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(医学部学生向け)学会参加
第101次日本法医学会学術全国集会
(岐阜市・長良川国際会議場)

(研究医コース学生)
山西 優香 

 今回、6月7・8・9日に開催された第101次日本法医学会学術全国集会に参加させて頂きました。参加といっても聴衆としての参加でしたが、これまで大規模な学会に参加することはなかったため、多くの演題を拝聴することができとても良い勉強になりました。
  初日は第25回法医病理勉強会が行われ、3つほど演題を拝聴しました。どの演題も救急と法医学の関りを中心にした内容であり、臨床との結びつきを感じた勉強会でした。特に兵庫医科大学の主田先生による「救急医療行為の評価-死後CTの所見より」は印象的なものでした。ドイツ・ハンブルグ大学医療センター法医学研究所との共同研究で、救急現場や蘇生現場で行われた気管チューブやドレナージチューブが適切に実施されたか死後画像より検証する、といった内容でした。日本では死亡確認後、患者さんの家族との対面の際の配慮としてチューブ等はすぐに抜去されています。私はそれが海外でもスタンダードだと思っていたので、海外の医療事情について全く知らないことにまず反省しました。検証の結果は、チューブやカテーテルが適切でないと判断された症例が存在したが、それが死亡やその経過に影響したかどうかは判断が困難な場合も多い、また医療の質の向上や「防ぎ得た死」をなくすためには解剖だけでなく死後画像が有用である、というものでした。死後画像の撮影については、日本では死亡確認の際に家族が同席しており、チューブは抜去することが多いです。救急医療の質向上のために死後画像が有用になるのはわかりますが、日本ではご家族への配慮も重要視しているため、実際に行うのは難しい場面もあるように感じました。
  8・9日はポスターセッションや口頭発表を多く見学させて頂きました。ポスターセッションでは、実際にあった症例についての検討の他、遺伝子解析を行ったものについても多く見られました。口頭発表の一つとして、学術奨励賞受賞講演の山本琢磨先生による「Metabolic Autopsyを用いた機能性疾患の解明」を拝聴しました。代謝異常症の観点から乳幼児突然死の検討を行っており、CPTⅡ欠損症が突然死を引き起こす要因のひとつであると述べていました。また、次世代シークエンサーを利用して多くの遺伝子を網羅的に解析し、効率的に検索することを可能にしました。山本先生は、亡くなった人から得られた情報を発症予防や社会的予防に還元したいということをおっしゃっていました。法医学といえば死因を特定するといった印象が強かったので、その先につなげるという点にとても新鮮なものを感じました。
  今回初めて学会に参加させて頂いて、自分の視点がとても狭いということを感じ、また様々な講演を聞くことができとても勉強になった3日間となりました。このような機会を頂き感謝致します。これからの学業・研究に生かせるように励んでいきたいと思います。


