目 次
大学等における実験動物の取扱いに関する安全管理の徹底について
(通知)
Bウイルス抗体調査結果に対する「国動協バイオハザード小委員会」の「見解」
平成8年
国動協配布資料「Bウイルス関係参考資料」(国動協より)
文献リスト (訳)
疫学(発生事例報告等)関係
血清学的診断関係
遺伝子診断・遺伝子治療関係
化学療法関係
SPFサルコロニー樹立関係
その他の文献
9学情第 18号
平成9年5月23日
各 国 公 私 立 大 学 長
各大学共同利用機関長 殿
文部省学術国際局学術情報課長
大学等における実験動物の取扱いに関する安全管理の徹底について
(通知)
大学等における動物実験の実施に関しては、「大学等における動物実験について」(昭和62年5月25日付け、文学情第141号)によって特段の御努力をいただくとともに、特に人獣共通感染症については、「動物実験における人獣共通感染事故の防止について」(昭和54年4月25日付け、文学情第161号)及び「流行性出血熱
(韓国型出血熱)予防指針等について」(昭和56年7月10日付け、文学情第215号)で、関係職員等の健康安全管理等に十分留意するようお願いしてきたところです。
今般、「国立大学動物実験施設協議会バイオハザード対策小委員会」が別紙1のとおり実験用サルについて人獣共通の感染症であるBウイルスの抗体検査結果を取りまとめました。それによれば、実験動物の適正な飼育管理の確保について改めて徹底を図る必要があると考えられます。
ついては、貴学 (機関)において、とりわけ実験用サルに関する飼育及び実験が行われている各施設、部局等の関係職員等に対して、別紙2の「国立大学動物実験施設協議会バイオハザード対策小委員会」が取りまとめた留意事項の周知徹底を図られ、関係者の健康安全管理に遺漏のないよう、特段の御配慮をお願いします。
(別紙1)
Bウイルス抗体調査結果について
国立大学動物実験施設協議会
バイオハザード対策小委員会
今回文部省科学研究費補助金により我が国の動物実験施設協議会傘下 (31施設)について、平成8年8月から同年12月までの期間にマカカ属及び非マカカ属の計962検体を収集し、社団法人「予防衛生協会」でBウイルス抗体検査を行った。
その結果下記のようなデータが得られた。
1. 上記期間中に総数 962検体 (31機関)のサルの血清が収集された。
2. Bウイルス抗体調査結果
・ 総合結果: 384/962 (40% 抗体陽性)
・ サル種別結果
マカカ属: 380/947 (40% 抗体陽性)
(抗体陽性率)
カニクイザル: 57/96 (59%)
アカゲザル: 102/191 (53%)
タイワンザル: 5/14 (36%)
ニホンザル: 211/629 (34%)
その他のマカカ属 5/17 (29%)
非マカカ属: 4/15 (27% 抗体陽性)
(別紙2)
サルを使用した動物実験における人獣共通感染症 (特にBウイルス)の防止に関する留意事項
国立大学動物実験施設協議会
バイオハザード対策小委員会
サルを使用した動物実験における人獣共通感染症感染事故、例えばBウイルスなどの感染事故を防止するためサルの取扱いについて基本的事項を徹底し、少なくとも次の諸点を遵守するよう、関係者に周知願いたい。
1 サルの入手に当たっては次の事項に留意すること。
(1) 新たに入手したサルの一般的健康状態の把握
(2) Bウイルス抗体の有無
2 サルの検疫、飼育、実験に携わる者は次の事項を励行すること。
(1) サルは個別ケージ、可能であれば挟体付きケージに収容
(2) 専用マスク・実験衣・手袋・履物の使用
(3) 飼育器材の定期的消毒及び洗浄
(4) 咬傷、ひっかき事故の防止
(5) 実験使用後の機器、資材の消毒、滅菌
(6) サル由来の組織、血液等の慎重な取扱い
(7) 救急箱の常備
(注) 免疫抑制、レトロウイルス感染実験、あるいはストレス付与実験等により
Bウイルスの活性化を招く恐れのある実験を行う時は、特に上記に留意すること。
3 動物飼育管理及び動物実験を行う施設等においては特に次の事項に留意すること。
(1) サルの逃亡防止
(2) 確実な麻酔
(3) 飼育・実験関係者以外の立入制限
4 動物実験に従事する者が咬傷、ひっかき等サル由来の怪我をした場合は、速やかに医師の診断を受けるとともに、施設に報告すること。
5 実験動物飼育管理者及び実験従事者に対して、予防に関する安全教育を徹底するとともに、定期的に健康診断を実施し、関係者の健康安全管理に遺漏のないよう留意すること。
6 その他CDCガイドライン (Guidelines for the Prevention and Treatment
of B-virus infections in Exposed Persons; Clin. Inf. Dis., 20: 421-439,
1995) をはじめ、Bウイルスの詳細については、以下のウェブサイトを参照すること。
Bウイルス抗体調査結果に対する本小委員会の「見解」
平成9年5月8日
バイオハザード対策小委員会
「まえおき」
このたび、国立大学動物実験施設協議会 (以下、国動協と略) 会員施設を対象とした平成8年度科研班
