口腔病原微生物学(歯学部細菌)
 
教授:中山 浩次
 中高年層の歯周病の大半を占める慢性歯周炎の最重要細菌の1つである偏性嫌気性グラム陰性細菌Porphyromonas gingivalisの病原性に関する研究を20年ほど行っている。本菌の分子遺伝学的解析方法の開発から着手し、特に本菌の主要な分泌性タンパク分解酵素のgingipainの病原性への関与を明らかにしてきた。
 また、本菌は真正細菌のCytophaga-Flavobacterium-Bacteroides phylumに入るがこのphylumに入る細菌についての生物学的研究は大腸菌や枯草菌のような他の細菌に比較するとほとんど進んでいない。細菌の特徴である多様性から、P. gingivalisをこのbacterial phylumのモデル生物として研究対象にすることに意義があると考えている。