長崎大学「原爆復興80周年記念事業」

ご挨拶

教授:宮﨑泰司
長崎大学医学部長
池松 和哉
 私たち長崎大学医学部は、原爆投下から80年という節目を迎えました。80周年記念事業では「継承と行動」というテーマのもと、私たちの医学部が原爆によって壊滅的な被害を受けた過去に深く向き合い、その悲劇と教訓を未来へとつなげていく意義を改めて見つめ直します。80年前、長崎の地に落とされた一発の原爆は、私たちの医学部に大きな傷跡を残しました。しかしその試練を乗り越え、医学部は再建され、平和と医療に貢献する道を進み続けてきました。
 現在、直接の原爆体験を語る世代が少なくなる中、長崎大学医学部では「追憶」を通じて、原爆の記憶と核兵器の非人道性を発信してきました。本事業では「追憶」を英訳し、世界中に向けて平和のメッセージを届ける取り組みも行っています。被爆地としての使命を担う私たちが、広く国際社会とともに核廃絶の意義を共有するために、こうした発信活動は欠かせないものと思っています。
 また、昨年の日本被爆者団体協議会のノーベル平和賞受賞は、核兵器廃絶への一層の国際的な関心と行動を喚起するものでありました。私たちも「継承と行動」をテーマに本事業の一環としてシンポジウムを開催し、原爆の記憶を次世代に継承し、核のない世界を目指して行動を起こすための道を模索してまいります。
 原爆80周年という大きな節目にあたり、長崎大学医学部は平和のための歩みを止めることなく、医療と教育を通じて核廃絶の実現に向けた行動を続けていく決意です。
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