(施設飼育実験用サルにおけるBウイルス感染の実態調査、班員: 国動協バイオハザード対策小委員会委員及び予研・霊長類センター長、班長:
佐藤 浩) によるサルBウイルス抗体調査結果が本協議会総会で報告されます。本小委員会としてはこのたびの調査結果に鑑み、以下のような「見解」を示します
が、その前に、本小委員会としての立場を前置きかたがた若干説明しておきたいと思い
ます。
一般的に、実験動物にほぼ共通することですが、動物実験に使用される実験動物は、それらが捕獲動物、あるいは
捕獲動物由来であると否とにかかわらず、動物実験に際しては、人獣共通感染症によるバイオハザードの危険性が絶えず付随することは避
けられないことであります。昨今のエマージングあるいはリ・エマージング感染症をも考慮
して、例え病原体が検出されなかったといえども、あらゆるもの (未知のものを含めて)
について検査されたものではないことでもあり、充分な注意が必要です。
一方、バイオハザード防止に関しては、これまでにもすでにいくつかの対策マニュアルが存在し、
それらを参考にして各機関 (動物実験委員会、安全管理委員会)、各施設及び実験実施者が対処すべき性
質のものです。そのため国動協は的確な情報をいちはやく動物実験施設を通じてこれら対処すべき機関、実験実施者に提供してゆきたいと存じます。
実験動物の中でも、とりわけサルに関連する疾病は、密接に人に関連することが多く、注意すべきものですが
(例えば結核、赤痢、あるいは寄生虫、さらに最近のエボラ、モンキーポックス等)、近年サルにおけるBウイルス感染のことが社会的にも問題となっており、
本小委員会としては以下の項目を今回のBウイルス抗体調査結果に対する「見解」として示すとともに、関連情報を提供し、国動協会員の理解を図ることと致します。
「見解」
-
抗体陽性個体の実験使用、あるいは安楽死などの取扱いは、各実験内容とその重要性及び予想されるリスクを総合的に考えて各機関、各施設で主体的に判断されたい。
-
抗体陽性個体からの咬傷や針刺し事故など、Bウイルスの感染・曝露が考えられる
場合でも現在は治療法があってそれらに基づき治療されるべきである。
-
このためBウイルス感染に限らず、動物実験施設は人獣共通感染症の不測の事態発生
を考慮して、施設内にあっては救急手当用の消毒薬を常備すると共に、施設外にあっては「安全管理委員会」との接触や、大学附属病院
(例えば救急部や感染系内科等) 等の指定医と情報等に関し絶えず密接な交流を計っておくことが望まれる。
-
わが国では過去に死亡例は無いが (諸外国でも例数は少ないが)、予防などに従来通り万全の注意を払うに越したことはない。これまでの経験から適切なサルの取扱いに
よって危険性を防止出来得る。
-
しかし、最近のサルの使用状況の変化 (特に最近は従来動物実験にあまり経験のない
分野の研究者がサル使用の動物実験分野に参入してきている)を考慮すると、人獣共通
感染症に関する実験者への一層の啓蒙・教育が必要である。
-
今回の調査には野生棲息及び動物園等のサル群は含まれておらず、それらのマカカ属サルの抗体保有の実態は不明である。
-
近い将来には小動物同様マカカ属サルにおいてもSPFの繁殖コロニーを樹立し、
それらのサルを動物実験に使用することが必要であり、早急な対応が望まれる。
-
なお、下記「常備すべき資料」を各国動協会員施設に置き、実験者・施設職員等関係者が容易
に閲覧出来るようにすることを勧める。
「常備すべき資料」
-
Bウイルス関係参考資料 (第22回国立大学動物実験施設協議会総会におけるバイオハザード対策小委員会配布資
料、平成8年5月9日)(電子ファイル:長崎大学医学部附属動物実験施設 <URL:
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/lac/B-virus.html#CDC>)
-
1) CDCガイドライン: Bウイルス感染の予防と治療のためのガイドライン
-
2)(社団法人)予防衛生協会における対応(事故発生時の対応)
-
3) 京都大学霊長類研究所における対応(現方針
-
4) 検査関係(日本におけるBウイルスおよびその他サルのウイルス抗体検査機関)
-
大阪大学医学部"霊長類の飼育と使用に関するガイドライン <URL: http://hayato.med.osaka-u.ac.jp/index/guide/inform/regulation/
primate2-j.html>
-
CDC, NIH 微生物学・医学実験室のバイオセーフティー(倉田毅訳、医学書院 1996年)
-
バイオハザード対策ハンドブック (大谷 明、内田久雄、北村 敬、山内一也編集:
近代出版、1981年)
-
微生物によるバイオハザードとその対策 (岩田和夫編集: ソフトサイエンス社、1980年)
-
Guide
for the Care and Use of Laboratory Animals. Institute of Laboratory Animal
Resources, Commission on Life Sciences, National Research Council,
