スタッフ

教 授: 由井 克之
教授:由井克之
Katsuyuki Yui, M.D. Ph.D.
E-mail katsu@nagasaki-u.ac.jp
プロジェクト

1. マラリアの感染免疫とワクチン開発の基礎研究
  マウスマラリアモデル(Plasmodium yoelii、Plasmodium berghei)を用い、マラリアにおける免疫修飾機構の研究、肝細胞期、赤血球期のワクチン候補抗原の同定とワクチン投与法の研究を行っている。Hsc70との融合組み換え蛋白により効率よく抗原がMHCクラスI抗原提示経路でCD8+ T細胞を誘導できること、この方法を用いてマウスマラリア抗原MSP1を免疫することにより、マラリア感染に対して肝細胞期でのワクチン効果を示した。
モデル抗原を発現する組換えマウスマラリア原虫を作成し、T細胞受容体トランスジェニックマウスとの組み合わせでマラリア感染における宿主T細胞応答の修飾や抑制の機構の解明に取り組んでいる。


2. 免疫系の機能制御におけるIRF-4の役割
  転写因子IRF-4は、免疫系(リンパ球・マクロファージ・抗原提示細胞系)に特異的に発現する転写因子であり、自然免疫と獲得免疫両者の制御に重要な役割をもっている。T細胞においては、Th2への機能分化に必須であることを明らかにした。樹状細胞においては、特定のサブセットに発現され、これら樹状細胞の分化に必須の役割を果たすことを明らかにした。また、マクロファージ等のtoll like receptorの刺激伝達系においては抑制性の機能を有することを明らかにした。IRF-4に関する研究は、感染防御因子解析学の松山教授との共同研究である。


3. T細胞応答性制御の分子機構
  トランスジェニックマウスやノックアウトマウスを用いてT細胞活性化制御の研究を行っている。T細胞受容体トランスジェニックマウスにin vivo でT細胞不応答性を誘導し、T細胞不応答性維持の分子機構を解析した。T細胞活性化の制御においてMAPキナーゼp38分子が重要な役割を担っていることを明らかにした。


4. 抗原提示機構の研究
  MHCクラスI抗原提示経路に関わる分子シャペロンの役割に関する研究。旧メンバー(助教授)であり、現在理化学研究所 免疫・アレルギー総合科学センター チームリーダーの鵜殿平一郎博士との共同研究である。
備 考 (共同研究可能な技術およびプロジェクト)

  ・薬剤標的となるT細胞活性化制御を担う候補分子の評価
・T細胞のTh2、Tr1への分化
・マラリアの感染免疫
・ワクチン投与法の開発と評価