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2014年4月より、神奈川県立こども医療センター放射線科に国内留学させて頂いております、榎園です。
2006年に長崎大学放射線科に入局し、卒後10年目での国内留学となります。私はそれまで主に神経放射線をsubspecialtyとし、画像診断全般に携わって参りましたが、小児神経画像診断の第一人者でいらっしゃる相田典子先生の下で研鑽を積みたく思い、現在も引き続き国内留学させて頂いております。
相田典子先生は小児神経領域の教科書を多数執筆され、国内のみならず海外においても講演の依頼が絶えない、大変ご高名な先生です。私が国内留学させていただきたいと思ったきっかけも、長崎で開催した日本医学放射線学会秋季臨床大会で先生の御講演を拝聴したことでした。
神奈川県立こども医療センターは小児専門病院で、小児領域の経験を積むために全国各科から国内留学生がたくさん集まってきます。私のように卒後10年以上の医師でもシニアレジデントとして勉強しに来られる方も稀ではありません。症例が豊富なことに加え、指導医の先生方の専門性の高さがその理由と考えられます。
長崎大学放射線科医局と相田典子先生との関係は実は今回が初めてではなく、十年以上前に遡ります。現在は佐世保市立総合病院放射線科科長でいらっしゃる犬塚理子先生と、大村市立市民病院放射線科科長でいらっしゃる進藤美智子先生の御二方が国内留学されていた経緯があり、その時からのお付き合いになります。そのため、相田典子先生には今回の国内留学も温かく迎えて頂きました。
こちらでは小児専門病院ならではの非常に珍しい疾患を多数経験することができ、また今まで教科書や文献を読んでもなかなかしっくりくる診断が浮かばなかった所見でも臨床経験豊富なスタッフの先生方に基礎から丁寧に指導して頂き、貴重な経験をさせて頂いております。放射線科診断専門医を取得してからは、じっくり上級医に指導して頂くことは通常ありませんので、大変有難い機会だと思っております。また、毎月第二水曜日の夜に東邦大学大橋病院のカンファレンス室で開催される小児放射線勉強会では定期的に症例提示を行っており、国立成育医療研究センターや埼玉県立小児医療センターなど関東の小児専門の先生方と交流する機会もあります。これとは別に、神経放射線領域では毎月第二あるいは第三土曜日の午後に八重洲で開催されるNR懇話会というカンファレンスもありますので、関東での人脈も広がり、刺激を頂いています。さらに今年は北米放射線学会(RSNA)や日本磁気共鳴医学会大会、日本神経放射線学会等での学会発表や小児放射線学会雑誌での原稿執筆もさせていただきました。
こちらでの国内留学生活も残り数ヶ月となりました。改めまして、この機会を与えてくださった長崎大学放射線科の上谷雅孝教授および医局の先生方に深謝致します。 |
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写真上. 神奈川県立こども医療センターに設置されているSPECT/CT装置。海をイメージしたイラストが印象的。
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写真左. 放射線科スタッフの先生方と。筆者向かって左後方。 |
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