National Academy Press, 1996
-
Laboratory Safety; principles and practices, 2nd edit. Fleming, DO.,
Richardson, JH., Tulis, JJ., and Vesley, D. ASM Press, 1995
「関連通知等」
-
動物実験における人獣共通感染症感染事故の防止についての申し合わせ
-
(昭和54年3月26日 国立大学動物実験施設長会議)
-
動物実験における人獣共通感染症感染事故の防止について(通知)
-
(昭和54年4月25日 文学情 第161号)
-
流行性出血熱(韓国型出血熱)予防指針等について(通知)
-
(昭和56年7月10日 文学情 第215号)
-
大学等における動物実験について(通知)
-
(昭和62年5月25日 文学情 第141号)
-
大学等における実験動物の取扱いに関する安全管理の徹底について(通知)
-
(平成5年2月18日 5学情 第2号)
「関連文献」
Bウイルスに関連した多数の文献のうち、主要なもののアブストラクトを小委員会委員
関係者によって、現在、和訳作業を進めています。 下記ウエブサイトにアクセスして必要なものをコピー&ペーストしてご使用下さい。 URL: http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/lac/macaque_B.html>
次のような階層になっております。
-
1996年 国動協配布資料「Bウイルス関係参考資料」
-
疫学(発生事例報告等)関係
-
血清学的診断関係
-
遺伝子診断・遺伝子治療関係
-
化学療法関係
-
SPFサルコロニー樹立関係
-
その他の文献
「関連ウエブサイト」
-
人獣共通感染症連続講義 URL: http://www.anex.med.tokushima-u.ac.jp/topics/index.html>
-
感染研 (旧予研) 霊長類センター URL: http://www.nih.go.jp:80/yoken/tpc/main-j.html>
-
Zoonotic Diseases <URL: http://omni.ucsb.edu/pro/policy.html#Devices>
文献リスト (訳)
疫学(発生事例報告等)関係
-
抗体陽性アカゲザルからのBウイルス排出および伝播は希である
-
Infrequent shedding and transmission
of Herpesivirus simiae from seropositive macaques
-
Weir EC, Bhatt PN, Jacoby RO, Hilliard
JK, Morgenstern S
-
Section of Comparative Medicine, Yale
University School of Medicine, New Haven, CT 06520-8016
- Laboratory Animal Science 43 (6):541-544 (1993)
-
飼育ケージで単飼されているアカゲザル
(Macaca mulatta および M. fascicularis) におけるHerpesvirus simiae (B virus)
の疫学的特性について調査した。すなわち、検疫、繁殖、帝王切開、分娩および社会的ストレスといった日常的に動物が遭遇する環境および作業がウイルスの排出および伝播を引き起こしているかどうかを調べた。最初にアカゲザルの血清について抗体およびウイルス抗原をチェックした。口腔、結膜および子宮から綿棒によって材料を繰り返し採取した。新しく捕獲された32匹の動物については単独飼育とし、6週間、隔週に検査を実施したところ、7週間の検疫期間中、ウイルスの排出は確認されなかった。導入時に抗体陰性を示した19頭では7週間の検疫において陽性を示すことはなかった。ウイルス排出が確認されなかった部屋の16匹の動物は血清反応陽性であった。16匹の動物は帝王切開または通常分娩後3週間は、毎週検査を行った。動物室に新しく導入したオス個体についても11匹が抗体陽性、陽性個体と陰性個体の異性間で交配を行った場合でも1例しか陽転を示さなかった。血清陽性反応のメスから生まれたかもしれない53匹の単飼個体は10年間近く飼育され、さらに飼育年数が7年以下の86匹の動物のうち1匹だけが抗体陽性であった。これらの結果から抗体陽性のアカゲザルからB
ウイルスが排出することは希なことであり、また単飼動物内の伝播も低頻度であることが明かとなった。以上の結果はアカゲザルにおけるB
ウイルスフリーのコロニーを確立するのに有用と考えられた。(阪大 堀川洋子訳、黒沢 努監訳)
-
ケベック地方における Herpesvirus
simiae (Bウイルス)の職業上の曝露の危険
-
Nguyen C, Lalonde RG
-
Department of Medicine, Royal Victoria
Hospital, Montreal, PQ.
