能亢進症の術後3ヶ月以内に骨塩量の増加が認められ,それは骨形成が骨吸収を上回るためであった(Abe Y, et al. Clin Endocrinol 2000:52;203-9)。また,手術不能な副甲状腺癌転移症例に対し,本邦初のPTHペプチドを用いた免疫療法を行い,Ca 低下の効果を認め,その有用性を示した(Horie I, et al. Endocrine J: 2010; Epub)。基礎的研究においては,甲状腺濾胞細胞のアポトーシスの研究でラット甲状腺腫モデルにおいて甲状腺濾胞細胞のアポトーシスにFas,FasL が関与していることが示唆され(Tamura M, et al. Endoclinology 1998:139;3646-53),TSAb が甲状腺濾胞細胞のFas 依存性アポトーシスを抑制していることが示唆された(Kawakami A, et al. Clin Exp Immunol 1997:110;434-9)。また,バセドウ病の甲状腺組織において細胞増殖の一方でアポトーシスが起こっており,IL-1βはT 細胞によって誘導されるFas,FasLを介した甲状腺濾胞細胞のアポトーシスの感受性を増強していることを示し,バセドウ病甲状腺細胞においてimmunoprevileged site 形成の破綻をきたしていることが示唆された(Sera N, et al. Clin Exp Immunol 2001:124;197-207)。
 原研の永山教授の御指導のもと,TSH 受容体を発現させた樹状細胞を用いてバセドウ病モデルマウスの開発を行い(Kita-Furuyama M, et al. Clin Exp Immunol 2003:313;234-40),その改良を行った(MizutoriY, et al. J Autoimmun 2006:26;32-6)。また,NODH-2h4マウスでの自己免疫性甲状腺炎発症過程にTh17が重要であることを示した(Horie I, et al. Endocrinology 2009:150;5235-42)。
 放射線影響研究所は広島と長崎にある日米政府共同出資の研究機関であり,確立されたコホートを持ち,放射線の人体に対する影響に関する数多くの疫学データを発表している。同研究所との共同研究で,被曝と甲状腺関連の研究を行っている。潜在性甲状腺機能低下症は虚血性心疾患のリスクファクターであることを示し(Imaizumi M, et al. J Clin Endocrinol Metab 2004:89;3365-70),潜在性甲状腺機能低下症に加えて高血圧,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症などの疾患を多く合併するほどCVD のリスクが高まることを示した(Ashizawa K, et al. Clin Endocrinol 2009; Epub)。被爆者の甲状腺結節の長期フォローアップにおいて,結節を有する例は有しないものより甲状腺癌の発生リスクが高いこと(Imaizumi M, et al. J Clin Endocrinol Metab 2005:90;5009-14),被爆後50年以上経過での甲状腺癌を含めた甲状腺結節は被曝線量に依存して発生が高くなるが,自己免疫性甲状腺疾患は被曝線量とは無関係であることを示した(ImaizumiM, et al. JAMA 2006:295;1011-22)。

(文責:宇佐俊郎)

