ごあいさつ

所感2018 教授:田中克己
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
展開医療科学講座 形成再建外科学
教授 田中 克己

 2018年、元号では平成30年ですが、これも来年4月末をもって新たな元号となることが決まっています。世の中の動きと連動して、日々の生活もめまぐるしく変化しています。診療・研究・教育に関してもそれぞれの使命に沿って進むことが要求されています。元号も代々継承されるように、形成外科の活動も次に繋がるような形となりたいものです。
 さて、2017年11月26日に教室の創始者であります難波雄哉先生がご逝去されました。去る5月13日に開催されました偲ぶ会には多くの方々のご参列をいただき、先生の在りし日のお姿を思い出しながら、先生の精神、先生の思いが、なお今日においても脈々と受け継がれていることをあらためて感じました。
 本年から新しい専門医制度が始まります。すでに専攻医として研修が開始されています。長崎大学の同門としては、長崎大学、独立行政法人国立病院機構長崎医療センター、地方独立行政法人佐世保市総合医療センター、医療法人徳洲会福岡徳洲会病院、地方独立行政法人山口県立病院機構山口県立総合医療センター、愛媛県立中央病院の6施設が基幹施設となっています。併せて多くの施設がそれぞれの基幹施設と連携施設として研修プログラムを組んでいます。各施設の先生方、とくに施設責任者である医長の先生方には、専攻医の先生方の今後の研修に、より一層のご配慮をお願いいたします。また、同時に旧制度の専門医制度も同時進行となっておりますが、日本形成外科学会では専門医試験を含めて、さらなる修正・改善を検討していますので、専門医制度に関する情報には常に注意を向けておいてください。4月から2つの基幹施設で、合計4名の専攻医の先生がすでに研修を開始しております。同門会の先生方におかれましては、研究会・学会等で見かけましたら、ぜひお声をかけてください。今後のご指導を宜しくお願い致します。
 一方、サブスペシャルティ領域学会の専門医に関しても少しずつ進んでいるようです。日本専門医機構では、現在までに内科13領域、外科6領域、放射線科2のサブスペシャルティが決まっていますが、今年の9月には新たなサブスペシャルティ領域学会の追加認定を行う方向であるとの情報もあります。すでに日本形成外科学会の専門医を取得されている先生方はもとより、専門医を目指す若い先生方も、ぜひともご自分の興味ある分野の関連学会にも入会、活動をお願いいたします。
 また、臨床だけではなく、大学院での研究も頭の片隅というよりは、興味のある方は常に意識していただきたいと考えています。人数の関係で、希望通りとはならない可能性はありますが、研究も将来の臨床につながる大きな意味を持っているとともに各個人のキャリアパスとしても重要です。
 2019年2月16日の第40回九州手外科研究会ならびに2019年7月4日・5日に開催予定の第11回日本創傷外科学会も着々と準備を進めております。長崎大学形成外科らしい学会となりますようにさまざまな企画を考えているところです。また、本年4月の日本手外科学会学術集会に先立って行われた総会で2021年に長崎大学形成外科が第64回日本手外科学会学術集会を開催することが正式に決定されました。これもひとえに長崎大学形成外科の諸先輩から今に至る手外科への評価の賜物であると重ねて御礼を申し上げます。ぜひ長崎市での開催を考えており、会期としては2021年4月22日・23日を候補としております。
 同門の先生方におかれましては今後とも一層のご指導ならびにご支援をお願いいたします。