疫学的解析-分子疫学(衛生)
 
ようこそ分子(衛生)分野へ
中込治教授分子疫学(衛生)分野教授 中込 治

「ひとりの人間が死ぬのは悲劇であるが、100万人の死は単なる統計である」と言われることがある。教室の研究テーマであるロタウイルスは、先進国と途上国とを問わず、世界のどこでも同じように存在する。しかし、ロタウイルス感染のために熱帯を中心とする途上国の子どもたちが毎年数十万人の単位で死んでいる。この「単なる統計上の数字」に国際的な研究ネットワークの一員として、「数字に表れる介入をすること」が、教室の到達目標である。とくにこの2〜3年は,世界各地で新しいロタウイルスワクチン導入が急速に進む,ロタウイルスとの戦いの歴史の中でもっともクリティカルな時期である。古典的な感染症の疫学の確固たる基礎の上に、分子のレベルで病原体を確実にとらえるベンチワークと、常に地域社会、国、そして世界という母集団を見失わない大局観のもとに展開されるフィールドワークとが教室の研究の両輪である。ここからロタウイルスの自然界における存続、進化、伝播、拡散の機構をグローバルなレベルで解明する研究を展開し,現在世界規模のネットワークで進められているロタウイルス下痢症克服への歴史的挑戦の一翼を担う。

概要
医学部教育では臨床医学の一分野である感染症学を系統的に教授する「感染症系」を病原微生物学(本学では「感染系」として教授される)との密接な関連のもとにオーガナイズするとともに,社会医学の一部門として「感染症の疫学」すなわち集団のレベルでの感染症の発生動向の把握と感染制御・制圧戦略を病原微生物学の基礎の上にたって教授する。大学院では、「研究内容」に記した研究を行うほか、熱帯医学修士課程(平成18年度に開講予定)の基幹講座として,熱帯医学研究所の教授陣とともに教育課程の作成を担当している。

歴史的背景
「衛生」という言葉は、ポンぺに西洋医学を学び、長崎医学校長となったわが国の衛生学の創始者・長与専斎(後に東京医学校長、内務省衛生局長)が、「荘子」から引用して作った言葉である。ポンペが帰国直前に教授した当時「養生法」と、言われた学問が衛生学に相当するので,わが国の衛生学の源流に直接さかのぼることのできる歴史のある教室である。長い歴史の中では数々の変遷をとげてきたが,2002年4月に新興感染症病態制御学系専攻・感染免疫学講座の中に分子疫学(衛生)分野として改組された。翌年2003年5月に秋田大学医学部微生物学講座教授から転任した中込治教授により、「感染症の分子疫学」,「熱帯医学」,「ロタウイルス」をキーワードにする新しい教室体制が始動しはじめた。このように、当教室は長崎大学の中でも歴史のある教室のひとつであり、長与専斎の衛生学のもっとも正当な後継である歴史的重要性から[旧衛生学]の名称を残している。

構成員
役 職
氏 名
備 考
教 授 中込 治 MD,PhD; 臨床ウイルス学・感染症疫学
准教授 中込 とよ子 MD,PhD; 小児科学・臨床ウイルス学
助教 アラン モハンメッド マハブブ DVM,MSc,PhD; 分子疫学
助教 山口 尚宏 MSc,PhD; プリオン・分子生物学
教務職員 横尾 美智代 MA,PhD: 衛生学・人類学
博士後研究員 プン シャー バハドール MBBS,PhD; 熱帯医学
博士後研究員 佐藤 尊範 MA,PhD; 生物医学情報学
大学院生(博士課程,
2009/04〜)
プニータ ゴウチャン MSc: 臨床微生物学
大学院生(博士課程,
2009/04〜)
チァン ティー グゥエン ホア MSc: ウイルス学
大学院生(修士課程) ドアン ハイ イェン MD: ウイルス学
旧教室員 斎藤  寛 長崎大学・名誉教授
有澤 孝吉 徳島大学大学院・教授(予防医学講座)
大城 昌平 聖隷クリストファー大学・教授
佐々木 早苗  
アハメド カムルディン 大分大学・准教授
内田 隆一 大阪大学・助教
山口 尚子  
ナギポール ハナポシュタニ
モハマドレーザ
イラン医療保健教育省・助教

住所
  〒852-8523 長崎県長崎市坂本1-12-4
TEL:095-819-7063
FAX:095-819-7064