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代謝班
1型糖尿病と遺伝子

 1型糖尿病は遺伝的背景に基づいて発症する自己免疫疾患である。最も発症に強く関与する遺伝子はHLA であり,なかでもクラスII 遺伝子のDR,DQ であることが1980年代に明らかにされた。また,1990年代に入るとインスリン遺伝子,CTLA4遺伝子をはじめ数多くの疾患感受性遺伝子が発見された。長瀧内科時代にHLA 遺伝子に関する研究を開始し,江口内科になり世界の流れに乗って候補遺伝子の研究を開始した。インスリン遺伝子とCTLA4遺伝子についてはDiabetes Res Clin Pract(Abe T, et al. Diabetes ResClin Pract 1999:46;169-75)とDiab Med(Abe T, et al. Diab Med 2001:18;726-31)にその成果を報告した。また,MODY3の原因遺伝子HNF-1α遺伝子異常を膵島関連自己抗体陰性1型糖尿病の7%に見出し,異常遺伝子の機能解析と合わせてJ Clin Endocrinol Metab(Kawasaki E, et al. J Clin Endocrinol Metab 2000:85;331-5)へ報告した。その後,ケモカインやサイトカイン遺伝子多型に取り組み,IL-10遺伝子多型の成果をHum Immunol(Ide A, et al. Hum Immunol 2002:63;690-5)とAnn NY Acd Sci(Ide A, et al. Ann NY Acd Sci 2003:1005;344-7)に,IL-18遺伝子多型の成果をJ Autoimmun(Ide A, et al. J
Autoimmun 2004:22;73-8)とAnn NY Acd Sci(Ide A, et al. Ann NY Acd Sci 2003:1005;436-9)に,SDF-1遺伝子多型の成果をHum Immunol(Ide A, et al. Hum Immunol 2003:64;973-8)に報告した。さらにSUMO4遺伝子多型が複数の自己免疫疾患の共通した疾患感受性遺伝子であることを突き止め,その成果をJ Clin Endocrinol Metab(Tsurumaru M, et al. J Clin Endocrinol Metab 2006:91;3138-43)へ報告した。劇症1型糖尿病とCTLA4遺伝子多型の関連は,Diabetes Care( Kawasaki E, et al. Diabetes Care 2008:31;1608-10)に報告している。一方,2003年からは川_英二が中心となり全国の7施設による多施設共同研究を開始し,約2,000サンプルを用いてこれまでにインスリン遺伝子(担当:埼玉医大),CTLA4遺伝子(担当:近畿大),PTPN22遺伝子(担当:長崎大),Vitamin D遺伝子(担当:慶応大),KIAA0350遺伝子(担当:埼玉医大),IL-2RA 遺伝子(担当:長崎大)の研究成果を,Am J Med Genet(Kawasaki E, et al. Am J Med Genet 2006:140;586-93),J Clin Endocrinol Metab(Ikegami H, et al. J Clin Endocrinol Metab 2006:91;1087-92,Awata T, et al. J^Clin Endocrinol Metab 2007:92;1791-5,Awata T, et al. J Clin Endocrinol Metab 2009:94;231-5,Kawasaki E, et al. J Clin Endocrinol Metab 2009:94;947-52),J Autoimmun( Shimada A, et al. J Autoimmun 2008:30;207-11)などに報告している。DNA チップを利用した解析技術の進歩と共に,2007年には数十万SNP が一度に解析できるようになり,世界の遺伝子研究はゲノムワイド関連解析(GWAS)が主流となっている。現在,川_英二が日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の一員として,日本人1型糖尿病におけるGWAS 研究に携わっている。

(文責:川崎英二)

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代謝班
1型糖尿病と膵島関連自己抗体

 長瀧内科時代に,高橋明,上田康雄らが中心となり抗膵島細胞抗体(ICA)の測定を開始し,その後,山口義彦,川崎英二,瀧野博文,阿比留教生,矢野まゆみらがICA の測定および新しく発見されたグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体の研究を引き続きおこない,ICA 対応抗原の同定,GAD クローニングおよびGAD 抗体測定系の確立,自己免疫性甲状腺疾患(AITD)合併1型糖尿病の臨床的特徴などを明らかにした。これらの基礎研究と臨床研究を融合させた「1型糖尿病の発症・進行予知因子の検討」に関する研究は江口内科においてさらに発展し,発症時における日本人1型糖尿病のICA,GAD 抗体,ICA512/IA-2抗体,インスリン自己抗体を網羅的に解析し,本邦初のデータとしてJ Autoimmun に報告した(Sera Y, et al. JAutoimmun 1999:13;257-65)。さらに膵島関連自己抗体エピトープの詳細な検討により,ICA512/IA-2抗体のエピトープが1型糖尿病の発症年齢により異なることを明らかにし,ICA512/IA-2に対する免疫反応が膵島β細胞破壊を反映している可能性を示唆した(Kawasaki E, et al. J Autoimmun 2001:17;323-31,Kawasaki E, et al. Ann N Y Acad Sci 2002:958;235-40)。また,瀧野博文,川崎英二らが中心となり西日本地区における多施設共同研究として前向き調査を進め,食事・経口血糖降下薬治療中の2型糖尿病患者の中に潜在する,自己免疫機序で徐々に内因性インスリン分泌が枯渇するタイプの糖尿病(Type 1 diabetes in NIDDM)の進行予知にGAD 抗体が有用であることを明らかにした(Takino H, et al. Diabetes Metab Rev 1998:14;334-35,Takino H, et al. Diabet Med 2002:19;730-4)。これらの成果は,一般臨床においてGAD 抗体測定を定着させ,Type 1 diabetes in NIDDM(緩徐進行1型糖尿病)の早期発見に繋がっている。さらに本調査はGAD 抗体エピトープ解析(Kawasaki E, et al. Ann N Y Acad Sci 2003:1005;440-8)やZnT8抗体などのデータが追加され,Type 1 diabetes in NIDDM(緩徐進行1型糖尿病)の進展予知のためのストラテジーを確立するに至った(Kawasaki E, et al. J Clin Endocrinol Metab 2010:95;707-13)。現在は,最近同定された新しい自己抗体(ZnT8抗体)の遺伝因子との関連(Kawasaki E, et al. Diabetologia 2008:51;2299-302)および日本人1型糖尿病における臨床的意義などについての研究や日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会における「IFN 治療後発症1型糖尿病の全国調査」(中村寛ら)などが進行中である。

