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長崎での法医学教育の歴史と法医学教室の沿革
 ポンペがわが国にはじめて西洋の法医学を講義したのは文久2年(1862)で、ポンペの帰国直前のことでした。ポンペ後、法医学の講義は中断していましたが、明治初年の大学東校教師デーニッツの断訴医学(後の裁判医学)開講に伴い、医学教育にも取り入れられ、更に衛生学と共に講座が設けられます。この間、山根正次が長崎毉学校時代にデーニッツの学風を伝え、更に栗本東明が明治18年(1885)に着任すると、直ちにこの講座を担当し、第五高等中学校時代に入って、小山竜徳が解剖学教授に迎えられると、その後を享けて講座を担当しました。更に、長崎医学専門学校時代に入ると、明治40年(1907)に教授に任ぜられた石田昇が兼任し、更にその後任教授 斎藤茂吉が大正8年(1919)から同10年(1921)まで兼任しました。

 大正10年3月浅田一教授が法医学を担当されて初めて講座として独立しました。昭和9年(1934)浅田教授が辞職された後、北条春光助教授が第二代目の教授に昇任されます。北条教授は昭和15年(1940)九州大学に転任され、その後任に京城帝国大学 国房二三助教授が第三代教授に任ぜられたが、昭和20年8月9日(1945)あのいまわしい原爆に被爆され数日後に逝去されました。

 昭和24年(1949)友永得郎千葉医科大学助教授が第四代教授に就任。友永教授時代には法医鑑定に不可欠な「壊機法」について、精力的な研究が行われ、昭和29年(1954)「壊機法による溺死の証明」の演題にて第38次日本法医学会総会で、特別講演、日本法医学会賞を受賞。余談ですが、現在においてもこの時代の影響が残っており、法医学会内で「溺死」の長崎大学と称されています。昭和31年(1956)年、友永教授を会長として第40次日本法医学会総会を担当。昭和32年(1957)須山弘文助教授が岐阜県立医科大学教授として転出。友永教授は昭和43年(1968)定年退官。

 須山教授(岐阜大学)が第五代教授となる。須山教授は昭和45年~昭和50年、また、昭和54年~昭和56年に亘って日本法医学会理事を、昭和57年~昭和60年日本法医学会理事長を歴任。昭和55年(1980)年、須山教授を会長として第64次日本法医学会総会を担当。須山教授時代には、ヒト精液やヒトヘモグロビン、胎児性ヘモグロビン及びヒトミオグロビンに関する研究が精力的に行われています。血痕検査試薬「リューコマラカイトグリーン」および精液検査試薬「SM試薬」は須山教授の開発です。須山教授は昭和62年(1987)定年退官。

 同年助教授の中園一郎が第六代教授となる。平成2年(1990)に現在地の医学部基礎研究棟に新築移転。小片守講師が鹿児島大学医学部法医学教室に助教授として転出。平成3年(1991)雲仙普賢岳大火砕流災害に伴い死体検案活動を行いました。また、北村修大学院生はこの年に発生した信楽高原鉄道列車衝突事故での死体検案活動に参加。平成6年(1994)北村修大学院生は東京慈恵会医科大学法医学教室助手として転任。平成7年(1995)に現在地の医学部学生棟に法医解剖室が新築移転。中園教授は、この年に発生した阪神・淡路大震災での死体検案活動を行いました。平成9年(1997)久保真一助教授が徳島大学医学部法医学教室教授として転任。平成11年(1999)鹿児島大学医学部法医学教室教授に小片守助教授が昇任。平成13年(2001)折原義行講師が鹿児島大学医学部法医学教室に講師として転出。平成16年(2004)法人化。平成19年(2005)北村修講師が金沢医科大学法医学教室教授に徳島大学より転任。平成20年(2008)久保真一教授が福岡大学医学部法医学教室教授に徳島大学より転任。この年、中園教授を会長として、長崎にて4回目の開催となる第92次日本法医学会総会を担当。中園教授は平成9年~平成14年日本法医学会理事、平成18年から日本法医学会理事長を務めたのち、平成24年に定年退官。平成25年より池松教授が第7代教授となり、現在に至る。


 
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