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前立腺がん:ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RALP)

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術とは
(Robot-assisted laparoscopic radical prostatectomy:RALP)

前立腺全摘除術は前立腺癌の標準的な根治治療の1つです。現在長崎大学では前立腺全摘除術をロボット支援下に行っています。
手術支援ロボット(DaVinci)はストレスの少ない、より複雑で細やかな手術手技を可能としており、また3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲の少ない手術が可能となります。このロボットの支援下に行う手術として最初に認可されたのが前立腺全摘除術でした。
前立腺は膀胱の出口で尿道を取り巻くように存在しているクルミ大の臓器で、精液の一部を作る役割があります。
前立腺癌に対する前立腺全摘除術は通常前立腺と精嚢を摘除するもので、尿道がいったん切断されるため前立腺の摘出後に膀胱と尿道をつなぐ(吻合する)必要があります。
前立腺全摘除術のあとは尿失禁が問題となります。RALPにおいては術中の出血量が少なく、術後の尿失禁も少ない傾向にあり、患者さんの負担が少ない低侵襲治療といえます。

長崎大学の実績

長崎大学では2014年9月よりRALPを導入しました。現在までに270例の手術実績があります。グラフに示すように、RALPの件数は毎年増加傾向です。
これまで前立腺全摘除術を行う際には患者さん自身の血液をあらかじめ保存しておき、自己血輸血を行っていました。これは出血量が多かったためです。腹腔鏡手術の際にも一部の症例では自己血輸血を行っていました。ロボット手術では出血量が少ないため、初期の症例を除き自己血輸血は行わなくなりました。
長崎大学でのRALPの平均出血量は258mlでした。
また術後平均入院期間は7.7日であり、76%の患者さんが術後7日以内に退院されていました。
RALP術後には尿失禁が問題になります。従来の手術法と比較してRALPでは尿禁制率が改善することが知られています。
長崎大学では術後3カ月の時点で82.7%、術後6カ月の時点で96%の患者さんが尿失禁が改善しておられました。