排尿障害:TVM手術

TVM手術とは

骨盤臓器脱は膀胱、膣、直腸などの骨盤臓器を支える組織が弱くなることが原因で発生します。有効な薬物療法はなく、治療の基本は手術療法になります。
TVM手術とは下垂した臓器をメッシュでハンモックのように支えて治療する手術方法のことです 。
メッシュと呼ばれる編み目状の膜を膣と膀胱の間、または膣と直腸の間に埋め込みます。メッシュは身体の中で分解や吸収をされずに残り、骨盤臓器の支持組織を補強します。膣から膀胱が脱出する膀胱瘤では膣と膀胱の間 (A-TVM手術)に、膣から直腸が脱出する直腸瘤では膣と直腸との間(P-TVM手術)にすきまを作って、メッシュを膣壁との間に挿入します。またメッシュの一部は骨盤内の強固な部位(靭帯)に通してメッシュの位置がずれないようにします。膣から子宮が極度に脱出する完全子宮脱や、その他重度の症例では、前腟、後腟のメッシュ手術を同時に行います。メッシュは膣の壁の一部となって強固な支えの役割を果たします。
この手術方法は、子宮を温存し膣壁も切除しないため、手術後に膣の状態が本来の自然な形態に復帰することです。術後の痛みが軽度で、子宮を摘出しないことから身体への負担も少ないため術後の快復が速やかです。メッシュの強度も高く、再発率も5%程度と低いと考えられています。

出展:竹山政美 編著: 新・女性泌尿器科テキスト
(メディカ出版)
より引用

長崎大学の実績

  • 2013年:23例
  • 2014年:13例
  • 2015年:18例
  • 2016年:15例
  • 2017年:4例
  • 2018年:6例