発表の内容は、自己紹介、MDPhDについて、研究内容について、法医学の魅力の四つでした。
まず、自己紹介として私が法医学の研究を始めた理由、また法医学会のStudent Poster Forumで発表するまでの道のりなどをお話させて頂きました。
次に、私の所属しているMDPhDというコースについて説明をさせて頂きました。MDPhDコースは、法医学の研究をしたいと考えている学生にとって大変有用なプログラムであり、取り入れている大学も多いため、このコースに参加し、より積極的に研究活動をする学生が増えてくれることを願って、今回の発表の中で紹介させて頂きました。
そして、私が6月の福岡での法医学会のStudent Poster Forumで発表させて頂き、優秀賞を頂いた「New formulae for estimating stature of a cadaver using anatomical benchmarks in femur(大腿骨における解剖学的指標を用いた新しい身長推定の式)」という研究についてお話させて頂きました。今まで用いられてきた身長推定の方法についての簡単な説明のあと、今回の私の研究によって導かれた式の有用性や、実務における応用例などを発表させて頂きました。
また、これから研究を始めるという学生に向けて、研究の流れも説明させて頂きました。自分自身も研究を始めたのが昨年であり、その際にはとても戸惑ったため、その経験を踏まえてお話しさせて頂くことによって、勇気を持って研究への一歩を踏み出して欲しいと考えました。
最後に、私自身の今後の研究における目標は論文が英文医学雑誌に掲載されること、実験系の研究を行うこと、国際学会などで英語の発表を行うことであること、また、法医学の魅力とは、正しい死因を究明することにより、死者の尊厳を守ることができることだけでなく、生きている人間の社会にも還元することができること、そして、興味深い研究ネタが多いということであるということで締めくくらせて頂きました。
質疑応答では、学部学生から、「式の有効数字は何桁か」というご質問を頂き、計測の精度が二桁であるため、二桁が有効であると回答させて頂きました。また、先生から「日本人のプロポーションに変化はみられたか」というご質問を頂き、今回は骨端線が閉じていると考えられる、20歳以上のご遺体を対象としたからかもしれないが、安藤の式、藤井の式も依然として高い精度で使用可能であり、それほど変化はないように思われると回答させて頂きました。
今回このような機会を下さった長崎大学法医学講座の池松先生ならびに講座スタッフの皆様、ご指導くださった札幌医科大学法医学講座の井上先生、渡邊先生、兵頭先生、岡崎先生、水尾先生、清水先生、ありがとうございました。
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