ごあいさつ

2020 教授:田中克己
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
展開医療科学講座 形成再建外科学
教授 田中 克己


 今年は新しい元号「令和」で新年を迎えることとなりました。
 本年の1月で、長崎大学形成外科は診療開始から満60年を迎えました。
 難波雄哉先生が昭和35年、1960年に整形外科内に形成外科診療班を立ち上げられてから診療科、講座と辿って今に至っています。ここに至るまでにおそらくはあったであろうさまざまな出来事を考えますと、長崎大学形成外科の歴史に身を置くひとりとして感慨一入です。ご存知のように還暦は十干十二支によるもので、人間が生まれてから60年経つと、干支が一巡することになり、「生まれた時と同じ暦に還る」ことになります。初心に帰る気持ちで、形成外科に向き合うつもりでおります。
 形成外科を取り巻く環境も時時刻刻変わっており、それに伴い、多くの問題が生じてきています。医療における働き方改革をはじめとして、医師の専門性、専門医制度に対する取り組み、多様性の尊重、地域医療への役割、超高齢社会における難治性疾患への対応、等々、個人として、また、組織として考えて行かなければなりません。
 歴史に学び、未来に繋ぐことが、今、まさに必要とされています。形成外科がさらに広く社会に認知され、国民の幸福につながるために新しい時代に向けて歩みを進めてまいります。