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1.設立目的 |
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21世紀に入り、医療に求められる質や内容が変化してきています。病気を治すことがまず最重要課題ではありますが、それだけに留まらず治療後にもあらゆる運動・感覚機能の温存あるいは改善に特に重点が置かれるようになってきました。その背景には医療内容の細分化・専門化・高度化などとともに、急速に進む高齢化社会のニーズ、すなわちQOLの充実の高まりがあります。
人間の大切な感覚である聴覚・平衡機能が低下しますと、「聴こえない」「ふらつく」などの症状が出現して日常生活に多大な支障を来たします。とくに言語を使って高度な社会生活を営む人間にとりまして、難聴は生活の質(QOL)を著しく低下させるばかりでなく、小児では言語や社会性の正常な発達を阻害し、高齢者では引きこもりや欝(うつ)の原因となることもあります。ご存知のように、病気以外でも、たとえば年齢を重ねるとともに聴覚や平衡機能の低下は宿命的に多くの人に訪れます。さらに、これらの機能は、多くの場合一旦低下すると回復が困難です。とくに高齢者ではこれらの機能低下が予防できれば、あるいは低下した機能が少しでも改善すれば、それによるQOLの良好な維持あるいは改善は予想以上です。
長崎大学耳鼻咽喉科は現在までに鼓室形成術や人工内耳手術で国内トップレベルの診療実績を誇っていますが(後記3.参照)、今回これらの感覚器障害に対する治療をさらにより専門的で有機的なチーム医療として推進するために、本センターを立ち上げるに至りました。本機構は難聴に対する総合的な診療体制をとることによりほぼすべての難聴に対応できる医療体制を整え、これにより患者さまへのより良質な医療サービス提供し、同時に次世代に向けて意欲的に難聴診療のスペシャリストを育成することをめざします。 |
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| 2.組織構成 |
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事務局:長崎大学病院耳鼻咽喉科内 |
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センター長 |
高橋 晴雄 |
耳鼻咽喉科教授 |
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副センター長 |
隈上 秀高 |
耳鼻咽喉科准教授 |
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神田 幸彦 |
神田E・N・T医院/長崎大学臨床教授 |
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事務局長 |
福田 智美 |
耳鼻咽喉科助教 |
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スタッフ |
穐山 直太郎 |
耳鼻咽喉科 |
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原 稔 |
耳鼻咽喉科 |
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道祖尾 弦 |
耳鼻咽喉科 |
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山野辺 滋晴 |
共立耳鼻咽喉科 |
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連携診療科 |
第一内科 |
(川上 純 教授) |
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産婦人科 |
(増崎 英明 教授) |
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脳神経外科 |
(永田 泉 教授) |
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放射線科 |
(上谷 雅孝 教授) |
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小児科 |
(森内 浩幸 教授) |
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眼科 |
(北岡 隆 教授) |
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精神科神経科 |
(小澤 寛樹 教授) |
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■ Otology Center (耳科学センター) |
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主任: |
高橋 晴雄 |
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難聴を伴うあらゆる耳疾患の診療を行っています。
難聴を改善する鼓室形成術を中心に、耳、側頭骨の炎症、腫瘍、先天奇形などあらゆる疾患の治療戦略を後述のような各部門との連携により綿密に構築し、最良の手術治療を行っています。とくに、各種慢性中耳炎に対する鼓室形成術では、中耳の生理機能をできるだけ温存し、各自の生理機能に応じた無理のない状態に落ち着く独特の術式をとっているため、術後も再発などが少なく長期的に安定していることが特徴です。
また、下記のような多岐にわたる難聴の治療方針検討など、診療のコントロールセンターとしての役割も担っています。
一部補聴器の機能を兼ね備えた特殊な人工内耳埋込術(信州大学耳鼻咽喉科との共同研究、高度先進医療)も開始しており、近い将来埋め込み式補聴器(Vibrant sounbridge: VSB)の臨床応用などの先進的医療の導入も予定しています。
一方、若手医師の手術手技の習得および向上にも非常に重点を置いており、毎年2日間の側頭骨解剖実習を行っています。テキストとDVDを完備しており、プログラムは講義と側頭骨実習で、側頭骨手術解剖の知識習得には非常に有用なプログラムです。
また、手術中の顕微鏡モニター画像の転送設備が整っており、手術の状況を主任はじめスタッフ全員が共有できるようになっています。 |
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■ Neurotology Center (神経耳科学センター) |
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主任: |
隈上 秀高 |
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聴神経腫瘍、メニエール病を含めたすべての平衡機能障害とそれに伴う聴覚障害に対する診断と手術を含めた治療を行っています。突発性難聴、急性低音障害型感音難聴などの急性感音難聴については最新の知見を踏まえた診断・治療を行っています。
さらに、耳鼻咽喉科領域外の疾患に起因するめまい・平衡障害についても内科、脳神経外科、眼科などと連携しながら診断・治療にあたり、めまい・平衡障害に関する問題を包括的・統合的に取り扱っています。一方、顔面神経麻痺についても的確に診断、予後判定を行い、手術を含めた治療を行っています。 |