(クリクラ学生)
迎 亮平 

 2017年6月7日から9日にかけて、岐阜県長良川国際会議場にて行われた第101次日本法医学会学術全国集会に参加させて頂きました。
  初日は、第25回法医病理勉強会に参加しました。まず特別公演として三重大学救命センターの今井先生より、異状死体に遭遇した際に臨床と法医学がどのように連携して死因究明を行っていくのか、具体例を混じえて教わりました。続いて2つの指定演題が行われました。1つ目の演題では、チューブ末端の位置の例をもとに、救急医療に対する法医学の医師の役割や可能性について学びました。2つ目の演題では、解剖にて発見された心臓の損傷についての解釈に関して、法医学の医師間で活発に討論が行われており、様々な意見を積極的に出し合う法医学会特有の雰囲気を楽しみました。
  2日目より、2つの会場及びポスター会場にて日本法医学会が開かれました。 まずポスター発表では、特殊な異状死の剖検報告や児童虐待などの社会問題に対する研究といった法医学らしいものから、突然死に関わる遺伝子解析に関する研究などまで、法医学研究の扱う範囲の広さに驚きました。以前参加した臨床系の学会では疾患の解明や治療にスポットが当てられた研究が主だったため、その違いを感じられて興味深かったです。また、学術奨励賞を受賞された山本琢磨先生の講演を拝聴しました。CPTⅡ遺伝子欠損による代謝異常症を原因とした乳幼児突然死という機能性疾患を扱った研究でした。これまでの私の法医学に対する主なイメージは、解剖によって肉眼にて形態的変化を見るというものでしたが、Metabolic Autopsyもまた、死因究明において非常に重要であるということを学びました。また、講演中の山本先生の「亡くなった人はもう救うことはできないが、その死を解明していくことで、その兄弟やこれから生まれてくるかもしれない家族の命を救うことができるかもしれない。」という言葉が強く印象に残っています。死因究明や遺伝子解析によって疾患の解明に繋がり、今ある命を救うという法医学のこれからの新たな可能性と魅力を感じました。
  また、今回の学会や懇親会を通して、法医学に関わる若い医師が多く見られて活気を感じました。法医学のこれまで知らなかった側面をたくさん見ることができて、大変貴重な経験をさせて頂きました。今回法医学会への同行を認めていただいた先生方、法医学教室の皆さん、ありがとうございました。


(クリクラ学生)
宮崎 修平 

 6月7,8,9日の3日間、岐阜の長良川国際会議場で開催された日本法医学会に参加させていただいた。個人的には、法医学に触れるのは4年生の頃に大学の講義で学んだ以来であり、正直未知の世界に飛び込んだような気分であった。未熟者の僕ですが、自分なりに学んだことを述べたいと思う。
  ポスターセッションにおいて印象的であったものは、頸部圧迫の諸問題、ベルトによる索痕の形態についてである。概略としては、頸部圧迫症例において、当初タオルに間違いないと思われていたものが実際はベルトであった事件を契機に、ベルトによる索痕を整理し直したというものであった。日頃身体の所見を細かく丁寧に扱う法医学者であっても、ベルトとタオルを間違うことがあるのだなと、とても意外であった。
  ベルトが表皮を擦過することによる帯状表皮剥脱は伴いにくく、特に革様ベルトで生じにくく、布製ベルトであっても表皮剥奪を伴わないことが多いとの記載があった。
  この点に関して疑問に思ったこととして、最近ではベルトの種類も豊富であり、様々な模様や加工がされており、表面が平滑でないベルトも多々ある。その様なベルトで頸部圧迫を行なった場合は、帯状表皮剥奪は容易に生じるのではないだろうかという疑問である。網目状のベルト、固形の装飾品をちりばめたベルトなどで頚部圧迫を行った場合には、容易に擦過による表皮剥脱が生じるのではないだろうか。今回提示された症例で使用されたベルトについては形状や種類についての記載はなかったため、今後ベルトによる頸部圧迫の症例に触れる際はベルトの形状、種類について詳しく観察していきたい。
  講演発表では、様々な分野から法医学にアプローチした報告がされていた。症例報告、免疫、バイオマーカー、遺伝子解析、薬物の影響、画像診断等、非常に幅広い研究がなされていた。日頃生体のことのみを学んでいたため、死後の変化、死後の所見から生前のことを推察することは刺激的であり非常に勉強になった。高齢化が急速に進んでいる日本。核家族が増え、高齢者の一人暮らしは珍しくないといった状況で、今後高齢者の法医解剖が増加することが予想される。法医解剖から、医療全体に影響する発見が見つかることも少なくはないであろう。法医学の研究が今後の医療の発展の大きな一端を担っていることを理解できた。
 最後になりましたが、池松教授をはじめとする長崎大学法医学教室のスタッフの皆様には、大変お世話になりました。未熟者の私に、優しく丁寧な指導をしていただいただけでなく、学会会場以外の場でも様々に御気遣いいただきました。皆様のおかげで素晴らしい学会参加となりました。この場を借りて、深く御礼申し上げます 。
 
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