- Can Med Assoc J 143 (11) : 1203-1206 (1990)
-
Herpesvirus simiae(Bウイルス)は、マカクザルに軽度の感染症を引き起こす。ヒトへの伝染は結果として、生命をおびやかす脳脊髄炎を引き起こしうる。Bウイルスの職業上の曝露の危険性を評価するために、我々はサルを使用しているケベックの11のバイオメディカル研究所の所長達を調査した。サルの個体数、及びアトランタの米疾病管理センター(CDC)の推奨する感染予防法に関する情報を得た。感受性があるとされる種に属している519個体のサルのうち、26451%)個体において、その血清学的状態は陽性であった。これらは全て自然界から捕獲されたものである。また、24(5%)個体については、その血清学的状態は不明であった。全てのサルは個別にケージに入れられ、捕獲されたサルは2から8週間検疫された。84人の職員のうち52人(62%)が、血清学的状態が陽性か不明のいずれかのサルを取り扱った。CDC
指針に完全に従っていた研究所は、わずかに5研究所(職員の61%に相当する)だけであった。9の研究所で負傷管理プロトコールを持っていたが、診療と予防の専門家が任命されていたのはわずか6研究所だけであった。ケベックからのBウイルス感染事例の報告はこれまでにないが、ヒトで発症した時の重症度を考えると、感染予防法に厳格に従うことと、感受性のあるサルに対する職業上の曝露を専門的に管理することが必要である。(阪大 是金宏昭訳、黒沢 努監訳)
-
ヒトにおけるBウイルス(Herpesvirussimiae)感染症
: 一集団の疫学的調査
-
Holmes GP, Hilliard JK, Klontz KC,
Rupert AH, Schindler CM, Parrish E, Griffin DG, Ward GS, Bernstein ND,
Bean TW, et al
-
Center for Disease Control, Atlanta,
Georgia.
- Ann Intern Med 112 (11) : 833-839 (1990)
-
1987年3月、フロリダのペンサコーラにおいて、Bウイルス感染症の徴候を示す一群の4症例が発生した。3症例は研究施設でサルに関連した職業に従事していた人々で発生し、第4症例は、処方されていないスキンクリームを使用することにより、明らかに自家接種の結果として発生した。接触調査により、Bウイルスに曝露された可能性がある159人の人々(21人は施設でサルに曝露し、138人は一回以上感染患者に曝露していた。)が確認されたが、それ以外の事例は確認されなかった。分離されたBウイルスの制限酵素による断片型の比較により、サル取扱者における3症例の内2症例が、一方は臨床的に病気のサルに、他方は別の健全なサルに関連づけられた。ヒト感染の3つの危険因子が確認された。取り扱い前に機械的、或いは化学的にサルを拘束する手段を用いないこと、有効な防護用品を用いないこと、そして局所的な薬物療法の適用による直接的ウイルス接種である。(阪大 是金宏昭訳、黒沢 努監訳)
-
特に繁殖コロニーに関するサル間のBウイルス感染の伝播
-
Zwartouw HT, MacArthur JA, Boulter
EA, Seamer JH, Marston JH, Chamove AS
- Lab Anim 18 (2) : 125-130 (1984)
-
以下に述べる概念が、数種のマカクザルのBウイルス(Herpesvirus
simiae)抗体の研究により導き出された。抗体陽性の母親から生まれた時でさえ、サルの新生仔はBウイルスに感染していない。若年のサルは、成熟するまで未感染のままである。大多数の成体は、抗体陽性の成体との身体接触を制限されない限り、Bウイルス抗体を発現する。これらの観察は、Bウイルスの性的伝播と本症をサルの性病と分類することに矛盾しない。しかし、口腔と皮膚での感染も生じており、サル間の伝染に関与している可能性がある。Bウイルスによる動物間流行病が、Bウイルスフリーの繁殖コロニー作成を試みた初期に発生した。抗体が低力価しかない成熟サルの不顕性Bウイルスの再活性化により発現した。不顕性Bウイルスをインデュースするもので最も効果的であると知られているのは、お互いに知り合っていない成熟サルを一緒にして繁殖コロニーを作る際のストレスである。痕跡程度の抗体を発現する動物でさえも、完全に排除することによって、Bウイルスフリーの新しい繁殖コロニーを確立することが可能となった。(阪大 是金宏昭訳、黒沢 努監訳)
血清学的診断関係
-
霊長類における Bウイルス感染の診断用競合ELISA法の開発
Development of a competitive
ELISA for detection of primates infected with monkey B virus.
Blewett EL, Saliki JT, Eberle R
Department of Biochemistry and
Microbiology, College of Osteopathic Medicine, Oklahoma State University,
Tulsa 74107-1898, USA.
