疫学的解析-分子疫学(衛生)
 
教授:中込 治
 
秋田大学名誉教授 (2003年〜)
リバプール大学医学部微生物学講座教授(名誉職員) (2004〜2007)

<プロジェクト>

1. ロタウイルスの分子疫学、熱帯医学の中での展開
  ロタウイルスは途上国を中心とする熱帯地方での5歳以下の小児死亡の病因となる最重要病原体の一つである。また,ヒトロタウイルスの発見は1973年であり,新興感染症のリストでは発見の順でトップにくるウイルスである。ロタウイルスワクチンが世界各地で導入されようとしている非常に重要な時期を迎え,米国CDC,NIH,英国リバプール大学医学部および熱帯医学部などと連携し,長崎大学の中では,熱帯医学研究所の研究者を含めたCOEプログラムの大きな枠組みを通して,ロタウイルスの分子疫学をエビデンスとする疾病制御戦略を構築する研究を行っている。これは教室の主要研究プロジェクトであり,わが国はもとより,アジア(ネパール,バングラデシュ,スリランカ,ベトナム,タイ),中東(イラク,サウジアラビア,トルコ),アフリカ(マラウィ),南米(ブラジル),ヨーロッパ(イギリス)に野外調査定点を維持している。
   
 
  1. Nakagomi O, Koshimura Y, Nakagomi T: Rotavirus vaccine in Japan and Australia. Lancet 353: 1275, 1999.
  2. Nakajima H, Nakagomi T, Kamisawa T, et al.: Winter seasonality and rotavirus diarrhea in adults. Lancet 357: 1950, 2001
  3. Koshimura Y, Nakagomi T, Nakagomi O: The relative frequencies of G serotypes of rotaviruses recovered from hospitalized children with diarrhea: a 10-year survey (1987-1996) in Japan with a review of globally collected data. Microbiol immunol 44, 499-510, 2000.
   
2. ロタウイルスの分子疫学:種間伝播の解明
  ロタウイルスはヒトのみならず多くの動物種から分離される非常に宿主域の広いウイルスである。分子疫学的研究により,動物ロタウイルスがヒトに伝播することを発見するとともに,種間伝播がウイルスまるごとの伝播で起こる場合と遺伝子分節の組換えによって起こる場合があることを明らかにした。
   
  1. Nakagomi O, Nakagomi T: Genomic relationships among rotaviruses recovered from various animal species as revealed by RNA-RNA hybridization assays. Res Vet Sci 73: 207-214, 2002 (review)
  2. Nakagomi O, Nakagomi T: Molecualr epidemiology of human rotaviruses: genogrouping by RNA-RNA hybridization. Arch Virol [Suppl] 12: 93-98, 1996 (review)
  3. Nakagomi O, Nakagomi T: Interspecies transmission of rotaviruses studied from the perspective of genogroup. Microbiol Immunol 37: 337-348, 1993 (review)


医学部業績集:
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/med/intro/gyoseki.html