ごあいさつ
本施設は、昭和57年建物が完成し、使用開始以来本年で10年目を迎えました。 これを節目に、施設案内ともいうべき本冊子の内容を一新し、改訂出版することにしました。
一口に10年といいますが、この間本施設の運営は決して順調に進展して来たわけではありません。 種々の障害を乗り越え、試行錯誤を繰り返しながら、今日の姿があるわけです。 にもかかわらず、本施設が内外の水準と比較しても、遜色のない施設として運営されているのは、 文部省当局、全国国立大学動物実験施設協議会の各校、大学当局、学内関係者各位のご援助、ご指導、ご協力の賜物であり、 ここに衷心よりお礼申し上げます。
この10年間、動物実験並びに実験動物学領域における科学研究の進展には目覚ましいものがあります。 新しい疾患モデル動物の開発、SCIDマウス(Severe combined immunodefidiency mouse) の発見に代表される新しい実験動物の導入、 Transgenic animal や Gene targeted animal 作出にみられる先端的技術を駆使した動物実験など枚挙にいとまがありません。 また、同時に動物実験に批判的な状況も生ずるなど、動物実験を巡る社会環境の変化にも著しいものがあり、 動物実験施設の果たす責務・役割は、益々重要且つ広範囲な領域になってきております。 本施設は利用者共々将来を見通す視点を踏まえつつ、医科学をはじめ諸科学の発展に寄与すべくこれからも努力する所存であります。 これまでにもまして、関係各位のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
平成4年11月
長崎大学医学部長 原 耕平
附属動物実験施設長 宮本 勉