J Virol Methods
1999 Jan;77(1):59-67
サルの Bウイルス (BV, Cercopithecine herpesvirus 1)に対する抗体を検出することが可能な、競合ELISA (C-ELISAs)2法について述べる。このアッセイ法は、BVの糖タンパクB(gB)に対するモノクローナル抗体 (MABs)を用いる。2種類の MABsは BVgBを特異的に認識し、もうひとつのMABは、他の霊長類のアルファヘルペスウイルス (herpes simplexvirus-1, HSV-1:HSV-2; simian agent-8, SA8; and Herpesvirus papio-2, HVP2)の gBホモログとも反応した。MAB 3E8と交差反応することは、HSV-1, HSV-2, SA8, HVP2あるいは BV に対する抗体を検出していることを意味し、これら霊長類アルファヘルペスウイルスのいずれかに感染したことを証明している。また、BV特異的 MABsを用いた C-ELISAは、感度こそやや低いものの BVと他のアルファヘルペスウイルス感染の鑑別を可能にした。また、HVP-2抗原でのMABs 3H8の交差反応性は、BV抗原に対するBV抗体陽性マカク血清と同程度の高い検出感度を示した。この方法は、バイオハザードであるBV抗原を使用・準備することなく、BVに感染した霊長類の血清学的検査を可能にするものである。(長大 大沢一貴訳)
-
ヒヒにおけるヘルペスウイルス papio
2 の感染率と免疫原性ポリペプチドの同定
Prevalence of Herpesvirus papio
2 in baboons and identification of immunogenic viral polypeptides
Eberle R, Black DH, Blewett EL,
White GL
Department of Infectious Disease
and Physiology, College of Veterinary Medicine, Oklahoma State University,
Stillwater 74078-0359, USA
動物園飼育および野生捕獲の成体ヒヒ由来の血清133検体について、ヘルペスウイルスpapio
2 (HVP2) 感染率を抗 HPV2抗体を用いて判定した。新たに輸入された (野生捕獲)オリーブヒヒ(Papio
anubis: ケニア産)やチャクマヒヒ (P. ursinus: 南アフリカ産)の90%以上が抗体陽性を示した。同様に、動物園繁殖コロニーのヒヒ(オリーブヒヒ、サバンナヒヒ)のおよそ85%
が陽性だった。通常、感染個体の抗 HVP2 IgG タイターは 16,000〜64,000と高いので、ELISA法で容易に同定することができた。HVP2
陽性血清を単純ヘルペスウイルス1型・2型、Bウイルス、ヘルペスウイルスcercopithecus
2、HVP2 の各株に対して同様の試験を行っても、これら反応パターンに差異を認めなかった。また、オリーブヒヒとチャクマヒヒとでタイターに違いはなかった。ウェスタンブロット法を用いて、陽性血清中のポリペプチドの特異性解析を行った結果、4群の異なる抗原が抗体の標的となっていることが判明した。これらの抗原は、gB糖タンパク、80〜100
kDaの未同定のペア糖タンパク、gD 糖タンパク、一連のカプシドタンパクである。血清によっては、さらに別のウイルスタンパクと反応していた。ほとんどのヒヒがHVP2
に感染しており、HVP2 株間で抗原変異がほとんどなく、陽性血清が数種類の共通のターゲットと反応することが明らかになった。(長大 大沢一貴訳)
-
サル・アルファーヘルペスウイルスとそれらのヒト単純ヘルペスウイルスとの関連
-
Simian alphaherpesviruses and their
relation to the human herpes simplex viruses
-
Hilliard JK, Black D, Eberle R
-
Department of Virology and Immunology, Southwest Foundation
for Biomedical Research, San Antonio, Texas.
-
ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV1とHSV2)とヒト以外の霊長類由来の4株の関連したヘルペスウイルス
[Herpesvirus simiae (B virus), H. cercopithicus (SA8), H. s aimiri 1 (HVS
1), および H. ateles 1 (HVA 1)] について、それぞれのウイルス構造ポリペプチドと非構造ポリペプチドの生化学的および免疫学的性状を比較した。ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いた解析によって、これら6株のウイルスには共通した抗原決定基が存在することが示された。これらのウイルス間の抗原性の交差反応の程度について競合RIAによってさらに解析した。抗原性から、SA8とB
virusもまたHVS 1と非常に関連しているものの、HSV1とHSV2が互いに最も関連していた。HSV1とHVA1
との間、ないし他の4種類の霊長類ヘルペスウイルスとの間にはかなり低い交差反応性しか認められなかった。サルとヒトのヘルペスウイルスの遺伝子間での交差ハイブリダイゼーションの成績から、それぞれのサル由来ウイルスはHSV1とHSV2のいずれに対してもかなりの相同性があることが示された。感染細胞ポリペプチドを用いた免疫沈降法やイムノブロット法によって共通抗原決定基をもつウイルスポリペプチドが明らかにされた。サル由来ウイルスに対する抗血清によって認識されるHSVのポリペプチドのうちで、VP5とP40蛋白はいずれもウイルス核蛋白の構成蛋白であった。HSV1のVP5,
P40、DNAポリメラーゼ、主要DNA結合蛋白およびチミジンキナーゼ酵素遺伝子の配列を含む組み換えプラスミドを用いた結果、4株のサル由来ウイルス全てにおいてそれに一致した配列が存在することが明らかになった。これらの成績は、HSV1,
HSV2, SA8およびB virusが霊長類ヘルペスウイルスの中で近縁なサブグループを形成することを示すものである。HSV1とHVA1もまた他の4種類のサルヘルペスウイルスと関連しているものの、かなり相違していた。(北大 有川二郎訳)
-
サルヘルペスウイルス粒子および感染細胞の表面に発現したグリコプロテインと特定のHSVグリコプロテインの関連性について
-
Relatedness of glycoproteins expressed
on the surface of simian herpes-virus virions and infected cells to specific
HSV glycoproteins.
