長崎大学医学部
カダバーサージカルトレーニングセンター
Nagasaki University School of Medicine,
Cadaver Surgical Training Center
≪ 本センターの理念と経緯 ≫
長崎大学医学部医学科は,ポンペの言葉「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたびこの職務を
選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく,病める人のものである。もしそれを好まぬなら、他の職業を選ぶ
がよい。」を建学の基本理念とし,深い医学知識と豊かな創造性,高い倫理観を身につけた医師及び医学者を育成するこ
とを目標としています。これらすべてを実現すべく、篤志献体団体長崎大学余光会会員様のご賛同の下、2017年度よ
りご遺体を使用した医師・歯科医師による手術手技研修を開始しました。また、2018年度にはご遺体を使用した医師・
歯科医師による手術手技研修を支援する部署であるカダバーサージカルトレーニングセンターを設置しました。2023
年度には、長崎大学病院敷地内に手術室と同じ機能を備えた臨床解剖実習室が竣工しました。
長崎大学医学部カダバーサージカルトレーニングセンターでは、「死体解剖保存法」、「医学及び歯学の教育のための献
体に関する法律」、「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」、および大学が定める規定を厳格に遵守
し、医学部肉眼解剖学教室と連携のもと、医師および歯科医師によるご遺体を用いた手術手技の研修および研究を推進
しております。当センターにおける教育および研究は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会の承認ならびに
医学部解剖体を用いた臨床手技研修委員会の承認を経て実施され、日本外科学会CST推進委員会への報告を行ってお
ります。
≪ カダバーサージカルトレーニング で行っていること ≫
昨今の臨床医学の発展に伴い、日々さまざまな手術・検査が行われています。新たな手術手技や検査方法は、病に苦しむ方々に対し時として多大な恩恵をもたらし、手術による治癒が唯一の選択肢である疾患に対しても、新たな希望の光を照らす役割を果たし得ます。このような手術手技・検査手技を習得・確立するために、また次世代を担う若手医師に継承するために、ご遺体を使った医師・歯科医師による手術手技研修(カダバーサージカルトレーニング)の必要性が認識されています。複雑で多様な構造の人体に対して行う外科手術手技研修は、手術を行う場合と同じ状況で実施することが最も効果的です。手術時の事故をなくし、患者さんの負担を軽減し、早期回復を図る上でも重要です。
篤志献体団体長崎大学余光会にご登録の上、カダバーサージカルトレーニングの実施にご同意いただいた会員様が献体された場合、ご遺体を用いて外科手術に関する教育・研究を行い、医師および歯科医師の手術手技の習得ならびに継承、さらには学術的研究に活用させていただくことがございます。
長崎大学医学部カダバーサージカルトレーニングセンターでは、下記の3点を研修の実施の目的・意義とし、篤志により献体いただいたご遺体を用いた、医師・歯科医師による手術手技向上研修を執り行います。
@ 基本的な手術手技の向上と医療安全の向上を目指す。
A 先進的で高度な手術手技教育による高度医療の一般化に寄与する。
B 医療技術・医療機器の開発研究により、我が国の医療技術の更なる向上を目指す。
≪ 研修等実施実績 ≫
≪ 関連法令・関連ホームページ ≫
◆「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」について(日本外科学会CST推進委員会)
◆ 臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン(日本外科学会・日本解剖学会)
◆ 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律(e-Gov)
≪ 規定・献体について ≫
◆ 長崎大学医学部における解剖体を用いた臨床手技研修に関する内規
≪ スタッフ ≫
センター長: 村 敬子 (肉眼解剖学分野 主任教授)
准教授: 佐伯 和信
講師: 遠藤 大輔 (肉眼解剖学分野 講師)
≪ アクセス ≫
長崎大学病院「被ばく医療総合研修センター」3階 ←地図はクリックしてください
≪ 連絡先 ≫
TEL:095-819-7023
(医学部肉眼解剖分野)
FAX:095-819-7024
篤志献体団体長崎大学余光会の資料請求、お問い合わせ先
TEL:095-819-7180(平日9:00―16:00)