(文責:川崎英二)

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代謝班
1型糖尿病発症阻止法の開発

 長瀧内科時代に,山口義彦,川_英二,瀧野博文,阿比留教生らを中心に行った,ICA,抗GAD 抗体などの自己抗体測定を用いた1型糖尿病診断および進展予知の研究結果を基礎に,江口内科時代では,予知した1型糖尿病の進展をいかに阻止するかを目的に研究が進められた。発端となった研究は,1997年,阿比留教生がコロラド大学George Eisenbarth教室に留学し始めた1型糖尿病の成因における主要自己抗原;インスリンの重要性についての研究である。阿比留は,留学中にインスリンB 鎖に1型糖尿病の自己免疫現象を開始させる重要な抗原が存在するという仮説をたて,証明する研究を行い複数の論文に報告した(Yu L, et al. P Natl Acad Sci USA 2000:97;1701-6,Abiru N, et al. J Autoimmun 2001:14;231-7,Abiru N, et al.Diabetes 2001;50;1274-81,Moriyama h, et al. P Natl Acad Sci USA 2002:99;5539-44)。その後,遺伝子改変NOD マウスによりインスリン1遺伝子の重要性をP Natl Acad Sci USA(Moriyama H, et al. P Natl Acad Sci USA 2003:100;10376-81)に報告し,2005年には,インスリンB 鎖の重要なT細胞エピトープがなければ,NOD マウスが1型糖尿病を発症しないことをNature(Nakayama M, et al. Nature 2005:435;220-3)に報告した。また,その後に留学した,古林正和はインスリン反応性のT細胞受容体α鎖の重要性を,インスリン反応性T細胞クローンの受容体トランスジェニックマウスを用いて証明しP Natl Acad Sci USA(Kobayashi M, et al. P Natl Acad Sci USA 2008:105;10090-4)に報告した。これら,インスリンB鎖の重要性の研究を基礎に,当教室において,NOD マウスへのインスリンB 鎖のアナログペプチドの経鼻投与が,糖尿病発症阻止効果と高血糖状態からの寛解誘導があることをJ Immunol(Kobayashi M, et al. J Immunol 2007:179;2082-8)に報告し,NOD マウスへのインスリンB 鎖ペプチド投与が,自己免疫を抑制する制御性T 細胞を膵島内に誘導することをBiochem Biophys Res Commun(Fukushima K, et al.Biochem Biophys Res Commun 2008:367;719-24)に報告した。現在,これらの研究は中村寛らを中心に,新たな1型糖尿病発症阻止法の確立を目指した研究がすすめられている。
 さらに,1型糖尿病病態を解明し,新しい発症阻止法を探求する目的で,病態に関わる主要分子遺伝子を欠損したNOD バックグラウンドマウスの作製が進められ,現在解析が進められている。CHOP 欠損NODマウス(佐藤剛ら),Granzyme B欠損NOD マウス(金子智恵子,古林正和ら),IL-17欠損NOD マウス(厨源平ら),IRF-4欠損NOD マウス(赤澤論ら)の研究が現在もすすめられており,これらの中から,1型糖尿病の治療開発に近づくことが出来るような研究結果が輩出されてくることが期待される。

(文責:阿比留教生)

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代謝班
インスリン作用,インスリン分泌の研究

 稀な疾患であるインスリン受容体異常症B 型を,江口内科発足直後に経験した。藤田成裕,山崎浩則らが,インスリン抵抗性の機序についてvitro とvivo で検討したところ,抗インスリン受容体抗体がインスリン受容体の半減期を著しく短縮させることや,合併したSLE と,本症の病勢が極めて密接な関係にあることなどを明らかとした(Yamasaki H, et al. Acta Diabetol 2000:37;189-96,Fujita N, et al. Acta Diabetol 2002:39;221-7,江口勝美他臨床と研究1998:75;142-9,藤田成裕他糖尿病2000: 43; 1077-83,Fujita N,et al. Diabetes Journal 2003:31;138-41)。一昨年,第一内科では2例目となる症例が診断された。1例目と比較して,ヒト組換えIGF-I 療法や免疫抑制療法などの治療に,強い抵抗性を示した。症例に応じて治療を選択することの重要性を糖尿病(堀江一郎他糖尿病2009:52;149)に報告した。
 近藤英明,尾崎方子らは,抗酸化ストレス機構をリボザイムでノックダウンさせた膵β細胞株を作成し,インスリン分泌および発現調節を検討した(Kondo H, et al. Biochem Bioph Res Co 2000:278;236-40,Ozaki M, et al. Diabetes, Nutriton & Metabolism 2003:16;81-7,尾崎方子他糖尿病2001:44;127-33)。抗酸化ストレス機構が重要な影響を及ぼしているという新しい視点が生まれた。インスリン発現に対するPDX-1とHNF-1α相互作用はEndocrine Research(Yamakawa K, et al. Endocr Res 2001: 27; 63-74)に報告した。肝臓は低血糖時の主要なブドウ糖放出臓器であるが3型糖原病の原因遺伝子であるグリコーゲン脱分枝酵素の新規遺伝子異常を発見した(Uotani S, et al. J Inherit Metab Dis 2000;23;527-8)。また,先端肥大症は糖尿病の重要な原因疾患のひとつであり,その治療は糖尿病の完治をもたらすが,ソマトスタチンアナログの成長ホルモン産生細胞株に対する抗腫瘍作用を見出した(Kondo H, et al. Oncol Rep2000:7;965-9)。

