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他大学からの研修・見学:久留米大学(平成29年10月2日・3日)
長崎大学法医学教室 実習レポート

久留米大学医学部医学科3年
木村 遼
 平成29年の8月末から10月上旬までの約1か月半、『Research Mind Cultivation Program (RMCP)』という大学のカリキュラムで、久留米大学医学部法医学講座にて実習をさせていただきました。その実習で、大変ご多忙のなか長崎大学医学部法医学教室で1日、見学をさせていただきました。
 まず、長崎大学医学部法医学教室が普段、どんなことをされているかを非常に丁寧に教えていただきました。なにより驚かされたのは、長崎大学医学部法医学教室が警察のサポートを非常に熱心にされているというところです。また児童虐待についてもよく学ぶことができました。その講義の後、施設内を案内していただきました。長崎大学法医学教室の施設は日本国内の法医学教室の中でもトップクラスの設備を誇っていると聞きました。解剖室には複数の解剖台があったり、解剖所見を音声認識で入力できるシステムが導入されていたりと、とてもハイテクな設備が整っていました。そして、死体専用CTは24時間365日毎日稼働されていて、死体専用CTを活用した死後画像診断を非常に多くされているということがわかりました。そのCT室は解剖室など様々な部屋のコンピュータがそれぞれリンクしていて、とても便利だと思いました。また、池松教授は依頼されれば深夜1:00からでも解剖をされると聞き、その献身ぶりにはとても驚かされました。
 今回、長崎大学医学部法医学教室を見学させていただき、感銘したことは、池松教授が「法医学は冤罪を作らないためにある」とおっしゃられていたことです。冤罪を防ぐことで罪のない人を救うことができるということはとても素晴らしいことだと感じました。
 最後に、この度は、大変お忙しいところ、私たち久留米大学の学生のために貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございました。



長崎大学法医学教室 見学レポート

久留米大医学部医学科3年
外山 慶夏
 私は、今年度から始まったリサーチマインドプログラムという、大学の研究室配属のカリキュラムにより、2017年8月下旬より約1ヶ月間、久留米大学医学部法医学講座で研究活動を行いました。この研究活動の一環として、長崎大学医学部法医学教室の見学をさせていただきました。
 まず初めに、長崎大学で行われている取り組みに関して、教授の池松先生より伺いました。大学と警察との連携システムがしっかりと確立されていることに驚かされました。加えて、児童虐待に関するお話も伺うことができました。
心を閉ざしてしまった子ども達との意思疎通を図るための工夫や、限られた情報の中から考察していく過程のお話は、どれも大変興味深く、将来子どもを診察する際に役立てられるものばかりでした。
 次に、教室内の施設を拝見しました。日本屈指の充実した設備が完備されており、そのほとんどがオートメーション化されていました。特に驚いたのは、病理標本を全自動で作成する機械が法医学教室に配備されていたことでした。また、死体専門CTに関しては、死後画像診断を放射線科の医師と協力して行うことで、精度の高い死因診断が可能となっており、感銘を受けました。解剖室にも、長崎大学独自の工夫が数多く施されていました。例えば、水難事故や雲仙普賢岳の噴火等、起こりうる大規模災害を想定して複数の解剖台を設置していることや、解剖室と分析室を隣接させることで、検査データを解剖終了時には揃えられるなど、迅速な死因診断ができる環境が整っていることです。さらに、解剖室内に音声認識ソフトを導入することで、解剖中に得られた所見を複数人が同時に入力することが可能となっており、業務の円滑な運用が行われていました。CT画像を含めた解剖所見は全てデータ化され、教室内にあるパソコンからであればいつでも、どこでもからでもアクセスできるようなシステム環境が整備されていました。
 今回の見学を通して、物事を多角的に、かつ論理的に見ることの重要性を改めて実感しました。手元にあるデータばかりにとらわれずに、患者を総合的に診断する力を養うことで、誤診や冤罪を減らすことができると思いました。
 最後にはなりましたが、ご多用の中にもかかわらず丁寧にご指導して下さりました池松和哉教授、また長崎大学法医学教室の皆様に厚く御礼申し上げます。


 
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