中尾 康彦 |
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現在私が携わっているプロジェクトについてご紹介いたします。私が所属するハルミート先生のラボはNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)やアルコール性脂肪肝の肝細胞やマクロファージの小胞体ストレスと細胞外小胞(エクソソーム)についての研究を7人のメンバーで行っております。メンバーはインド、中国、韓国、アメリカ人のアジア圏よりのラボになります。毎週一回のミーティングでデータを提示し、指示をもらうスケジュールで実験を行っております。私のプロジェクトは現在6つあり、NASHの新規バイオマーカーを開発することが目的です。メインはNASHモデルマウス肝細胞株からのエクソソームを抽出し、質量分析およびデータ解析を行っています。最終的にヒトNASH血清で同様の実験を行う予定です。特に質量分析に適したエクソソーム抽出方法の開発の際にはメイヨー内の別ラボの共同研究者にも恵まれ、お互いにできる技術を提供しあうことの大切さを学びました。その他にもRNA-Seqおよびリピドミクス等の解析に取り組んでおります。バイオインフォマティクスのデータ解析にはプログラミング言語のR言語やPython言語が有用なこともあり、ヒートマップや主成分解析、tSNE解析といったdata visualizationの基本的なテクニックを学んでいます。近年エクソソームは細胞間コミュニケーションツールとして注目されてきており、エクソソーム内のある特定の蛋白群がNASHにおいてどんなトピックを示しているかを明瞭化し早期診断に繋げたいと考えております。また、マウスのTail injectionや初代培養肝細胞精製、骨髄からのマクロファージ培養等のテクニック等を勉強中です。 私生活ではメイヨー日本人会という日本人の集まりに渡米当初から助けて頂きました。特に体調を崩してからは健康のために日本人の筋トレ部に所属しました。始めた当初はベンチプレス20kgの棒ですら厳しかったですが、現在Max80kgまであげることができるようになり、仲間と習慣の大切さを実感しております。また、メイヨー日本人会の幹事の仕事では日本全国からメイヨーに新しく来られる先生方との交流を通して、日々いい刺激を頂き、人と人とのつながりの大切さを学んでおります。 |