スタッフ

リーディング大学院専任教員 准教授: 本間 季里
リーディング大学院 専任教員 准教授:本間季里
Kiri Honma, M.D. Ph.D.
E-mail kiri@nagasaki-u.ac.jp
プロジェクト

1. 自然免疫と獲得免疫の制御における転写因子IRF-4の役割
  転写因子Interferon regulatory factor-4 (IRF-4)は興味深いことにT細胞、B細胞、マクロファージ(MΦ)および樹状細胞 (DC) などの免疫担当細胞に限局して発現しており、免疫反応において重要な役割を担っていると考えられている。私たちはIRF-4遺伝子欠損マウスを用いて自然免疫および獲得免疫双方におけるIRF-4の重要性を明らかにしてきている。
T細胞においては、in vivo におけるマウス感染モデル、あるいはin vitro におけるTh1/Th2分化の実験系を用いてIRF-4遺伝子欠損マウス由来のCD4 T細胞はTh2への分化が欠如していることを明らかにした6。現在は更にそのメカ二ズムを検討中である。
一方、共同研究者の鈴木らはCD8・-CD11highの表現型を持つDCサブセットの分化にIRF-4が重要であることを明らかにしたが5、DCの類縁の細胞であるマクロファージをTLRリガンドで刺激するとIRF-4遺伝子欠損マウスのマクロファージからは炎症性サイトカインの産生亢進が認められ、IRF-4はマクロファージにおいては、TLRからのシグナルに対して抑制的に働く分子であることが明らかとなった2,3。
現在さらに詳細なメカニズムの解析を進めているが、獲得免疫と自然免疫を結び付けるIRF-4による免疫制御機構の解明を通して感染症に対する宿主の免疫応答制御、アレルギーや自己免疫疾患の発症機序の理解などを目指す。