診療・研究について

呼吸管理グループ

呼吸管理グループ
メンバー

准教授:福島千鶴(臨床研究センター)、尾長谷 靖
講 師:坂本憲穂、石本裕士
助 教:河野哲也(喫煙問題対策センター)、角川智之、原 敦子
医 員:中島章太、荒木智絵
大学院生:由良博一


概 要
以前より第二内科の呼吸器グループには、喘息・COPDを主に扱う「アレルギーグループ」と、びまん性肺疾患を主に扱う「免疫グループ」が存在していましたが、2014年4月にこれら2つのグループが統合され、「呼吸管理グループ」として新たにスタートしました。

ALLERGOLOGY GROUP

<アレルギーグループの行っている臨床内容>

 3名の日本アレルギー学会専門医・指導医により、成人の気管支喘息専門外来を行っています。重症例、特殊な症例をはじめ、県内外からの専門医紹介の要望に応え続けています。
 また、WHOの統計によると世界第4位の死因となっているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断・加療にも積極的に取り組んでいます。先進国に比べるとまだまだ日本では診断率が低く、適正な治療が提供されていないことも多いため、医療従事者への教育も含め積極的にCOPD診療に取り組んでいます。
 気管支喘息、COPDを中心に、閉塞性肺疾患を合併した全身麻酔予定患者の術前紹介も一手に引き受けています。

外来診察室にスパイロメトリーを常備し、すぐに検査に対応できるようにしています。
その他にも呼気NO測定装置、オッシレーション法による呼吸抵抗測定装置(モストグラフ)、気道過敏性検査のためのAstograph®を有しています。
特に気道過敏性検査は手間がかかり、大がかりな設備を必要とし、利益も低いため、一般病院ではなかなか施行が難しい検査です。大学として県内の喘息診療の最後の砦の使命を果たしています。

[ 禁煙 ]
呼吸器内科のみならず、禁煙推進は医師として必須です。当グループでは当院唯一の日本禁煙学会専門医が、患者さんの禁煙相談に応じ、保険診療での禁煙治療をサポートしています。



<アレルギーグループの行っている研究・教育活動>

最先端の生理機器を駆使した外来診療と共に多くの臨床研究や治験にも取り組んでいます。喘息マウスモデルを中心とした基礎実験にも積極的に取り組んでいます。特にかつて我々が報告した「アルコール誘発喘息」(※)は発見と共にその病態生理まで解明しており、世界的にも有名な研究です。
※日本人喘息患者の約半数は、飲酒で喘息発作が誘発されます

~臨床研究~

  • PM2.5が気管支喘息患者の増悪に与える影響
  • 聴診では聴取不能な副雑音に対する肺音解析の有用性
  • 肥満と酸化ストレスが気管支喘息の病態に与える影響
  • 幼少期のアレルギー疾患の既往が呼吸生理に与える影響
  • 重症気管支喘息における抗IgE抗体療法, 抗IL-5抗体療法の有用性
  • アレルギー性気管支肺真菌症の診断と治療

~基礎研究~

  • 人工甘味料が気道の好酸球性炎症に与える影響の検討
  • アスピリン喘息のメカニズム
  • アルコール誘発喘息の病態生理
  • 呼吸器ウィルス感染が気管支喘息発症・増悪に与える影響の検討
  • アレルギー性気管支肺真菌症の発症機序と制御機構


 様々な研究内容で多くの学会報告や論文発表を行っており、これまでに当グループに所属した全ての医師が学位を取得しています。当グループでは内科学会の定める認定専門医のうち呼吸器専門医とアレルギー専門医を共に取得できるという強みもあります。
 日本呼吸器学会「咳嗽」に関するガイドラインの作成にも携わっています。
 教育については禁煙推進教育に力を入れています。医学生への講義のみならず、医師会、薬剤師会、企業等からの要請に応え出張教育講演会も行っています。本学医学生への禁煙教育にも病棟実習の際に独自の取り組みをし、学生から好評を博しています。


IMMUNOLOGY GROUP

<免疫グループの行っている臨床内容>

 旧免疫グループでは、びまん性肺疾患をテーマとして、特発性間質性肺炎の他、膠原病性間質性肺炎、薬剤性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎など幅広い疾患を対象として日々診断・治療に取り組んでいます。


 呼吸器の各グループでも最も診断に苦慮することが多い領域であり、問診やHRCTの評価をはじめ気管支肺胞洗浄(BAL)を積極的に実施・解析し、場合によっては呼吸器外科協力のもと胸腔鏡補助下肺生検などを行います。また、放射線科・病理診断科の先生方と合同カンファレンス(multidisciplinary discussion;MDD)を行い、患者さんのより正確な評価・診断を行っています。
 治療は主にステロイドや免疫抑制剤を使用しますが、最近ではピルフェニドン(ピレスパ®)やニンテダニブ(オフェブ®)などの抗線維化薬も登場し、注目されています。


Quiz!

下のびまん性陰影のCTはどんな疾患のものでしょうか?このページを読み込む毎に画像がランダムに変化しますので、ぜひ何度もチャレンジしてみてください。
(画像をクリックすると病名が表示されます)


実 績

(2016年、first authorのみ)

  • Obase Y, Shimoda T, Kishikawa R, Kohno S, Iwanaga T. Trigger of bronchial hyperresponsiveness development may not always need eosinophilic airway inflammation in very early stage of asthma. Allergy Rhinol (Providence) 7(1):1-7,2016
  • Kakugawa T, Sakamoto N, Sato S, Yura H, Harada T, Nakashima S, Hara A, Oda K, Ishimoto H, Yatera K, Ishimatsu Y, Obase Y, Kohno S, Mukae H. Risk factors for an acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Res 17:79,2016
  • Harada T, Ishimatsu Y, Hara A, Morita T, Nakashima S, Kakugawa T, Sakamoto N, Kosai Y, Izumikawa K, Yanagihara K, Mukae H, Kohno S. Premedication with clarithromycin is effective against secondary bacterial pneumonia during influenza virus infection in a pulmonary emphysema mouse model. J Pharmacol Exp Ther 358(3):457-463,2016
  • 石本裕士、矢寺和博、花香哲也、小田桂士、河本定洋、迎 寛. 清心蓮子飲による薬剤性肺障害の1例. 日本胸部臨床 75(4):428-432,2016
  • 角川智之、迎 寛. 急性増悪の考え方と課題.呼吸器内科30(2):141-145,2016
  • 石本裕士、迎 寛.抗菌作用以外を期待する抗菌薬の使い方-マクロライド系薬の新作用-.調剤と情報 22(11):137-141,2016
  • 尾長谷 靖、迎 寛. 喘鳴. medicina 2016増刊号 内科診断の道しるべ その症候、どう診るどう考える. 253-257,2016
  • 角川智之、迎 寛. シェーグレン症候群の気管支肺病変 シェーグレン症候群の最近の知見. リウマチ科. 55(5):482-487,2016