ごあいさつ

2021所感 教授:田中克己
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
展開医療科学講座 形成再建外科学
教授 田中 克己

 昨年は新型コロナに始まり、気が付くとほぼ一年が異なる日常として過ぎてしまいました。式典と名の付くものは、そのほとんど多くが中止あるいは規模を縮小して行われるとともに、学術集会や会議においては、リモート、Webなどの新たな形式が一般的になってしまいました。長崎大学形成外科においても、教室・医局の行事はほとんどが延期・中止となり、開催できたものの多くがWeb開催となりました。
 このように、さまざまな制限の中で、各自が果たすべき事柄を行い、新たなる年を迎えたことと思います。たとえ周囲の状況が変わろうとも大学に求められた使命は変わりません。長崎大学形成外科においても、臨床・研究・教育の維持と更なる発展は重要な課題です。そのためにはこれまで以上にさまざまな取り組みが必要となります。新たなる研究の構築と臨床への還元、個々のスキルアップとその成果、さらには卒前・卒後教育と形成外科医の育成等、まだまだ取り組まなければならないことが山積しておりますが、一つひとつを丁寧に、正確に、そして迅速に対応をしてまいります。四月には新たな仲間が増え、さらに強い決意とともに形成外科を究めてまいる覚悟です。
 一方では、ワ―クライフバランス、働き方改革等に関しても考えなければなりません。とくに形成外科では、再接着をはじめ外傷の緊急手術、マイクロサージャリーを用いた再建手術、さらには他科からの依頼手術等に対応しています。このような環境においても、各自のキャリア形成を行い、日々の生活をゆとりあるものとすることも求められます。昨年から長崎大学ダイバーシティ推進センターと共にワ―クライフバランスに積極的に取り組んでいます。もう少しすると、取り組みの成果が必ず出るものと楽しみにしています。

 このように長崎大学形成外科の「伝統」に「多様性」を加えて、2021年が始まりました。4月22日・23日には、長崎市で、第64回日本手外科学会学術集会が開催予定です。また、2023年には、第66回日本形成外科学会総会・学術集会の開催が決定しております。新しい時代における形成外科を教室のスタッフの力を結集して築きあげてまいります。本年も宜しくご指導のほどお願い申し上げます。