SESSION 1:症例クイズ出題編
【事例概要】
20 歳代男性。知的障害があり、施設入所中であった。
数日前より嘔吐などの体調不良が認められていたが、某日午後8 時頃、顔色不良のため病院に連れて行こうとしたところで、意識消失にいたった。救急隊到着時心肺停止、大学病院到着後一時心拍再開するも、意識は回復することなく、翌日午前2 時、死亡確認となった。
心拍再開後に病院で撮影されていた腹部単純X 線検査ではイレウスが指摘され、CRP が高値であったことから、イレウスからの敗血症と診断された。
しかし、施設入所中の死亡ということで念のため司法解剖を行うこととなった。(なお、本事例は一部創作しています。)
【死後CT】
当日供覧する。
【剖検所見】
身長165 cm、体重56 kg。開腹時混濁した褐色調の腹水貯留1500 ml を認め、腹膜は全体に紫赤色ないし褐色に変色していた。消化管に穿孔部を認めた。各種剖検写真を供覧する。
【各種検査所見】
心臓血で検査したプロカルシトニン値は2.5 ng/ml(生体基準値 0.05ng/ml 以下)であった。そのほか、各種薬毒物検査結果などは適宜、ワークショップ当日供覧する。
【問】
本屍の死因を推定し、死亡診断書・死体検案書を作成してみよう。 |
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