角膜移植について

目の不自由な方のために
現在、日本には視覚障害者が約31万人おり、角膜移植を待っている方は、わかっているだけでおよそ2千人います。多くの方々が一刻も早い角膜移植を待ち望んでおられますが、角膜の数が少ないため長期間待たざるをえないのが現状です。
角膜移植の必要性
角膜は黒目の表面を被っている透明な膜で、眼球の一番前にあります。これを通して光が網膜に達して、はじめて物が見えます。病気やケガなどで白く濁ったり、変形したりすると見えなくなります。ということは、目の奥にある網膜や神経が、たとえ健康であっても見えないということです。このような場合、濁ったあるいは変形した角膜を切り取って、そのあとに、透明な角膜を移植する手術が必要になってきます。これを角膜移植といいます。 角膜移植
角膜移植の効果
すべての視力障害者が、この手術で視力を回復できるわけではありません。網膜や視神経の病気の方は適応外です。また、眼球全体を入れ替えることは出来ません。

手術の成功率は90%以上ですが、術後の拒絶反応に対する十分な治療が必要です。
 
角膜移植前(角膜混濁) 移植後
移植に使われる角膜
移植に使われる角膜は、亡くなられた方、または、脳死の判定を受けた方から得られます。角膜さえ透明であれば、目の他の部分に病気があっても、近視や乱視の目でも、またお年寄りの方の目でも差し支えありません。
しかし、感染症や、原因不明で亡くなられた場合などは、使えないこともあります。