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代謝班
食欲,レプチン作用,アディポネクチン転写の研究

 食欲抑制作用を発揮するレプチン受容体に対して,エタノール,グルコース,インスリン,バナデイト,グルココルチコイドなどがどのような影響を及ぼすかについて,in vitro および,ラットの第3脳室へのカテーテル挿入によるin vivo の研究を,山内三爵子,藤田成裕,桑原宏永,喜多篤志,高橋亮子らが行った。この結果,エタノール,グルコース,インスリン,グルココルチコイドは,レプチン信号を抑制(食欲抑制の抑制)し,バナデイトは,レプチン信号を増強(食欲抑制の増強)することが,レプチン受容体信号伝達分子であるJak-Stat レベル,あるいはMAP キナーゼカスケードレベルで明らかとなった[Degawa-Yamauchi M, et al. FEBS Lett 2002:525;116-20,Fujita N, et al. Int J Obes Relat Metab Disord2003:27;55-9,Fujita N, et al. Exp Biol Med(Maywood 2003:228;1156-61,Kuwahara H, et al. Mol Cell Endocrinol 2003:205;115-20,Kita A, et al. Biochem Biophys Res Commun 2003:302;805-9,Ishida-Takahashi R, et al. J Biol Chem 2004:279;19658-64]。また,インスリン抵抗性改善作用や動脈硬化進展抑制作用をもつアディポネクチンの転写調節機構について,喜多篤志,森内昭江らが,3T3-L1脂肪細胞で検討し,TNF-α,ピオグリタゾン,アンギオテンシン2,アンギオテンシン2受容体阻害薬(ARB)の影響を解析した。その結果,ヒトアディポネクチン遺伝子プロモータ領域上のC/EBP-β結合部位の同定に成功し,ピオグリタゾンとARB の刺激作用に占めるPPAR-γの寄与度が明らかになった(Kita A, et al. BiochemBiophys Res Commun 2005:331;484-90,Moriuchi A, et al. Biochem Biophys Res Commun 2007:356;1024-30)。

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代謝班
動脈硬化リスク因子の研究

⑴ 動脈硬化のリスクは,総括的に管理治療する事が重要である。鶴丸雅子らは,内分泌代謝内科外来患者のデータベース化を試み,リスク管理の現状を詳細に検討した(鶴丸雅子他糖尿病2002:45;773-8)。金子智恵子らは,HPLC を活用したリポ蛋白20分画解析法で,2型糖尿病患者のリポ蛋白を詳細に分析しスタチン投与でLDL-C値が目標に達しても,VLDL 分画異常が残存していることを見出した(金子智恵子他Progress in Medicine 2009:29;2275-80)。メタボリックシンドロームの腹囲基準を取り巻く議論は後を絶たない。山崎浩則らは,本学学生の腹囲とインスリン抵抗性を検討しました。男子では,腹囲80cmを超えるとわずかにインスリン感受性に変化が生じることを報告した(山崎浩則Campus Health 2010;印刷中)。また,内分泌代謝内科は,2005年から離島・へき地医療学講座の前田隆浩教授と,協力して,五島列島住民の動脈硬化検診を例年実施している。従来の健康診断に加えて,詳細な食習慣運動習慣の調査,頸部血管エコー,脈波伝播速度,アディポネクチン遺伝子多型などを行い解析し心血管病発症のリスク因子の解析にとって貴重なDATA ベースが構築された。また同じ五島列島でも,都市化が進んだ離島と全くそうでない離島との違いなども明らかとなった(Ishibashi K, et al. Clin Chem Lab Med2007:45;1457-63,Kadota K, et al. Circ J 2008:72:304-8,Takamura N, et al. Atherosclerosis 2009:204;e77-81)。

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