ごあいさつ

所感2023 教授:田中克己
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
形成再建外科学
教授 田中 克己

 新年度を迎え、ようやくCOVID-19の制限が緩和されてきました。5月8日から感染症法上の位置付けが2類相当から5類に移行されることで、私たちの日常も徐々に以前に戻りつつあります。
 医局の部屋から窓越しに浦上天主堂の方向に目をやりますと、近くに金比羅山を、遠くには岩屋山を望む風景は変わっていません。この3年間で変わったと言えば、目前の基礎研究棟のある坂本キャンパス1にBSL-4が完成したことでしょうか。
 私が学生として長崎の地を踏んでから早いもので45年が過ぎてしまいました。医学部や病院を取り巻く環境はもとより医学教育や医療制度も時代に応じて変化し、今に至っています。縁あって医学の道を志し、紆余曲折を経て形成外科医としての自分が残っていることに気がつく次第です。振り返ると、若い時に思っていたことのほんのわずかも成し遂げられていません。その一方で次々と新たな課題が降りかかり、それに対する答えを出そうとするもがきが続いています。面白いもので、年齢を重ねるにつれて、そのもがきを少し客観的に見ることができるようになってきました。もう少しだけ「こだわり」と「もがき」が続きそうです。
 新しい仲間も増え、以前にもまして、さまざまな取り組みを続けてまいります。それぞれの道を見つけることができるように願っています。

 最後にご報告です。
2023年4月26日(水)・27日(木)・28日(金)に長崎市の出島メッセ長崎におきまして、第66回日本形成外科学会総会・学術集会が無事に開催されました。『歴史を繋ぎ、未来を拓く』役割を担うことができましたことをこの場をお借りして御礼申し上げます。