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(歯学部学生向け)死因究明医育成センター見学ツアー
第3回(平成28年4月5日)


法医学教室の見学を終えて


歯学部6年 福島麻子
 今回、死因究明医育成センターの見学ツアーに参加をさせて頂きました。
 法医学には三年前に池松教授の講義を受けた時から少しずつ興味を持ち始めましたが、その講義以来なかなか法医学に触れる機会がありませんでした。
 しかしこの春、法医学の寺小屋に参加させていただく機会があり今回の見学ツアーにも呼んでいただけることになりました。
 見学ツアーでは、CT室や解剖室、検査室、研究室の見学をさせて頂きました。
どの施設を見学していても最新の機器やリアルタイムで様々な情報を共有できるシステムがあり、長崎大学にこれほどの施設があったことに大変驚きました。全国でもこれだけの設備が整った施設は少なく、県内に限らず他県からの検査・分析・協力の依頼が来ているとのことでした。また長崎大学では24時間体制でご遺体の受け入れを行っており警察の方々と協力しながら年間200体以上のご遺体の死因を究明しています。
 見学後の池松教授や歯科麻酔科の達先生との会話でも法医学において歯科医師の知識は役立つということをお聞きしました。今後、東日本大震災のような大規模な災害が起きた際には、歯科医師としての知識を活かして死因・身元調査に尽力したいと思いました。また、寺小屋や見学ツアーに参加してご遺体の男女の見分け方や年齢の推定の仕方などを教えていただきましたが、これらのことは大学を卒業し歯科医院に就職しただけではあまり学ぶ機会がないため、長崎大学では法医学の講義や法医学セミナーなどを通じて学ぶ機会をいただけていることを大変ありがたく感じました。
 今年度より歯学部6年生には、法医学の見学実習が導入され、また歯科法医学部門の先生方のご厚意で歯科検案マニュアルも作っていただけました。これにより今後歯学部生の法医学に触れる機会が増え、また歯科医師になって死因・身元調査の現場に必要とされた際にも少しでも役立てるのではないかと感じました。
 最後に、この度はお忙しい中お時間を作って頂き、案内して頂きました池松教授と達先生に心より感謝申し上げます。

第2回(平成27年11月5日)


法医学教室の見学を終えて


歯学部5年 劉 桂陽
 長崎大学の法医学人材育成センターに見学に行かせていただきました。まずはこの機会を与えてくださった先生方に感謝を申し上げたいと思います。今回の見学で感じたことを率直に述べていきます。
  今回はCT、解剖室と研究室を見させていただきました。長崎大学では警察の方と一緒に解剖を行って、24時間体制でご遺体を受け入れています。これは当たり前のようでなかなか実現が難しいところだと思います。他の県では警察と仲悪くなってたり、受け入れ時間が短かったりという問題も起きていると聞きました。また、長崎大学の法医学教室の機材やシステムは素晴らしいものがあると思いました。薬物を一括で検査できる装置やIPS細胞を使った実験など驚くものばかりでした。
 私は法医学に興味を持ち始めたのは3年のときに池松先生の授業を受けたときでした。法医学についてわかりやすく、面白く伝えてもらいました。歯科にも法医学に貢献できるところがあるということ、大規模災害で重要な役割があるということなどを知りました。今回のセミナーと見学で法医学における歯科の役割を再認識できました。
  6年間勉強し、これからも生涯勉強し続ける職業に就くものとして、少しでも社会の中で多くの分野に貢献できるように幅広い知識をつけていきたいと思っています。この法医学は自分の幅を広げる一つの分野であり、視野を広げてくれるものであります。それに加えて、社会に貢献できるというやり甲斐があるので、こうしてちょっとずつ法医学に関わっていると思います。これからも生涯勉強というつもりで、法医学にも手を伸ばしたいと思います。このような考えを与えてくださった池松先生をはじめ、先生方にはとても感謝しています。