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■ Hearing Aid and Cochlear Implant Center (HACIC)
(補聴器・人工内耳センター) |
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主任: |
神田 幸彦 |
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主に小児の先天性難聴の診断や治療を行っていますが、加齢をはじめとするあらゆる原因の難聴を取り扱っています。1.補聴器の適応や器種決定、フィッティング、また人工内耳の適応決定。2.耳鳴りに対して補聴器などを用いた治療(音響療法)。3.当院小児科と協力して遺伝性難聴のカウンセリング(遺伝カウンセリング)を行っています。
また補聴器を装用した小児や成人から小児までの人工内耳埋込術前後の聴覚リハビリテーションを行っています。とくに、小児では、両親・養育者が望んだ場合、聴覚や音声言語の発達を促進させる療育方法を積極的に進めています。今後予定している聴覚電気・音響両用刺激機器や前述の埋め込み式補聴器(VSB)の適応決定、マッピングや補聴器部分の調整も行っています。 |
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■ Oto-Neuroradiology Center (耳科神経放射線センター) |
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主任: |
高橋 晴雄 |
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耳科・神経耳科領域の画像診断、とくにアクセスの難しい耳管、錐体尖部などの病変を3次元的に把握して手術戦略を検討したり、前庭水管・蝸牛水管・内耳道などの難聴に関連する側頭骨の微細構造を詳細に解析して難聴の原因を明らかにして治療方針決定の資料としています。
またポジトロン断層検査(PET)による聴覚中枢、言語中枢の解析を行い、聴覚の正常生理、難聴者での病態の分析から、先天性難聴に対する人工内耳の適応基準の作成などを目指しています。 |
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■ Newborn Hearing Screening Center
(新生児聴覚スクリーニングセンター) |
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主任: |
高橋 晴雄 |
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長崎県では、全国に先駆けて平成15年度より新生児スクリーニングを行っており、現在新生児聴覚スクリーニングの県内の普及率は93%で全国でトップレベルです。それにより早期に診断された多くの難聴児とその両親の療育指導、補聴器適合、コンサルティング、さらには人工内耳埋込術などをこれまで長崎大学耳鼻咽喉科が中心となり精密検査医療機関(国立医療センター・佐世保総合病院・対馬いづはら病院・神田耳鼻咽喉科entクリニック)とタイアップしており、先天性難聴の早期診断・治療を組織的に行っています。将来的にはこれらの疾患の早期発見、予防を目標にしています。
さらにこれらの膨大な症例データから、以下の研究、診療を行っています。
- 先天性難聴の地域による疫学的解析
- 小児難聴の原因として重要な先天性サイトメガロウィルス(CMV)感染症の診断(小児科との連携)、先天性CMV感染の新生児マススクリーニング事業のパイロット研究(小児科および協力産科開業医が厚生労働省科学研究班の一員として実施中)、後方視的診断(臍帯または先天代謝スクリーニング濾紙血検体を利用:小児科で実施)、および症候性先天性CMV感染児への抗ウィルス療法(小児科で実施)
- 難聴遺伝子の診断(信州大学耳鼻咽喉科との共同研究)と遺伝カウンセリング(大学病院遺伝カウンセリング室および小児科遺伝外来)
また、医師だけでなく長崎県下のすべての聴診療従事者の診療レベルの向上のために4年前より年2回、「長崎小児難聴研究会」を開催して全国の著名な難聴診療専門家を招待して講演会を行っており、数年に一度市民講座の形で開催して一般市民に対しても啓蒙活動を行っています。 |
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■ Basic Research Center (基礎研究部門) |
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主任: |
隈上 秀高 |
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大学の特徴として研究にも力を入れています。研究課題は多岐にわたり、スタッフ及び大学院生が研究に励んでいます。 また、海外からも著明な研究者を招き、研究会が行われています。 |
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研究課題: |
乳突蜂巣の発育と抑制の機序の細胞生物学的機序の解明
中耳粘膜再生
真珠腫の病因と病態
自己免疫性内耳性難聴の病因と病態
メニエール病におけるイオン・水・浸透圧チャネルの機能と関与
内耳におけるステロイド受容体の発達と変換酵素の意義
内耳3次元培養を用いた内リンパ水腫形成機序の解明
メニエール病・急性低音障害型難聴におけるSingle Nucleotido Poly morphismの検索
めまい疾患と脳機能(耳石器・重力認知障害と大脳皮質活動) |
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| 3.診療実績(過去2年間の手術実績)(2009年1月現在) |
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■ 中耳手術 |
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鼓室形成術 |
242件 |
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アブミ骨手術 |
18件 |
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その他 |
59件 |
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| ■ 内耳手術 |
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人工内耳埋込術 |
38件 |
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内リンパ嚢開放術 |
3件 |
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聴神経腫瘍手術 |
2件 |
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その他 |
1件 |
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