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長崎大学病院
脳神経外科
教授  永田 泉

長崎大学における脳神経外科診療は当初第二外科にて行われておりましたが、昭和47年に初代教授として森和夫先生が着任され、昭和48年1月に独立した診療科となりました。平成3年からは柴田尚武教授が2代目の科長に就任され、平成15年からは私が担当いたしております。当科では発足当初よりてんかん外科の電気生理学的研究とその臨床応用を精力的になされ、その後も脳腫瘍に随伴する脳浮腫や脳虚血の研究や治療が精力的に行われてまいりました。

脳神経外科で治療される疾患としては、脳腫瘍、脳血管障害(出血や脳梗塞)、頭部外傷が主なものですが、その他先天的疾患(髄膜瘤、水頭症等)やてんかん、不随意運動に対する外科治療も行なっております。最近では脊椎や脊髄疾患に対する外科治療の多くも脳神経外科にて行われるようになりました。平成15年当時、長崎市は全国でただ一つ救命救急センターがない県庁所在地であり、脳卒中のチーム医療も立ち後れた状態でした。その後病院の協力もいただき平成20年には神経内科を始めとする関連診療科と共同でチーム医療として脳卒中の急性期医療を担う脳卒中ケアユニットを立ち上げることが出来ました。現在長崎市で唯一24時間体制で脳卒中の救急患者さんが受け入れ可能な施設となっております。また平成20年には救命救急センターが創設され、脳神経外科医もスタッフとして活躍するようになりました。今後脳卒中や神経外傷の救急医療を担う医師の養成にも力を入れて行きたいと考えております。

脳腫瘍については従来の手術療法や化学療法に加えて定位的放射線療法を先駆的に導入し高い評価を受けています。さらに手足の運動や言語機能を確かめながら脳腫瘍の摘出を行う覚醒下手術や、ナビゲーションシステムを用いた手術などより安全な手術に取り組んでおります。閉塞性脳血管障害(脳梗塞、もやもや病)では内科的治療だけではなく、バイパス手術や血栓内膜切除術が必要になりますがこれらの外科治療に関しても積極的に取り組み手術症例も増加しました。また近年はくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対するコイル塞栓術や頚部頚動脈狭窄症に対するステント留置術などの血管内手術が行われるようになっていますが当科では早期より血管内治療グループを立ち上げ血管内治療の指導医や専門医を擁し多くの症例を扱っています。急性期の血管内治療を行う体制も整えました。脳動静脈奇形に対する手術~定位放射線療法も軌道に乗りました。脊椎・脊髄外科につきましても専門医を育成しており地域のニーズに応えるべく体制を整えました。

脳神経外科疾患においてはわれわれが行っている外科的治療も大切ですが、適切な内科治療がさらに重要です。この点につきましてもさらに関連各科との連携を深め、患者様に最適な医療を提供すべく努力致しておりますのでご相談いただければ幸甚です。
 研究面では脳梗塞における神経幹細胞を利用した再生医療への取り組み、悪性脳腫瘍における放射線耐性の解明、脳腫瘍の蛍光診断~光化学療法の研究、動脈硬化の成因と治療に関する研究、血液脳関門や脳浮腫の解明と臨床応用などに取り組んでおり、明日の医療につなげるべく努力いたしております。

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