九州法医学ワークショップ INDEX
 
ホーム九州法医学ワークショップ平成23年3月5日ー3月6日 >長崎大学:村上友則 先生(助教:放射線科)


Autopsy imaging(Ai)-死後画像診断について

長崎大学 村上友則 MOVIE
長崎大学
村上 友則

 Autopsy imaging (Ai)とは死体の画像診断です。Aiという言葉や概念は、今は作家として有名となった海堂尊さんが提唱したものです(1999年頃)。彼は病理医としての立場から、死亡時医学検索の重要性を主張しました。2003年8月にはAi学会が設立され、2007年には千葉大学にAiセンターが設立されました。海外においても2000年以降死体の画像診断の有用性が認知されるようになりました。この流れ以外にも日本には、1895年筑波メディカルセンター(救急センター)での死後CTをはじめとして、来院時心肺停止症例の死因検索としてAiが行われていました。
 Aiの種類ですが、異状死体を対象としたAi以外にも、病院内の内因死に対してもAiが行われています。そして、先ほど述べたように異状死体か否か判断が難しい、救急外来での来院時心肺停止症例においても、Aiが行われています。
Aiの問題点ですが、現状のシステムでは、画像診断に関する費用の出どころがない事が挙げられます。そして、撮影の専門家、読影の専門家が必ずしもかかわっていない現状があります。
 Aiの将来性についてですが、やはり異状死の解剖率が著しく低い日本において、Aiを取り込んだ死因究明制度が確立すると、死因不明社会と言われる現状から離脱出来る可能性があります。こうなることで、法医解剖、病理解剖の専門家以外に、画像診断の専門家が死因究明に関わることになり、これまで問題視されていたマンパワー不足が改善される可能性があります。
 最後にまとめますと、「Aiとは、死体の画像診断である。」「Aiは画像診断の一種であるから、全身の画像診断が可能な専門家-画像診断専門医(放射線科医)による読影が望ましい。」「今後、異状死の死因究明において、画像診断(Ai)のはたす役割は大きく、解剖や検体検査にあたる法医学者のみならす、画像診断医(放射線科医)の役割も大きいと考えられる。」この3点に要約されます。実際の講演では、Ai画像も供覧し、Aiの実際を見て頂きます。

 
法医学教室について
教授挨拶
スタッフ紹介
業務・研究内容
ご遺族の皆様へ
死因究明医育成センター
九州法医学ワークショップ
法医学の医師になろう!高校生の皆さまへ
業績
大学院生募集
関連リンク
お問い合わせ
国立大学法人 長崎大学  
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻社会医療科学講座
法医学分野 (長崎大学医学部法医学)
〒852-8523 長崎市坂本1丁目12番−4号 基礎棟6F
tel. 095-819-7076 / fax. 095-819-7078 
E-mail
forensic_med_nagasaki@ml.nagasaki-u.ac.jp
※@(全角)を@(半角)に変更して送信ください。
 
Copyright(C)