研究内容

3.カロリー制限におけるNPYの代謝機能解析
 NPYは飢餓状態で増加し、食欲を促進させる役割をしています。NPYの欠損は、自由摂食(AL)させたメスマウスでは脂肪分解を促進し体脂肪量を減少させ、中年期の脂肪代謝の不均衡(炎症反応の増加、脂肪新生の減少、熱の発生の減少)を緩和させる有利な影響を与えることが分かりました (Park S et al, FASEB J, 2014)。しかし、食餌制限(CR)での寿命延長効果及び脂肪代謝のバランス維持にはNPYが必須な要素であることが分かりました(Chiba T et al, Sci. Rep, 2014;Park S et al, Aging Cell, 2017)。




 NPYを中心とした脂肪代謝経路でCRの寿命延長に重要な遺伝子ネットワークの構築及び新しいアンチエイジングと寿命調節に関連する新遺伝子の発掘のために、次世代シークエンス・メタボロム解析を用いた皮下・内臓脂肪でのNPY関連長寿分子・代謝ネットワークを構築し、創薬に発展させ化合物スクリーニングによる抗老化物質開発を目指しています。