学生・研修医の皆さんへ

井上病院
    websitehttp://shunkaikai.jp/inoue/
井上病院

 当院は長崎市にある病床数 112床の民間病院であり、小規模でありながらも長崎市の 2次輪番病院でもあります。職員総数278名、うち常勤医師24名であり救急診療とともに健診にも力を注いでおり、その一翼を消化器内科が担っています。病床数からすると内視鏡を含めた消化器内科の検査・処置数は多いのではないかと考えています。
 平成 22年度の消化器内視鏡検査は総計7254例、上部消化管が 5775例(一般検査症例 2108例、健診 3667例)、下部消化管が 1479例(一般検査症例 1332例、健診 147例)でした。このうち治療内視鏡は490例でESDが上部 65例、下部37例、EMR・ポリペクトミーが220例、止血術39例、PEG造設67例でした。 また胆道・膵疾患に対しては EPBDないし ESTを 26例、ERBDを 16例施行していました。 平成 22年度からは常勤の日本肝臓学会専門医が 1名増え、11例の RFA、14例の肝生検、10件の TAI、4件の TA(C)Eを行いました。
 当院は日本内科学会認定医制度教育関連施設、日本消化器病学会認定医制度認定施設、日本消化器内視鏡学会認定専門医制度指導施設、日本超音波医学会認定超音波専門医研修施設、日本大腸肛門病学会認定施設であり、平成 23年 4月の時点で日本消化器病学会指導医 2名、同専門医 4名、日本消化器内視鏡学会指導医 3名、同専門医 3名、日本肝臓学会専門医 3名が在籍しています。詳しくは当院ホームページを御参照下さい(http://shunkaikai.jp/inoue/)。
 以下、当院勤務の各先生方からの紹介文です。



【三嶋先生からの紹介文です。】

 当院へは常勤、非常勤含め大学病院からたくさんの Dr.が派遣され診療科目数はそれなりに多くはありますが市中の総合病院とは私立ということもあり少し病院の性質が異なります。市中の総合病院と診療所の中間に位置するような、そんな存在です。実はあまりよく知られていないことだと思いますが井上病院は病床数約 100床の小さな病院です。ですから病院内の決まり事は比較的スピーディーに決まっていきますので、やる気さえあれば自分のやりたいことがいろんな場面に反映されやすい、そういう病院だと思います。
 内視鏡室に関しては 1年間の内視鏡件数は 7000件超で若い先生方は 1日の大半を内視鏡室で過ごすことになります。検査内容は拡大内視鏡をはじめ EUSなど、現在トピックとなっているような先端の検査から健診まで様々な検査を行っています。消化管透視検査も術前のルーチンから精密透視まで全ての検査を消化器内科自ら行わなければならず、大病院にいるといま一つ慣れ親しむことがない透視検査も日常的検査となってきます。消化管の内視鏡治療に関しては全消化管の ESD(年間約 100例/ 100床の病院では多い方?)や EMR/ポリペクトミー(年間約 200件)など数多くの治療を手がけています。他、胆膵系の内視鏡治療も得意不得意なく年間 50件弱程の治療を行っています。
 内視鏡や消化器診療に疲れたら、息抜きに?他の領域の疾患も診れるのも当院ならではです。また消化器疾患以外の救急診療等にも力を入れてますので、一歩引いて冷静に消化器の専門診療を考えることができるのもこの病院の良いところの一つと思います。こういう何でもありの病院ですが、興味のある方がいらっしゃったら一度一緒に働いてみませんか?


【陳先生からの紹介文です。】

 当院の特色の1つである炎症性腸疾患領域に関しては、牧山和也先生の下、潰瘍性大腸炎・クローン病を主とする炎症性腸疾患に対して、内服・点滴治療、血球除去療法、特にクローン病に対する分子標的治療、また外科医師、他施設とも連携しながら外科治療を含めた総合的診療、それに関連する研究に力を注いでおり、炎症性腸疾患症例数は届け出実数で潰瘍性大腸炎126名、クローン病 44名と多くの患者さんを診ています。

【平成22年度に当院で 3年目の研修を受けられた 松田先生からの紹介文です。】

 2年間の初期研修終了後、縁があり長崎・井上病院の消化器内科で主に内視鏡検査・治療を学びに 1年間お世話になりました。井上病院は112床を有する機動力のある救急病院であり、特に消化器部門では年間 5000件以上の内視鏡検査・治療を行っています。実際に初期研修では内視鏡を握ったことがなかった私でも1年間で 1150件の内視鏡検査および治療を指導医のバックアップがある中で行うことができました。すぐそばで内視鏡専門医の先生が指導してくれますので、一般的な内視鏡検査だけでなく、もう少し専門領域に踏み込んだ拡大内視鏡所見の読み方、早期胃癌の ESD治療など専門医がどのように診察し、検査・治療を考えて診療にあたっているのかも学ぶことができます。また、入院を担当している患者さまのことで上手く病態が把握できない時も、各科の先生とはスムーズに相談ができる雰囲気があり、困っているときには一緒に悩み、助言を頂き助けていただいたことが一番印象に残っています。指導医のバックアップがあるなかで内視鏡検査・治療、入院患者さんの病態把握から退院、さらに外来でのフォローまで一貫して地域医療に携わることを井上病院で学べたことは、これからの医師人生の財産となっております。最後になりましたが井上病院でお世話になった指導医の先生、コメディカルの皆まさには大変親切にしていただきありがとうございました。


 以上、当院勤務の各先生方からの紹介文を掲載させて頂きました。最後になりましたが、当院では本年度より子育て中の女性の消化器内科の先生に平日の午前中に内視鏡検査を主とした勤務をして頂いています。当院は検診内視鏡件数も多く、検診症例以外ではリスクを少ない一般的な内視鏡症例を担当して頂いています。内視鏡や外来のみの勤務を考えておられる子育て中の女性の消化器内科の先生方、当院まで御一報下さい。当院は各学会の認定施設でもありますので、将来の認定医・専門医資格取得の一助ともなれるものと思っております。

文責 柳 謙二 / 井上 健一郎