スタッフ紹介

准教授: 大仁田 賢 (光学診療部)
准教授:大仁田賢
大仁田 賢 (おおにた けん)
Ken Ohnita, M.D., Ph.D.
卒 業: 長崎大平成6年 (学生時代は軟式庭球部)
出 身: 長崎県立長崎東高等学校出身
専 門: 早期胃癌・早期大腸癌の内視鏡診断・治療、胆膵疾患の内視鏡診断・治療
研 究: 早期胃癌の拡大内視鏡による表面構造、血管網の解析
胃MALTリンパ腫の拡大内視鏡による表面構造、血管網の解析
早期胃癌、早期大腸癌の内視鏡治療
胆膵疾患の内視鏡診断・治療
EUS-FNAを用いた診断・治療
早期胃癌の光線力学的診断
資 格: 日本内科学会 専門医、指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医、指導医
日本消化器病学会 専門医、指導医
日本消化管学会 認定医
日本ヘリコバクター学会 認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
略 歴:
平成6年 長崎大学を卒業し、長崎大学第二内科入局。
平成9年 国立嬉野病院(現嬉野医療センター)、佐世保市立総合病院で2年目の研修。
平成8年 消化器内科医として泉川病院、佐世保市立総合病院勤務。
平成10年 長崎大学病院第二内科 医員
平成12年 長崎市立病院成人病センター内科 医師
平成13年 北松中央病院内科 医長
平成16年 長崎大学病院第二内科 助手
平成18年 長崎医療センター消化器科 医長
平成19年 長崎大学病院第二内科 助教
平成21年 長崎大学病院消化器内科 助教
平成23年 長崎大学病院消化器内科 病院講師
Mayo Clinic
抱 負:

平成25年度を振り返って:

2年間の医局長業務が終了しました。同門の先生方にはいろいろとご迷惑をおかけしたかと思いますが、ご協力いただきありがとうございました。この2年間で27名と多くの先生に入局していただき、勧誘に協力していただいた先生方には大変感謝しております。個人的には学術面で少しさぼっていたところがありますので、今年は業績を増やせるよう頑張りたいと思います。
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留学体験記 その1

大仁田 賢

 

 今回、「海外派遣による自立した若手生命医療科学研究者育成支援プロジェクト」という企画で2ヶ月間アメリカのMayo clinicに短期留学の機会をいただきました。Mayo clinicを選んだ理由は、まず胆膵領域(特にEUS)の勉強をしたいと思ったこと。EUSで有名な病院のうちどこに行くかと考えた時に、ダウンタウンに近く車なしでも生活できること、先輩の磯本先生、同僚の赤澤先生が以前留学しており、磯本先生の橋渡しで比較的簡単に受け入れをOKしてくれたことがあります。磯本先生ありがとうございました。
 Mayo clinicは1846年ミネソタ州ロチェスターに開設された病院で、フロリダ州、アリゾナ州にも支部を置いています。常に全米で最も優れた病院のひとつに数えられている病院で、2010年度のランキングでは総合第2位、消化器部門では第1位となっています。
 6/20日本を出発し、不安を抱えながら成田空港からセントポール国際空港に直行便で到着。入国審査で入国の目的、滞在期間、滞在場所、所持金など想定質問に答えたつもりでしたが、なぜか別室へ行けとの指示がありました。そこでしばらく待たされ、同じような質問をされたあげく、Mayoからの受け入れの手紙を見せるようにと言われ、たまたま機内持ち込みのリュックの中に入れていた手紙を見せようやくパス。予約していたロチェスター行きのバスにぎりぎり間に合い、約1時間半バスに揺られロチェスターに到着しました。ロチェスターは小さな町で、大きな建物はほとんどがMayo clinicのビルと、駐車場、ホテルで、Mayo clinicで成り立っているような町でした。バスを降りバスの運転手にホテルの場所を聞いたところ、自分の発音が悪かったのか同じ系列の別のホテルの場所を教えられ、ホテルのフロントでここではないと言われさらに不安が増しました。前途多難な立ち上がりでしたが、フロントの人が親切に地図をくれて説明してくれ、なんとか目的のホテルにチェックインできました。ホテルは長期滞在者用でキッチン、冷蔵庫、電子レンジ、ソファーも付いており2ヶ月であれば問題なく過ごせそうな部屋でした。
 仕事の話に移りますが、Mayo clinicの消化器内科は約10個のグループに分かれており、今回お世話になるのはAdvanced Endoscopy というグループです。ここでは主にEUSでの診断・治療、ERCP、消化管狭窄に対するstenting、Barrett食道の治療などを行っています。ボスのDr. Levyは主にEUS、その他ERCPを専門にしていますのでEUSを見せてもらいながら時々ERCPも見学しています。ここでは毎日EUSが8~12件(2部屋)、ERCPが4~6件(1部屋)組まれており、その日の担当医師が決まっています。EUS担当の医師は朝から夕方までEUSを4~6件担当します。検査開始は朝8時と早いのですが、16時頃には終了するので、自分の担当の検査が終了すれば帰っていいようです。こちらではEUSはほとんどコンベックス型を用いており、ラジアル型はほとんど使っておりません。症例は膵腫瘍、慢性膵炎、進行癌のリンパ節腫大の精査などが多く、生検目的のEUS-FNAは毎日のようにあります。また、EUSを用いた腹水穿刺や膵仮性嚢胞ドレナージ、腹腔神経叢ブロックも見せてもらいました。ERCPもその日の担当医師が朝から夕方までERCPを行っています。症例は胆管癌に対するステント挿入や総胆管結石のESTに加え、肝移植後の患者さんが多いようで、吻合部狭窄の拡張、チューブステントの入れ替え、シングルバルーン内視鏡を用いた胆管空腸吻合部の拡張術などがあります。日本との違いはERCPに関してはほとんどが全身麻酔で挿管された状態で行われています。またEUSに関しても症例によっては全身麻酔で行われています。全身麻酔ではない検査も全例sedationをかけています。また、アメリカ人は内視鏡がうまくないという話もよく聞きますが、決してそういうことはなく指導する立場の先生はEUS、ERCPとも上手です。ただし、どの先生も親切に説明してくれるのですが、自分の英語力がないために十分に理解できていないのが難点です。赤澤先生くらい英語力があればもっと何倍もためになったものと思いながら、普段から英語を勉強しておくべきだったと反省しています。細かいこつなど聞けないので、何とか盗めるところは盗めるように頑張りたいと思います。
 日常生活に関しては、こちらには日本人留学生が比較的多く、特に赤澤先生が留学していたときの友人が残っており、非常によく面倒をもらっています。歓迎会、食料の買い出し、メジャーリーグの試合観戦、カヤックでの川下り、バーベキューなど企画してもらい楽しく過ごしています。またメールやSkypeで赤澤先生にいろいろと助けてもらい、いい後輩を持った幸せとインターネットがなかった時代に留学された先生方の苦労は並大抵のものではなかっただろうと実感しています。
 現在約1ヶ月が経過し、今後少しは英語がわかるようになるのか全く進歩がないのかわかりませんが、残り1ヶ月間楽しみたいと思います。人手不足で忙しい時期に留学させて頂き、中尾教授はじめ医局の先生方に感謝いたします。

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