-
Eberle R, Black D, Hilliard JK
-
Department of Veterinary Parasitology,
Microbiology, and Public Health, College of Veterinary Medicine, Oklahoma
State University, Stillwater.
-
ヒトと類人猿に固有の6つのヘルペスウイルスの表面のグリコプロテイン抗原の関連性を調べた。抗ウイルス血清を感染細胞の表面に発現したウイルス抗原に反応させることにより、Herpes
simplex virus type1(HSV-1)、HSV-1、Simian agent(SA8)、Herpesvirus simiae(Bウイルス)の表面抗原は広範な交差反応を示すことが示された。南アフリカから分離された2つのウイルスHVS-1、HVA-1の表面抗原は高いウイルス特異性を示した。補体があるのとないのとで中和試験を行い、結果を確認した。先に述べた交差反応を示す表面抗原を確認するために、ウイルスタンパクの免疫沈降反応を行った。約110,000〜125,000ダルトン(110−125k)のグリコプロテインが、各々のウイルスに対する抗血清で、6つの霊長類ヘルペスウイルスの感染細胞から免疫沈降された。ウイルスの各部分の抗原に特異的な抗血清を用いて、これらのグリコプロテインは抗原的にHSVのgBグリコプロテインに関連していることが示された。これらのグリコプロテインは抗原的には6つのすべてのウイルスに維持されているが、gBグリコプロテインに対する抗体はヘテロのウイルスには交差中和しなかった。HSV-1、HSV-1、SA8およびBウイルス感染細胞とこれら4つのウイルスに対するそれぞれの抗血清の反応により約60−70kのグリコプロテインが沈降された。これらのSA8とBウイルスのグリコプロテインは、抗原的にはHSV-1とHSV-1のgDグリコプロテインと関連しており、かつ、交差中和に関係していることが示された。HVS-1とHVA-1に対する抗血清はこれらのgDグリコプロテインを認識しなかったし、また、他の4つのウイルスに対する抗血清では、HVS-1とHVA-1の感染細胞から類似した分子量のグリコプロテインの沈殿はなかった。HSVグリコプロテイン遺伝子に関するプロ−ブを用いてのサザンブロットハイブリダイゼ−ションでは、すべてのサルウイルスにはgBグリコプロテイン、そしてSA8とBウイルスにはgD遺伝子の維持が確認された。しかし、約75−80kのグリコプロテインがこれら2つのウイルスに対する血清のそれぞれと、HSV-1とHVA-1の感染細胞の反応により沈殿した。さらに、反応において主たるウイルス特異性を示すと思われるような少なくとも1つのグリコプロテインが6つのサルヘルペスウイルスのうち5つに同定された。(富山医薬大 山本
博訳)
遺伝子診断・遺伝子治療関係
化学療法関係
-
致死性Bウイルス(herpesvirus simiae)感染に対する経口的化学療法
-
Zwartouw HT, Humphreys CR, Collins
P
-
Chemical Defence Establishment, Porton
Down, Salisbury, U.K.
