HOME > 医療機関の皆さんへ > 診療内容と実績 > ②ロボット支援下腎部分切除術

②ロボット支援下腎部分切除術

腎部分切除術とは

腎癌に対する術式を大きく分けると、根治的腎摘除術と腎部分切除術になります。腎部分切除術とは、腎の正常部分を残し、ほぼ癌だけを切除する手術です。癌が小さい場合や、反対側の腎機能が低下している場合が適応となります。
この手術は腎臓に切り込むため、腎臓への血流を止めている(阻血)間に、癌の切除・切除部の縫合を行うことになります。また阻血時間が長くなるにつれて腎臓のダメージが増すため、切除・縫合は短時間で行わなければなりません。以前は、開腹手術で行っていましたが、2012年より腹腔鏡下に行うようになりました。腹腔鏡下での手術は、開腹手術と比較して傷が小さい、出血量が少ない、などの利点がある反面、手術全般の操作が難しい、阻血時間が長くなる傾向がある、など課題がありました。

RAPNとは

腎部分切除術を、手術支援ロボット(ダヴィンチ・システム)を用いて行う術式です。
ロボット支援手術では、三次元の立体的な画像を見ながら腫瘍と臓器の位置関係を正確にとらえることができ、腹腔鏡手術の鉗子と異なり関節の自由度が高いロボット鉗子を用います。これにより腹腔鏡同様の小さな傷と少ない出血量で、精密な切離・正確な縫合を素早く行うことができ、阻血時間の短縮が可能になります。その結果、高い治癒率と、腎機能温存および合併症軽減を両立できるようになりました。

治療成績

長崎大学では、2016年度よりRAPNを導入し手術件数は年々増加傾向です。
従来の開放手術や腹腔鏡下手術と比較して、阻血時間は明らかに短縮され、腎機能温存率(術前後の比較)が平均90%以上です。術後約1週間で退院でき、退院後は手術前とほぼ同じ生活を営むことができます。