歯学部5年 山口貴秀
 ツアーは死体専門CT室に始まった。最大線量に設定されたCT室は異臭もなく清潔に管理されていたが、PCディスプレイに映し出されている損壊したご遺体のCT画像は、明らかに私の日常とは異質のものであった。しかし、県内各所より毎日運び込まれるご遺体の数は非日常とは言い難いものであった。そのことに驚いたし、またそれだけ法医歯学が必要とされているのだと感じた。
 その後、2台の解剖台がある法医解剖室、250種類以上の薬・毒物をスクリーニングできるクロマトグラフ、オートメーション化された病理組織切片作製装置など、日本有数といわれる長崎大学法医学教室の優れた設備を見学させていただき、感銘を受けた。だが私が最も素晴らしいと感じたのは、警察との良好な関係に基づく協力体制である。警察との協力関係なくして法医歯学は有効に機能しないであろう。その意味で現在の長崎大学法医学教室のシステムは非常に成熟したものであり、それは長い歴史が築いた賜物であると思う。
 歯学部生の立場から印象に残っているのは、「歯は人生を映すものである」という言葉である。ご遺体を前にして、歯からその人の生前の生活感を推察するのが歯科医師の仕事である、と。講義で学んだとはいえ法歯学というと個人識別のイメージが強かったが、さらに積極的な関わりができることを再認識した。死因究明推進法案や死因・身元調査法で歯科医師に求められていることは、こういった役割も大きいのだろう。将来的にどれほど法歯学に貢献できるかはわからないが、そのような観点から患者の口腔内を診ていけたらと考えている。
 最後になりましたが、本ツアーをご案内いただきました池松教授と達先生に心より感謝申し上げます。

第1回(平成27年9月25日)

9月25日、歯学部生対象に見学ツアーを行いました。
9月25日、歯学部生対象に見学ツアーを行いました。


法医学教室の見学を終えて


歯学部5年 川﨑華子
 今回の法医学見学ツアーに参加する前までは、2年生時の解剖実習で使用した部屋の存在しか知らなかったため、法医学も同じ部屋で解剖を行っているのかなと予想をしていました。しかし、今回のツアーでは御遺体専用のCT撮影室や解剖室、様々な機器を備えた分析・研究室を見学させて頂き、長崎大学法医学教室の設備の整った環境にとても驚かされました。また、法医学では死因究明において、体表の外傷や出血痕などの目視で判断することにとどまらず、薬物の成分分析やDNA鑑定などを通して様々な観点から調べていくということを実際に使用している精密機械などを見学させて頂き、改めて感じることができました。見学後の池松先生から出題された傷跡の問題も、原因究明する過程を少し味わうことができて興味深かったです。また、歯学部の山下先生の歯科的観点からのお話を聞くことができ、将来的に御遺体の年齢推定に関わる際には臨床にあがってから患者さんの年齢と口腔内を比較して何症例も数をこなして見て記憶していくことが重要という助言を頂き、今月から始まった臨床実習においてもそのことを念頭に置きながら実習に臨むことができ、今回の法医学見学ツアーに参加できてとても勉強になったなと思いました。このような貴重な機会を設けて頂き、どうもありがとうございました。


歯学部5年 新見大輔
 見学している中で、一番印象的であったのが高価で精密な機器や、最先端の解剖室でした。特に、解剖室に置かれてあった声を認証して自動で入力する機械は、その性能にとても驚きました。法医学において歯科の分野に必要とされている事が先生のお話からよく分かりましたし、実際の事件の写真をみて、咬傷か否かを判断するのはとても難しかったです。ただ強く噛み付いたのか、噛み付いたあとに引っ張ったのか、また傷の一つに注目すると、それが歯の切端のあとなのかどうか。これまで咬傷をしっかりと観察したことがないのでとてもいい経験になりました。いま臨床実習が始まり、実際に患者さんの口腔内を診させて頂いてる中で、法医学の講座や先生方から学んだことを意識しながら、口の中の情報を一つでも多く判断できるような歯科医師になれるよう励みたいと思います。  お忙しいにもかかわらず、見学の機会を設けて頂いた、池松先生、山下先生誠にありがとうございました。


歯学部5年 川上ひろみ
 一歯学部生として、法医学にますます強い関心を引かれました。端的に言えばそのような感想を抱きました。日々実務が行われている解剖室や死因究明医育成センターを見学させて頂ける機会は滅多にないと思い、お忙しい中このような計らいをして下さった先生方には心から感謝しております。
 夏の歯科法医学セミナーで学んだことをふまえ、実務や研究が行われる部屋に実際に立ち入って自分の目で見ることで、より具体的に法医学の世界を知ることができました。AmiVoice Foresensic Medicineを始めとした様々なハイスペックな機器や設備にただ圧倒されただけでなく、法医解剖や研究など多くの点で、長崎大学医学部法医学教室がいかに長崎県内外問わず社会に貢献しているかを知り、感銘を受けました。
 そんな中、池松教授の「歯科の臨床的知識が非常に役立つ」というお言葉と、口腔外科の山下先生の実務でのエピソードをお聞きして、歯学部で学び将来歯科医師として臨床で経験を積むことが、法医学分野で役に立つということを感じ、非常に嬉しくなりました。元々人の生と死や法医学に興味を持っていた自分が、歯学部生あるいは将来的には歯科医師となるからこそ、この分野でできることがあるのではないかと思えたからです。いま私は臨床実習が始まっています。実際に外来診療室で多くの患者さんの口腔内をみながら、年齢や性別、既往歴や生活状況など、その患者さんの背景と照らし合わせてみると、色々と気づく点があります。先生方の仰っていた「法医学において役立つ歯科的臨床知識」とはこういったことなのだろうかと思いながら、日々実習に励んでいます。
 今回夏の法医学セミナーに参加できなかった歯学部生たちも、歯科法医学についてもっと知るべきではないかと強く感じています。法医学を専門にするか否かに関わらず、歯学部生として、そして将来歯科医師として臨床の場に立つのであれば、いざ歯科的臨床知識を法医学分野に役立てたいと求められたときには、自身の持つ経験と知識を惜しまず提供し協力していく必要があるからです。歯科の力が求められているとは知らぬ学生や歯科医師も多いと思います。今は歯科法医学の開拓期にあると思いますが、今後ますます多くの歯科関係者に法医学について知る機会が増えればと願っております。