-
アシクロビルとガンシクロビル、これらはVERO細胞内において単純ヘルペスウイルス1型に比較し、Bウイルスに対してわずか約10倍以下の効果しかもたない、をBウイルスに感染したウサギの生体内で試験した。治療していない対照ウサギは8日後より麻痺を生じ、10日以降に死亡した。21日間の
500 mg/kg/dayの高用量のアシクロビルの経口投与により死亡をまぬがれた。アシクロビルでは700
mg/kg/day の用量で病気を予防した。Bウイルスに感染した人においてはこのような高用量のアシクロビルは経口投与できない。それにもかかわらず、高用量のアシクロビルの経口投与は猿を扱っている者が致死的な可能性のあるBウイルスに感染した場合、直後の予防には提唱されている。もし万一、病気の徴候や症状が現れれば、アシクロビルの高用量静脈内投与が推奨されている。ガンシクロビルがアシクロビルと比較してより効果的なことが明らかとなったので、感染が成立した場合の治療にはガンシクロビルの静脈内投与が使用されるだろう。(阪大 澤島 効訳、黒沢 努監訳)
-
Bウイルス(Herpesvirus simiae)感染に対する暴露後の免疫予防法
-
Boulter EA, Zwartouw HT, Thornton B
-
Bウイルス接種部位への抗血清の局所投与により、本来致死的である脳脊髄炎をウサギで予防した。6時間後の治療は効果を示すが、24時間後では効果は見られなかった。同種のウサギ抗血清は異種のサル抗血清よりより効果的で、予防効果は中和抗体価と関係しなかった。防護は接種されたウイルスの中和ではなく、ウイルスが子孫ウイルスを産生する前の感染細胞の破壊に明らかに依存していた。Bウイルスを中和できる通常の人間は防護できない。抗体の静脈内投与は多量投与した場合にのみ効果があった。これらの所見はBウイルスに不顕性感染しているサルに噛まれたり、ひっかっかれた者は特異抗体による免疫予防法によってうまく治療きるかもしれない事を示唆している。このような動物を使用している実験施設では、人の、あるいはより簡単に利用できる類人猿の抗血清の在庫を持っておくべきである。(阪大 澤島 効訳、黒沢 努監訳)
-
アシクロビルを用いた実験的Bウイルス(Herpesvirus
simiae)感染の成功治療(実験的なBウイル感染に対し、アシクロビルは良い治療法である)
-
Boulter EA, Thornton B, Bauer DJ, Bye
-
Bウイルス(Herpesvirus simiae)に対する新しいヌクレオシド類似物アシクロビルの効果をウイルスの
TCD50がそれぞれ2-136と 0.3-1.0で感染させたウサギおよびVero細胞を用いて調査した。Vero細胞において,1リットル当たり1mg
のアシクロビルの投与はウイルスの産生を90%に減少させた。これは単純ヘルペスウイルスに対する効果よりやや劣っていた。ウサギにおける結果は投薬間隔、治療期間、治療開始までの期間により異なっていた。8時間ごとに14日間以上アシクロビルを投与することにより、本来致死的であ感染症をコントロ−ルできた。9-10日後に治療を中止すると、何頭かのウサギで致死的な病気が遅れて発症した。感染後24時間以内に治療を始めると、完全に予防できた。また感染後5日以内に最初の治療をうけたウサギの死亡率は著明に低下(p<0.01)した。アシクロビルの血清半減期(half-life)
はヒトではウサギの2倍であり、病気の進行はより遅い。したがってアシクロビルはヒトにおけるBウイルス感染に対し暴露後の予防法としてだけでなく、おそらく病気の治療としても役立つかもしれない。(阪大 澤島 効訳、黒沢 努監訳)
SPFサルコロニー樹立関係
-
アカゲザル繁殖コロニーからのサルヘルペスウイルス除去の試み
-
An attempt to eradicate Herpesvirus simiae from a rhesus
monkey breedingcolony
-
Sauber JJ, Fanton JW, Harvey RC, Golden JG
-
Veterinary Sciences Division, Armstrong Laboratory, Brooks
Air Force Base, San Antonio, TX 78235-5000.
-
1987年秋にアームストロング研究施設に於いて、サルヘルペスウイルス(Bウイルス)フリーのアカゲザル(Macaca
mulatta)繁殖コロニー作出の試みが開始された。 全てのサルを陽性グループと陰性グループに分ける血清学的試験プログラムが行われた。グループの分離によって、Bウイルスに陽性の群と陰性の群のそれぞれの繁殖群が作られた。血清学的に(抗体)陽性のサルも、群分離の前と同様に、コザルを生産するために繁殖を続けた。このプログラムにおいて、最初の3回のBウイルスに対する血清テストでは、陽性に転じたのは少数の個体であった。しかし、1990年中に、陽性に転じるサルの数が増加して、アカゲザルにおけるBウイルスの潜伏感染の可能性を示す抗体不確定状況が見いだされ、やや安直に実施された除去の試みは挫折した。(京大霊長研 松林清明訳)
-
米国におけるアカゲザル SPFコロニーの樹立
-
Establishing Specific Pathogen-Free (SPF) Nonhuman Primate
Colonies
-
Stephanie J. Buchl, Michale E. Keeling and William R. Ross
-
Veterinary Sciences Division, Armstrong Laboratory, Brooks
Air Force Base, San Antonio, TX 78235-5000.
