学生・研修医の皆さんへ

諫早総合病院
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健康保険諫早総合病院

 健康保険諫早総合病院はJR諫早駅より徒歩5分のところに建ち、333床を有する県央の総合病院です。その中で消化器科は、常勤医4名、非常勤医1名で、消化器疾患診療に携わり、常時30-50床を使用し、診療しています。勤務している医師の平均年齢は、部長以外は若い先生が多く、これから消化器科スペシャリストを目指すやる気に満ちた先生が働いています。
当科の特色は、外科および放射線科と連携して、消化管疾患、肝胆膵疾患ともに幅広く、かつバランス良く対応できることです。この点は、当科の方針として掲げる『消化器科のジェネラリストを高いレベルで目指す』にも合致します。もちろん、これからより専門性を高めていきたい先生にとっても、有意義な研鑽が積めるよう新しい知識、技術を導入し、常に学会や研究会に参加・発表し、他施設・大学の先生と交流するようにしています。

 また最近では、研修医に人気の病院として、広く認識されるようになってきました。その理由として診療科、各分野に専門の医師がいて、各科の垣根がなく、顔と顔のわかる付き合いで指導が受けられる点が上げられます。H24年度は総勢15名の研修医(管理型6名、協力型9名)と、過去最高を記録し、さらに活気があがる状況となっています。

 消化器科にとって、なんと言っても今年の目玉は新棟完成で、その中に内視鏡センターが移設し、現在の検査室2室(透視室含む)から、3室(透視室含む)に増室されます。H23は前年に比し、飛躍的に検査・治療(ESDや胆膵治療)件数が増加しており、H24年度はさらなる飛躍が期待されます。リカバリー室やカンファランス室が充実する他、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や消化管出血症例に対する緊急内視鏡時に対応する検査・治療室では、内視鏡光源装置および3台の内視鏡モニターを天井面(シーリングサプライ)より吊り下げることで、アームの旋回・昇降機能により、各検査・処置に併せた任意の位置にポジショニングが行えるようになります。またすべての配管をセントラルパイピングシステムにて天井面より接続することにより、安全面、衛生面からも優れた内視鏡検査環境が完成します。さらに透視室も今後、同システムに変更することを想定した設計としました。また、手術室と同じく新棟に移転することに便乗し、二酸化炭素ガスも中央配管とし、3検査室とも常時二酸化炭素を使用した検査が可能としました。これまでは二酸化炭素を使用する場合、炭酸ガスボンベを使用するため、対象症例や使用時間が制限されることが問題となっていましたが、これにより全例CO2送気で検査を行うことが可能となり、特に大腸内視鏡検査では、より患者に低侵襲な検査が施行可能となります。これらは、長崎県内では初となる導入であり、今後の当科の方針を反映したシステムとなりました。
 内視鏡検査装置も、H23年よりさらに充実してきています。上下部拡大ハイビジョンスコープに加えて、念願であった内視鏡用超音波観測装置(EU-ME1)とEUS-FNAが可能なコンベックス超音波内視鏡(EUS)スコープ(GF TYPE UCT260)をH23年12月に導入しました。これによりいつでもEUSが施行可能な体制をとることが可能となりました。より高度な診断・治療を提供することが可能となり、導入後積極的にEUS-FNAを利用した診断・治療を施行しています。

 肝疾患に関しても、肝生検や肝癌ラジオ波焼灼術(RFA)といった局所治療も積極的に行い、肝炎、肝癌治療にも力を入れています。今年は新しいC型肝炎治療(ペグインターフェロン、リバビリン及びテラプレビルによる3剤併用療法)も皮膚科と連携して、開始する予定です。

研修医の教育には、病院として特に力を入れています。内視鏡検査に関しては、基本的な知識を学習した後、内視鏡前処置の実践、つづいて模型、最後は自分たちでお互い内視鏡検査を施行し、実際の検査に入っていただいています。それ以降はやる気のある研修医はやる気に比例して検査数を重ねることが可能です。緊急内視鏡の先発・完投までできるようになる先生もいます。腹部超音波検査に関しても同様で、肝生検や肝ラジオ波焼灼術(RFA)もやる気次第です。

 以上、当科の現状を報告しました.当院は消化器科や他内科のみならず、病院全体で研修医・学生の指導を行う病院です。そして、諌早駅に近い立地を利用し、諌早の夜に飽きたら列車に乗って、長崎、佐世保、足を伸ばせば博多にも行ける魅力的な病院だと思います。今後研修を考えておられる方々はぜひ一度見学に来て、大病院ではない、『ちょうどいい大きさの病院』のよさを実感してください。