長崎大学病院第一内科 Department of Immunology and Rheumatology, Department of Clinical Neuroscience and Neurology, Department of Endocrinology and Metabolism, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences
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国内・海外「留学便り」
 
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寶來 吉朗 (リウマチ・膠原病内科)
University Hospital Zurich(Systemic Autoimmune Diseases):スイス
(2015年6月〜2016年5月)

 
チューリッヒ大学留学記
 平成27年(2015年)6月から平成28年(2016年)5月までスイス連邦チューリッヒ大学(University Hospital Zurich - Systemic Autoimmune Diseases)で約1年間,Academic guestとして全身性強皮症(SSc)の研究をさせていただきました。留学前は大学病院で診療に従事する傍ら,大学院で中村英樹先生の御指導のもとシェーグレン症候群の小唾液腺細胞を用いたアポトーシスの研究に携わっていました。大学院修了後研究へ更に関わってみたいと考えていたこと,また当科より有馬和彦先生,岩本直樹先生が過去にチューリッヒ大学へ留学されておられた縁もありまして今回の留学が実現しました。
 研究室はオリバー・ディストラー教授のもとSenior researcher,Ph.D studentらで構成されております。構成員の出身国はドイツ,ポーランド,イタリア,フランス,ウクライナ,中国と様々です。研究室全体では英語でのコミュニケーションが図られている一方,母語話者同士のドイツ語,イタリア語会話が時に聞こえてくるたいへん国際色に富んだ研究室です。当研究室は全身性強皮症(SSc)の病態解明に注力しており,当研究室はSScの病態解明に注力しており,内容はノンコーディングRNA, 心筋線維化,画像など多岐に渡っています。私もSScとノンコーディングRNA (lncRNA)との関連についての研究をテーマとしていました。lncRNAは同じノンコーディングRNAであるマイクロRNAと同様に,各種生理機能や癌などの疾患制御に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあります。今回の研究ではSScの病態形成に関わるlncRNAの同定,またアポトーシスの調節にどのように関与しているかという切り口でのアプローチを試みました。欧州のSSc研究でもトップクラスに数えられる当研究室で,臨床業務から離れ実験に没頭できたことはたいへん貴重な経験になりました。
 スイスは5か国(ドイツ,フランス,イタリア,オーストリア及びリヒテンシュタイン公国)と国境を接する内陸国であり,隣国へは列車あるいは飛行機で容易に行くことができ,シェンゲン領域内の移動では,パスポートの確認もありません。またヨーロッパ諸国の中で特に治安が良く,私自身住んでいて安全面で不安を感じたことはありません。但しスイス,特にチューリッヒは物価が高いことで知られており,経済的な面では上手くやり繰りすることが必要ではあります。私が渡航した際は空前のフラン高であり苦労しました。最近はまた下がってきており今後はやや楽になるとは思います。
 帰国した今日本の暑さにやや参っていますものの,この経験を今後に是非生かしていきたいと考えています。興味のある先生は是非海外留学に挑戦して頂きたいとも思います。今回の留学に際しまして,留学を許可くださいました長崎大学病院第一内科 川上純教授,スイス留学の先輩として有益な助言をくださいました有馬先生,研究室見学から留学開始,その後の相談に至るまで多大な援助をしていただいた岩本先生を始め長崎大学第一内科の諸先生方に感謝申し上げます。

写真1:右からOliver Distler教授,筆者,筆者を指導されたAstrid Jüngel先生

写真2:筆者実験風景

写真3:(左)チューリッヒ市街  (右) Schlierenの研究室

 
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