-
米国では AIDS研究のために、サル種をアカゲザルに限定し、NIHの研究費による競い合い方式を採用した
SPFコロニー樹立を計った。4種のウイルスを SPF項目として定めたが、それらのメニューは、1)
Cercopithecine herpes virus 1 (ヘルペス Bウイルス)、2) Simian immunodeficiency
virus (SIV)、3) Simian retroviruses 1-5 (SRV)、4) Simian T lymphotropic
virus (STLV)であった。
全米 6ヶ所の霊長類センターで行ったが、それら
6ヶ所は、1) Univ. of Texas, Anderson Cancer Center, Bathrop, TX、2) Laboratory
Animal Breeder and Service, Inc., Yamassee, SC、3) Texas Primate Center,
Hazleton Research Products, Inc., Alice, TX、4) Univ. of Miami, School
of Medicine, Division of Veterinary Resource, Miami, FL、5) Harvard Medical
School, New England Regional Primate Research Center, Southborough, MA、6)
Department of Public Health, Lansing, MI であった。 SPFサルは1994年に 150頭生産され、1997年には
500頭以上が、さらに 2000年には 800頭以上が上記 6ヶ所のセンターで生産出来る予定である。今のところ
2才令の価格は 2,500から 3,000ドルであるが、SPFコロニーが出来上がった現状、これからはむしろ価格を下げることも可能であろう。(長大 佐藤
浩訳)
その他の文献
-
アカゲザルの検疫および健康診断におけるツベルクリンテストおよびハシカの予防の評価
-
Evaluation of tuberculin testing
and measles prophylaxis procedures used in rhesus macaque quarantine/conditioning
protocols.
-
Staley EC, Southers JL, Thoen CO, Easley
SP
-
National Institute of Neurological
Disorders and Stroke, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland,USA.
-
通常行われている検疫および健康診断の妥当性の評価を実施するため、NIHの実験動物施設に搬入されたアカゲザル(Macaca
mulatta), 成獣103匹のうち23匹を以下の条件をもとに選抜した。選抜に際してはハシカワクチンの実施歴または感染歴がなく、ハシカウイルス抗体陰性、眼瞼でのツベルクリン反応が少なくとも4回は陰性であり、Herpesivirus
simiae およびD型レトロウイルス陰性であることを条件とした。不活化させた結核菌
(Mycobacterium tuberculosisin) 100mg の皮下注射による抗体感作1カ月後に、右眼瞼投与によってスクリーニングを行った。すべての動物はグレードから」までの反応を示した。動物を無作為に3群に分けた。動物用ハシカワクチン
(VET) および通常アカゲザルの検疫で用いているヒト用ハシカワクチン (HUM)をそれぞれ10匹ずつに接種し、ワクチン未接種の
3 匹をコントロールとして比較した。ツベルクリンテストは左眼瞼および腹部皮膚に皮内注射によって行った(実験0日目)。腹部皮膚での皮下反応テストは
5, 14 および 28 日目に行った。さらに、眼瞼内注射によるテストは28日目に実施した。VET群では14日目にハシカ抗体に対する
ELISA の OD 値は高値を示した。より重要なこととして HUM 接種群のうち2匹が初回接種後はELISA
で陰性を示した。HUM 接種群のうち3匹が ELISA で OD のカットオフ値 (0.15)
に近い値を示した。以上の個体については、ハシカに対する間接蛍光抗体法によって再検査を実施した。(阪大 堀川洋子訳、黒沢 努監訳)
-
HSV は Us5, Us3 の2つの遺伝子を介してアポトーシスを抑制する
-
Herpes simplex virus inhibits apoptosis through the action of two genes, Us5 and Us3.
-
Jerome KR, Fox R, Chen Z, Sears AE, Lee Hy, Corey L
-
Department of Laboratory Medicine, Unversity of Washington, Seattle, Washington, USA.
- ウイルス感染細胞のアポトーシスは、感染に対する直接的な応答として、あるいは宿主の免疫反応による感染の認識にともなって生じる。 アポトーシスは感染細胞からの新たなウイルス産生を抑制し、結果的にウイルスそのものが抑制メカニズムを進行させることになる。 我々は、すでにヒト単純ヘルペスウイルス (HSV1) 実験室株が、細胞傷害性Tリンパ球あるいはエタノールによって引き起こされるアポトーシスから感染細胞を防御することを示してきた。 今回、我々はHSV-1およびHSV-2の各実験室株と臨床分離株が、抗-Fas抗体あるいは紫外線 (UV) 照射によって誘導されるアポトーシスを抑制する可能性について評価した。 HSV-1 株は、UV、抗-Fas抗体のいずれによるアポトーシスをも抑制した。 これに対して HSV-2 では、333 株が UV 誘導アポトーシスに部分的な抑制効果をもってはいたものの、臨床分離株はいずれのアポトーシスも抑制しなかった。 HSVによるアポトーシスの抑制は、キャスパーゼ3 やキャスパーゼ8 活性の顕著な減少を伴っていた。 HSV-1 Us3 遺伝子の欠失は、UV 誘導アポトーシスの抑制効果を著しく低下させ、Fas介在アポトーシスの抑制を一部減弱させた。 逆に HSV-1 Us5 遺伝子の欠失は、Fas 介在アポトーシスからの防御を著しく低下させ、UV アポトーシスからのそれを部分的に低下させた。 Us11 および Us12 遺伝子は、いずれのアポトーシスからの防御のためにも不可欠ではなかった。 HSV-1, HSV-2 間のアポトーシス抑制能の差異は、HSV 感染時に重要な免疫生物学的ファクターなのかもしれない。(長大 宅島めぐみ訳)