子どもの心を育むコミュニケーション学創出
TOP > 概要 > 概要

2008年8月 8日

概要

 いじめ、暴力行為、自殺等の子どものコミュニケーションの障害に起因する問題は年々増加の一途をたどり、いまや35万人を超えています。したがって、子どものコミュニケーション能力が健全であるか否かを客観的に評価し、早期の対応を行うことは緊急の課題であるといえます。
 一方、少子化、核家族化、地域社会の崩壊、女性の社会参画の増加に伴い、育児を学習する機会が減少した結果、適切な親子間のコミュニケーションをとれない親が増加してきました。そのため、親子間のコミュニケーションが破綻し、児童虐待の増加という深刻な事態を招いています。このような時代背景があるからこそ、ヒトを対象とした、母性、父性についての科学的な研究が求められているといえるでしょう。また、親子間のコミュニケーションが破綻すると、明らかに子どものコミュニケーション能力の発達は障害されるので、緊急に予防・改善すべき問題です。
 本拠点形成プロジェクトでは、これらの諸問題を解決するための学問的基盤を整備する為に、医歯薬学・教育学・工学が有機的に連携した、学際的研究体制で以下の事業を推進します。

  1. 子どもと養育者のコミュニケーション能力のタイプ分け、気質の客観的測定技術の開発
  2. 子どもと養育者のコミュニケーション能力タイプの脳・内分泌学的基盤の解明
  3. 「子ども同士」「子どもと養育者」の関係性の客観的評価技術の開発
  4. いじめ・暴力・虐待などの子どもをめぐるコミュニケーションに関連した諸問題や、発達障害の脳・内分泌的基盤の解明と診断技術の開発


 これらの事業は、人文、社会、自然、生命科学の各領域を統合した「子どものコミュニケーション学」という新たな学問分野を創出に繋がるため、学問的発展性は計り知れないものがあります。また、将来的には、医教工連携による技術開発を通して、これまでにない客観的評価技術の開発へと発展させられる可能性があります。また、子どもと養育者のコミュニケーション能力タイプや二者関係(「子ども同士」「子どもと養育者」の関係性)の脳・内分泌基盤に関する最新の知見や新規技術を、医療・教育現場に導入することで、発達障害の病態解明や、虐待予防に繋がるほか、子どもの問題行動を軽減させるなどの社会的波及効果が期待されます。更に、これらの研究開発活動を通して、最新の研究動向に精通した実践家(医師・教師など)、および、臨床・教育現場が抱える諸問題に深い理解をもつ研究者の育成を積極的に推進していく所存です。