学生・研修医の皆さんへ

五島中央病院
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五島中央病院

 紺碧の空、コバルトブルーの海…。新鮮な魚、ジューシーな五島牛…。
自然がいっぱい、食べ物もおいしい五島列島。

 そんな五島列島、特に下五島地区の医療の中核を担うのがわが五島中央病院です。以下、当院に赴任して二年が経過いたしました筆者の視点から、簡単ではございますが五島中央病院の紹介をさせていただきます。

 五島中央病院の歴史は古く、起源をたどれば明治10年(1877年)に郡立病院として設立されたことに始まります。五島においては唯一の総合病院として、救急医療、がん治療などの高度医療をはじめとした、あらゆる医療ニーズを担っております。
 また当院は離島医療機関の特色を生かし将来の医療を担う人材を育成する教育機関の役割も担っています。当院には長崎大学離島・へき地医療学講座の離島医療研究所が設置されており、長崎大学医学部生が実習に訪れるほか、離島医療に興味のある他大学医学部生も全国から多数実習にきています。さらに当院の医師は五島高校衛生看護科の非常勤講師も務めており、将来の看護師の卵たちへの教育も行っています。

 さて、当院の内科診療の特徴は一言でいえば離島医療ならではの「総合診療」といえます。(わかりやすい言葉に置き換えれば、「なんでも屋さん」ともいえそうですが…。)
当院内科は結核病床含めベッド数104床で、われわれ消化器グループの他、呼吸器、循環器、腎臓および血液の専門医師にて診療しています。地域の総合病院ゆえ、疾患は消化器、呼吸器、循環器、腎臓、血液以外にも、脳血管障害から糖尿病、膠原病、内分泌、神経・筋疾患など多彩です。
 消化器診療でいえば消化管、肝臓、胆膵、化学療法などを地域の砦として最新の知見を踏まえた高度なレベルでこなす必要があり、また別の視点から見れば、健診、救急疾患から高齢者医療などさまざまなステージの医療を、また癌治療においてはESDなどの早期癌治療から全身化学療法を主体とした進行癌治療、さらに積極的治療が困難となった際の緩和治療や終末期医療のすべてを担っているのが現状です。
 さらには消化器疾患以外も、たとえば脳血管障害、膠原病、内分泌、神経・筋疾患などは常勤の専門医師がいないため消化器内科医といえども「内科医」としての立場で診る必要があります。

 筆者のある日の受け持ち患者例:急性期脳梗塞、HCC治療、顕微鏡的多発血管炎、誤嚥性肺炎、早期胃癌ESD、ポリペク、C型肝炎IFN導入、DM血糖コントロール、総胆管結石内視鏡治療、大腸癌化学療法導入 etc.
たとえば、こんな感じです。

 なお、平成24年度の消化器グループ延べ入院患者は608例、GIS件数1837件、CS件数729件でした。

 当院の消化器内科グループは今まで3人体制でしたが、平成25年4月より福嶋伸良先生が当院へ赴任され、4人体制となりました。福嶋先生は五島出身で長らく肝臓疾患を専門になさってこられた先生で、五島は肝臓疾患が多いということもあり、当院消化器グループとしては非常に充実した体制で診療ができるようになり喜ばしい限りです。

 受け持つ疾患が多彩でなかなか大変ではありますが、消化器内科としてこなすべき検査・治療も多岐にわたり、消化器内科医として特に総合的な臨床力をつけたい先生方にとってはうってつけの病院ではないかと思います。また、これから内科認定医を取得しようという先生方にとっても最適ではないかと思います(かくゆう筆者は、恥ずかしながらいまだ内科認定医をもっていないため、今がチャンスと目下がんばっているところです)。

 なお、仕事帰りなどでも、すこし車を走らせれば、夕暮れ時の美しいビーチで波の音に癒されることができる…。
 筆者だけかもしれませんが、普段の生活のなかでそんなちょっと非日常的な体験ができるのも五島のいいところだなあと思っています。