ごあいさつ

所感2025 教授:樫山和也
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
形成再建外科学
教授 樫山 和也

2024年10月1日付で、長崎大学形成外科の教授を拝命いたしました。これまでの道のりを支えてくださった多くの皆様に、心より御礼申し上げます。

就任から5か月が経過した今、日々の業務の中で、改めて多くの学びと気づきを得ています。私は医師となって以来、約20年にわたり形成外科の臨床・教育・研究に携わってまいりました。大学病院における医局運営、人材育成、関連施設との連携、専門医制度など、様々な側面から医療の現場を見つめてきましたが、実際に組織の責任を担う立場となった今、これまで以上に課題の複雑さと責任の重みを実感しています。

その一方で、周囲を見渡せば、そこには若い世代の医師たちが目を輝かせながら日々研鑽を積む姿があります。彼らの情熱と真摯な姿勢に触れるたび、私はこの職責の意義を再認識し、自らの歩みを前向きに進めていく力をもらっています。

医療の現場には、常に解決を要する課題があります。しかし、それらはただ時間の経過を待つだけでは決して解決されません。だからこそ私たちは、「知恵を絞り、深く考え、そして自ら行動する」ことを忘れてはならないと考えています。

歴史を振り返れば、物事を動かしてきたのは「try(試みた者)」ではなく、「do(実行した者)」であることは明白です。

私が好きな言葉に、映画『スター・ウォーズ エピソード3』に登場する次の一節があります。

"I will do what I must."
"You will try."

この言葉には、「やるべきことをやり抜く覚悟」と「試みるだけでは足りない」という覚醒が込められています。医療という現場において、私たちは常に何かを“やりきる”覚悟を持たねばなりません。

これから医師としての道を歩み始める皆さんには、どうか恐れずに実行する力を持ち、自らの信じる医療を一歩ずつ築いていってほしいと願っています。

私自身も、まだ道半ばです。ともに学び、ともに悩みながら、より良い未来を目指して進んでいければ幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。