歯学部3年 三原有美子
 法医学と聞いて私がイメージするのは、ご遺体の解剖を行い目視で死因を特定するというものであった。しかし、現在は解剖以外にも病理的、生化学的な角度からのアプローチを行っているということを今回の見学により知ることができた。そして、解剖を行う医師だけではなく放射線科医や歯科医師、技術職等様々な専門領域の力を合わせて業務が行われているように思われた。
 ご遺体をそのご家族のもとに出来るだけ早くお返しするために、業務に用いるシステムには工夫が必要である。その1つとして、音声による所見の入力が挙げられるであろう。検案中はどうしても手が汚れてしまうことから開発されたそうであるが、法医学で解剖に携わる人々が感じていた煩わしさを解消していると言っても過言ではない。他に、撮影したCT画像データを回線経由で放射線科に送り、読影の依頼をできるというのも工夫であろう。Aiについて本で読んだことがあり、どれほど法医学の現場で導入されているのかという疑問があった。しかし、長崎大学では、県内だけでなく九州地区の他大学から依頼を受けて読影を行っているというのであるから驚きである。
 法医学の業務以外に、どのような研究が行われているのか気になっていたが、中でも乳幼児突然死症候群で亡くなった乳幼児の遺伝子を全国から集めて解析しているということが印象に残っている。総じて、長崎大学でこれほどまでに設備が整えられ、データが集積されていることに正直驚きを隠せない。
 将来歯科医師として、法医学に携わるためにはどのような進路が考えられるのか先生方のご意見を聞くことができてよかった。一緒に参加していた先輩が法医学にとても興味をもっていたように、法医学について学びたいと考える歯学部の学生が少なからずいると思う。よって、そのような人を見つけたらセミナーや見学に参加することを勧めたいと思う。


歯学部3年 吉崎怜子
 法医学教室を見学させて頂いて自分の知らないことをたくさん知ることができた。人の生死にはもともととても感心が強かったので、人が死ぬということはどういうことなのか、とても興味があった。日本のメディアでは、海外と違って、プライバシーやご遺体への配慮を考えて遺体を報道することがないため、日常生活で死後の状態に触れることはまずできない。核家族化も進んでいるため、そういった機会はとても少ないし、まして、変死体を見る機会は全くない。法医学教室を見学することで、普段見ることのない部分を見ることができるという期待感が強かった。それが偶然にも日本で最も設備の整った場を見ることができてとても幸運だった。死ぬ、という状態や実際にその現場施設を見ることで、生きていることを見つめなおすことをしたかった。自殺や他殺はどういうことなのか、ニュースで聞くだけではどういうことなのか分からない。多分現場は多数の事件や人々の感情や多職種の人の関わり合いで自分の想像を超えて緊迫したものになっているのだと想像する。解剖台でどのように記録をとっていくのか、そのときに医科と歯科がどのように連携をしていくのか、写真や記録をもとに辿っていくルートを実際に少しでも体験できたことがとても自分は興奮した。歯科が法医学の分野に関わることも自分は知らなかったし、気づいていないだけでいろいろな可能性もあると教えていただいたことも興味をそそった。法医学は人の生死にご遺体が残したものから深く入り込んでいく分野だとイメージしている。遺体の引き取りが難しい、また、状況が複雑なだけにエネルギーを費やすやりとりがなされる現場だということも感じた。いろいろな説明は見学、体験ができて参加して本当に良かったと感じた。池松先生、山下先生、貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございました。たくさん質問に気さくに答えていただきとても嬉しかったです。
 
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