肝臓の提供を希望される方がおられる場合、その前提条件として親族であり、自らの自由意思で善意の肝提供を希望している必要があります。(親族とは六親等内の血族または三親等内の姻族のことを指します)
また、医学的な条件として、以下の条件を満たす必要があります。
- 全身状態良好で、原則として年令が65才以下
- 肝炎ウィルスマーカー陰性で肝機能正常
- 活動性の感染症がない
- 悪性腫瘍の既往がない、またはあっても治癒したと判断される
- 部分肝が解剖学的に提供可能で、提供予定の部分の大きさが充分である
- 高度の脂肪肝がない
- 生体肝移植術と肝提供手術につき、その合併症、危険性と限界につき十分承知している
|
なお、患者様の年齢が2才以下の場合は、血液型が不一致(輸血できない組み合わせ)でも移植の成功率に差がないため、積極的に考慮します。また成人で血液型が不一致でも、様々な工夫により肝移植成績が向上しており、現在、当科でも血液型不適合肝移植を行っております。また、B型肝炎にかかったことのある方でも、現在、治癒していれば肝臓提供は可能です。ただし、事前に詳しい検査が必要となります。
欧米ではドナー(臓器提供者)の死亡率が約1%と報告されています。わが国ではドナーが臓器提供手術後に肝不全をきたし死亡した事例が1例あります。この原因はドナーが非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)であった事があげられています。このため、ドナーの肝臓に脂肪肝の存在が疑われた場合には厳しく術前評価を行うことが求められます。 |