江口晋教授
江口晋教授



在任初期5年間を振り返って、そして今後の展望

 2017年は年頭より積極的に諸々の動きを行った。内容は下に示すが、2018年は地に足を付けて実のある仕事をしたいと思う。漢字1字で示すなら堅、英語で言えばSolidという意味で、今後のためにがっしりとした中身のある内容を考えていきたい。東京オリンピックの年には教室が大ブレイクできるように舵をきって行きたい。

 先日、5周年の仕事をまとめた業績集Quinquennial Reportを上梓し、全国の施設、OBの皆さまにお届けした。内容は誌に譲るが、教室員全員で臨床、手術、研究、教育と、全力で楽しみながら取り組んできた証である。また、業績集では目立たせなかったが、「教室初の海外、台湾への医局旅行」、「医局野球二連覇」、「全国外科学会クイズ大会3位」などの福利厚生にも力を入れた。なんでも「折角やるなら楽しんで一生懸命やるしかない」の精神である。現在就任7年目が始まったが、やっと最初の5年間の力の蓄えが活きてきている。本年は再生医療に関する学内の大きな研究費、またAI手術器具に関する厚労研究も採択を得ることができ、空振り続きから脱することができた。また、最初の5年間は中央アジアでの手術支援を中心に国際協力を行ったが、次の5年も教室員と世界で活躍したい。








平成30年8月


診療、研究、教育 そして 地域貢献、国際化

教授就任5年目挨拶 (平成26年5月)

 私が移植・消化器外科の責任者に任命されて5年目を迎えました。

 この4年間でいろいろな事にチャレンジしてきましたが、まだまだ新しい外科治療にチャレンジしていく所存です。どうぞ元気のある若者達、ご参集を。外科手術は勿論の事、他の方面でもいろいろな経験をしてもらいます。皆さんの力を結集して、大きな仕事をしたいと思っています。

 

 外科領域の専門医制度も変革期を迎えております。元来、外科学会が主導する外科専門医制度は非常に整備され、その必要経験手術数、論文学会参加業績、なども他国の外科専門医制度と比べても十分誇れるものと思います。

まずは後期研修中に十分な症例を経験し、この外科学会専門医を取得することを目指します。その後、2階建ての部分、つまり消化器外科専門医、心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医、小児外科専門医と自分の専門に特化していきます。

 次に私たちの教室では、主に消化器外科専門医を取得することを目指します。つまり上部消化管、下部消化管、肝胆膵外科すべてを経験し、消化器外科医として社会に認められ、患者治療に貢献できるように育てていきます。

例えば最初からPDができる訳ではなく、胃の手術を覚え、腸の手術を覚え、再建できるようになってからやっとPDができるようになる訳です。私も今でも胃の手術が一番得意です。

 現在の3階の部分、つまり肝胆膵外科高度技能専門医、内視鏡外科技術認定医、移植認定医などは、まずは消化器外科専門医が必須です。特に長崎では離島を含めた地域医療に貢献する必要がありますが、まずはこの1階、2階の部分で専門医を取得する事が社会に認められた医師として活動できるようになると思います。まずは幅広く勉強し、体験し、判断力、技量を付けましょう。また乳腺・内分泌外科、小児外科を希望の先生は、専門性を極めることができるよう教室、関連病院、留学先で育てていきたいと思います。きちんと責任をもって観ていきます。

 

 私の経験から言うと、自分が外科医として目標とする先輩を見つけ、じっと真似をすることが早道と思います。私も今まで数人の先輩に憧れ、そうなりたいと願い、手術力、判断力、解析力を磨いてきたつもりです。この病院で働きたいからとか、楽をしたいからとかいう話と別次元の事です。折角外科医になったのですから一流を目指しましょう。その道の達人を目指す。特に若いうちは脇目も振らず邁進する時期も必要です。そこまでやってやっと二流になれるのではないでしょうか。最初から二流を目指しては三流にしかなれないと思います。私は、外科学を本気で考え、世界レベルの仕事ができる一流の環境を提供したいと願っています。

教授就任時挨拶 (平成24年1月)

伝統を受け継ぎ、さらなる進化を促す。

 平成24年1月1日付けで長崎大学大学院 移植・消化器外科(第二外科)の第6代教授に就任いたしました。どうぞ宜しくお願い致します。

 移植・消化器外科(第二外科)は、昭和9年に第一外科と第二外科が誕生して以来、78年の歴史があり、その間、古屋野宏平教授、辻村秀夫教授、平井 孝教授、土屋凉一教授、兼松隆之教授と、歴代の5教授が教室を発展させてこられました。私はこの深い伝統を受け継ぎ、さらに現代社会のニーズに合った形に変化、発展させることができるよう、若い力で教室を引っ張っていきます。

 私は平成4年長崎大学卒で現在44歳と、全国大学の外科責任者の中でも若い部類だと思います。経験、知識、スキルは年長の教授方々には劣るかもしれませんが、外科学に対する情熱、志、覚悟、体力は負けません。手術でもまだまだ先頭に立って、牽引する所存でございます。教室、大飛躍の準備は十分にできております。


「地域に根差し、世界に突出する外科学教室」

 大学病院で高難度手術、先進医療を施行することはいまや当然の使命であります。患者さんに寄り添い、患者さんから学び、患者さんの役に立つ研究をし、新しい情報をどんどん発信し、長崎が世界からの注目され、ヒトが集まるようにすることが、大学病院で奉職している我々の使命と考えます。

 文頭の教室訓を胸に日々の診療・研究・教育のみならず、地域貢献・国際化を考えていきたいと思います。現在の患者さんはもちろん、未来の患者さんにも役に立つ外科治療を手掛けようではありませんか。